言葉をサウンドに溶かして、Eryyyは遊ぶ

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はEryyyをご紹介します。

情景に音を授けて

2020年に活動を開始したエレクトロ音楽アーティスト、Eryyy。シンセサイザーやサンプリングを巧みに操り、どこかに闇を感じさせるサイケデリックでポップな世界を作り上げていく。

先日配信が開始された『TYO METRO』は、エレクトロを共通項にしつつも異なる世界観が展開されていく1枚。アトランタ出身で日本育ちのラッパー/ビートメイカーであるMadeinTYOがビートを提供し、Eryyy自ら作詞作曲を担当した。

Eryyyはメロディーに乗せて日本語を聴かせることも得意なシンガーだが、今作ではボーカルをサウンドの一部のように扱っているのが印象的だ。雨が“ハラハラ”と降ってくる様子や、どうにも動き出すことのできない“うだうだ”タイムに音を授け、音楽として昇華していく。その言葉に当てられたフレーズが、体感で鳴っているメロディーやリズムに近しいからこそ、より楽曲の中毒性も増していくのだろう。彼女の新たな魅力に出会える1枚となった。

Eryyy

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