孤独な夜をMA’LILと越える

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はMA’LILをご紹介します。

暗闇に射す歌声

自分を好きでいること、慈しみ大切にすること、それがなにより大事なことだと分かっていても、そう簡単にはいかない。
MA’LIL『hate me』を聞くと、自己嫌悪に苛まれる夜、こんな楽曲が傍にあってほしいと心から思う。

ボーカルユニットJamFlavorの女性シンガー・MA’LIL。
ソロ2作目となる『hate me』は、タイトル通り人々のダークな一面にフォーカスした作品だ。
過去を振り返り、今さら戻れない選択を悔いたり、変わり映えしない自分にうんざりしたり、そうして気づけば眠れなくなってしまったり。
誰もが一度は経験したことがあるであろう深い暗闇を、重厚感と深みのあるビートにより描き出し、シリアスな歌詞がその輪郭をソリッドに照らす。
闇を丁寧に掘り下げるからこそ、MA’LILの伸びやかなハイトーンが映え、その歌声が持つ、真夜中に射す月明かりのような媚びない眩しさ、神秘的なうつくしさを感じることができる。
ただ憂鬱に浸るだけではなく、落ちるときはどこまでも落ち、自らの感傷と向き合う切実さも感じるこの一曲。

何もかもが苦しくなってしまうそんな夜、全てを投げ出してしまう前に、一度この曲を聞いてほしい。


MA’LIL

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