じわりじわりと、トエチカは語りかける

Review
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はトエチカをご紹介します。

感情的じゃないからこその響き

シンガーソングライターの西邑亘弘を中心に、2023年に結成された5人組グループ、トエチカ。哀愁を放つ歌声とサウンドで、じんわりと胸に染みる音楽を紡ぐアーティストだ。

先日配信が開始された「僕らは」は、西邑がソロで活動していた際に制作され、デビューミニアルバム『ひとりでに』にも収録された楽曲。グループとしても活動初期から演奏され続け、記念すべき初音源となった。

言葉少ない歌詞のなかに描かれるのは、とつとつと歩む帰り道でのワンシーン。目の前に伸びている道を見ながら、本質的にはひとりで生きていく人生に想いを馳せる1曲となっている。全体的に重心を低めに作られたサウンドは、平穏な語り口や途方もない未来への気怠さを演出。感情的に訴えてこないからこそ、じわりじわりと心に語り掛けてくるような作品だ。

トエチカ

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