空想へ導く、YODAKAの音像

Review

文: BIG UP! 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はYODAKAをご紹介します。

丁寧に文字へ落として

一聴すると脳に飛びこんでくるのは、音ではない。情景だ。散歩道に積み重なる落ち葉や澄み切った夜空に広がる幾千の星、切なくも柔らかく足元に迫るさざ波。YODAKAの音が描いているのは、気持ちよりも景色なのではないだろうか。

YODAKAは劇伴作家を目指し活動している、和歌山県のクリエイターだ。もともとはバンドマンだったが、現在はDTMでヒップホップのビートを基調としたメロディアスな作品を作っている。
本棚に並ぶレジェンドたちからインスピレーションを受けていることもあり、その楽曲たちは極めて抒情的だ。故人が季節の移ろいや誰かの行動を繊細に文字へと起こしたように、YODAKAも一瞬の煌めきを丁寧に音へと起こしていく。その精巧で優美な世界観が、聴くものの心をファンタジーで満たしていくのだ。

先日配信が開始された『close to you』は、ピアノの旋律が美しい1枚。言葉がないからこそ解釈の幅が無限にある作品へ思いをはせ、YODAKAの空へ心を飛ばしてほしい。

YODOKA

提供:BIG UP!zine

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新カルチャー情報をゲット!

閉じる