笹川真生に宿る、諦観の美

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は笹川真生をご紹介します。

一線引くから見える世界

笹川真生の作る音楽は、職人技の光るガラス細工のようだ。粗雑に扱うと一瞬にして壊れてしまうのに、人の温もりを宿し強く優しい。

高校生の頃までは、音楽に全く興味がなかった笹川。友人から凛として時雨を勧められたのをきっかけに、クリエイターを目指すようになった。大学生時代には、ART-SCHOOLBURGER NUDSなどの鬱ロックに傾倒、表現したいものの濃度を高めていったのである。
彼の芯にあるのは、諦観の美学だ。物語の渦中にいながらも、どこか引いた視点から事象を眺め、美しい日本語で綴っていく。その美意識が退廃的なサウンドやウィスパーボイスをより魅力的なものとして光らせるのである。

先日配信が開始された「日本の九月の気層です」は、2ヶ月連続リリースの2作目となる楽曲。散文的なリリックとスピード感があり攻撃的なアンサンブルの抑揚が、不安定な9月の空のように揺れるナンバーだ。

笹川真生

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