映画ライター厳選!映画好きならマストチェックな7月の配信4選

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文: 安藤エヌ  編:Mao Oya

Disney+、Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXTで、6月から配信スタートの話題作をご紹介。ウェス・アンダーソン監督によるストップモーションアニメ映画『犬ヶ島』、A24が贈る『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』、第92回アカデミー賞で主要6部門にノミネートされた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、日本でも話題となった中国アニメ『羅小黒戦記』の4作をセレクト。

主要配信サイト『Disney+』、『Netflix』、『Amazon Prime Video』、『U-NEXT』それぞれで配信が開始された話題作を紹介するコラム。

7月のラインナップには、吹き替え版が日本で公開され、多くのリピーターを生んだ中国発のアニメーション映画『羅小黒戦記』や、第92回アカデミー賞各賞にノミネートされた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が登場。話題性のある作品が続々と配信される今月は、梅雨どきというのも相まって家でじっくりとエンタメに触れるのにちょうどいい機会となりそうだ。


Disney+ ストップモーションアニメ映画『犬ヶ島』


まずはDisney+から。代表作『グランド・ブダペスト・ホテル』で観客を魅了し、最新作『ザ・フレンチ・ディスパッチ(原題)』の日本公開を控え、独自の作風と地位を確立してきた鬼才ウェス・アンダーソン監督。彼が手掛けたストップモーションアニメ映画『犬ヶ島』が、7月16日(金)より配信される。

物語の舞台は近未来の日本。犬の伝染病が蔓延し、ゴミ捨て場に捨てられた犬たちのもとにやってきた少年・ワタリが愛犬を探しながら、犬たちとの絆を深めていく姿が描かれている。

日本文化をリスペクトしたストップモーションアニメとして、スタジオライカ製作『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』があるが、この『犬ヶ島』も宮崎駿監督作品や昔話『桃太郎』など、日本に由来のある物語たちをオマージュした世界観で、監督の並々ならぬ日本愛がうかがえる。

監督は黒澤作品に見受けられるような時代劇にもインスピレーションを受けていると語っており、『七人の侍』のメインテーマが流れるシーンにも注目。

アンダーソン監督の真骨頂ともいえる、味わい深いアニメのタッチで描かれる独創的な世界にやみつきになること間違いなしの作品だ。

Netflix 映画『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』

次にNetflixからは、気鋭の映画製作スタジオ・A24が贈る『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』を紹介。

舞台は1991年、マサチューセッツ州ケープコッド。夏休みを叔母の家で過ごすことになった主人公のダニエルは引っ込み思案な性格で、馴染みのない土地で友人もできず平凡な日々を送っていた。そんな時、ひょんなことから町の不良少年であるハンターと出会い、彼とともに麻薬売買に手を染めていく。危険な香りのする生活と色めきだった恋にはまっていくダニエルだが、町にやってきたハリケーンが思いもよらない出来事へと彼を巻き込んでいく――。

主人公・ダニエルを演じるのは、今もっともフレッシュで各所にひっぱりだこな俳優、ティモシー・シャラメ。10月に日本公開されるSF映画『Dune/デューン 砂の惑星』にも出演している彼の若々しさが炸裂した姿を堪能できる。

常に挑戦的な作品を世に送り出し続けていることに定評があるA24スタジオの作品とあって、見ごたえも抜群だ。是非これからの季節に観ることをすすめたい。

『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』は7月8日(木)よりNetflixで配信。

Amazon Prime Video 映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

Amazon Prime Videoからは、第92回アカデミー賞で主要6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が7月23日(金)より配信される。

ルイーザ・メイ・オルコットの古典的名作である『若草物語』をリメイクした本作では、マーチ家の4姉妹を軸に、彼女たちがそれぞれに生き、支え合う姿を描いている。主人公である次女のジョー・マーチは、若干27歳にして女優としての才能に溢れ、各界から注目されているシアーシャ・ローナンが演じているほか、長女メグにエマ・ワトソン、四女エイミーにフローレンス・ピューなど、若手の実力派が勢ぞろい。前述した『ホット・サマー・ナイツ』主演のティモシー・シャラメも、彼女たちと親交を深めていく青年・ローリー役として出演している。

現代の価値観のもとに名作である『若草物語』を解釈し、洗練された映像作品に昇華したのは、女性監督のグレタ・ガーウィグ。女性が陰に隠れて生きる時代を舞台に、ジョーをはじめとしたマーチ姉妹が自分らしく生きていく姿を描き切った。今を生きる女性にはもちろん、すべての人に観ていただきたい作品となっている。

U-NEXT アニメ『羅小黒戦記』

U-NEXTからは、完成度とストーリー性の高さで日本でも話題となった中国アニメ『羅小黒戦記』が独占配信される。

はじめは字幕版として少数の劇場でしか上映していなかった本作だが、昨年11月に日本人声優による吹き替え版が上映されると爆発的に上映館を拡大させ、一気に話題作へ上り詰めた。

黒猫の妖精・小黒(シャオヘイ)は、住処を追われ放浪しているところを同じく妖精の風息(フーシー)に拾われる。彼は小黒に居場所を与えるが、執行人と呼ばれる存在の無限(ムゲン)の襲来によりふたりは離ればなれに。風息を探すため無限と行動を共にする小黒だったが、やがて風息が妖精のためにとある目的を遂行しようとしていることを知る。人間と妖精、異なる立場の共存をめぐりさまざまな正義がぶつかり合う。幼い小黒は、何を考え、何を決断するのか――。

吹き替え版公開から半年以上経ってもロングランを続けた本作は、何度も劇場に足を運ぶリピーターのファンが多いことでも話題を呼んだ。奥深いストーリーや魅力的なキャラクターなど、観ればきっと何度でも観たくなることうけ合いの一作となっている。

映画『羅小黒戦記』はレンタル価格700円で7月9日(金)よりU-NEXTで独占配信。


夏の到来に胸が踊り出すこの頃。話題作を観て過ごしながら、活気ある季節が今年もやってくるのを楽しみに待ちたい。

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