文: Kou Ishimaru
今年で結成25周年を迎えたロックバンド・Analogfishによる新曲「Lady Lady」は、アウトサイダーアーティストのヘンリー・ダーガーの活動から着想を得たという1曲。成長していく周りの人々に対する“置いていかれるような気持ち”を描いたリリックと唯一無二のユニークなメロディが混ざり合う。焦燥感や寂しさに反比例して、どこか「自分は自由だ」と歌っているようにも聴こえた。
幽体コミュニケーションズによる半年ぶりのシングル「Beat my Spring(春を斃して!!)」は、コンポーザーであるpaya自身が「僕の弱さを固めたような曲」と語るポップチューン。これまでもミニアルバム『巡礼する季語』のように、季節についての所感を作品に昇華してきた彼らだが、今作では春への愛憎を歌う。The Anticipation Illicit Tsuboiによる生々しいサウンドが、楽曲に宿るアンビバレンスな想いを強調している。
2023年からロンドンへ活動の場を移したシンガポール出身バンド・Coming Up Rosesの最新作「Back The Way We Came」は、Black Country New Roadとの仕事でも知られるJoshua Rumbleがプロデュースに参加した1曲。近年のギターポップ/インディポップの魅力であるピュアで爽快なサウンドが、春の匂いを感じさせてくれる。
毎月連続シングルをリリースしている神奈川出身のラッパー/アーティスト・wa(l)ternative(ウォーターナティブ)が、その17作目となるシングル「counterstop」を配信。エモラップやハイパーポップ/デジコアなどの音楽ジャンルをユニークな織り交ぜたカオティックなサウンドが、陰鬱とした感情を想起させる1曲に。環境音のサンプリングといった自然の揺らぎと、グリッチによる無機的な操作の塩梅もセンスフルだ。
その他、注目のリリースにはego apartment、RAq、生活は忘れてなどがラインナップされています。
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