sotoとSiMoNが歌うやさしい孤独

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はsoto feat. SiMoNをご紹介します。

静かに、丁寧に浸る世界

音楽は、さまざまな形で私たちの生活に溶け込む。
soto feat. SiMoN『舟』は、たとえば、文庫本をコートのポケットに忍ばせ持ち歩くように、そっと何度も繰り返し味わいたくなる作品だ。

大阪在住のシンガーソングライター・sotoの楽曲を、大阪出身、広島を拠点にしながら全国/全世界でライブを重ねるSiMoNが再構築して作り上げられたこの『舟』。
ギターの音色はひとつひとつが繊細な糸のようにささやかに揺れ、sotoの歌声を彩り、包み込んでいく。
この楽曲の詩を、そしてsotoの歌を聞いていてふと思う。
実は舟というのは、とても孤独で、ゆえに自由で、寂しくて、危うくて、不思議な乗り物なのではないかと。
SiMoNのコーラスは、澄んだ水面に静かに波紋を広げるようにしてsotoの声に重なっていく。

どこへ向かうでもなく、ゆらゆらと漂う1艘の舟。
目まぐるしい暮らしに嫌気が差したとき、この曲を聞けば、ここではないどこかへ心を逃がすことができるはずだ。
特別な詩集を繰り返し読むように、お守りをぎゅっと握るように、丁寧に心のそばに置いておきたい作品だ。

soto

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