タワレコが新たに始めたサブミッション・メディア「TOWER DOORS」の狙いとは|音楽×YouTube特集

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文: 久野麻衣  写:Yuya Eto 

タワーレコードが新たに開始したサブミッション・メディア「TOWER DOORS(タワー・ドアーズ)」。その狙いやタワーレコードとしての今後の発展について、ビジネスデベロップメント推進本部 ビジネスデベロップ統括部 小峯崇嗣さん(トップ写真)と広報室 室長 谷河立朗さんに伺いました。

タワーレコードは2019年4月3日よりサブミッション・メディア「TOWER DOORS(タワー・ドアーズ)」を開始しました。同メディアはYouTubeをプラットフォームとして、アーティストやレーベル等からサブミット(提案)された楽曲をタワーレコードが厳選し、キュレーション、配信・更新していくというもの。

CDショップとして知られるタワーレコードのこの新しい取り組みにはどのような狙いがあるのか、そしてタワーレコードとしての今後の発展について、ビジネスデベロップメント推進本部 ビジネスデベロップ統括部 小峯崇嗣さんと広報室 室長 谷河立朗さんに伺いました。

音楽情報が溢れる時代の新たな提案

ーTOWER DOORSはタワーレコードさんがサブミッション・メディアをスタートしたということで大きな注目を集めましたが、まずは「サブミッション・メディア」というものがまだ一般的な言葉ではないかなと思うのですが…。

小峯:

海外ではそのような名前では呼ばれていませんからね。「サブミッション・メディア」という言葉は日本独自の言葉なんですよ。簡単に言えば「YouTube上にある、楽曲を集積しているメディア」です。サブミッション・メディアの始まりは、YouTubeのサービスが始まってから友達同士でミックステープを作るようにYouTube上に再生リストを作っていったところからだと言われていて、そこから音楽をプロモーションするメディアとして確立していったのだと思います。「サブミッション・メディア」以外の呼び方も考えたいなと思ったのですが、ぱっとするものが無かったんですよね。

ーTOWER DOORSの立ち上げの経緯や会社としての狙いをお伺いできますか。

小峯:

新規事業を考えていく中で、海外ではMajestic CadualやTrap NationのようなYouTubeに基点を置いてインディーズアーティストを扱う新たな音楽メディアが現れ、日本でも去年luteがlute musicというサブミッション・メディアを始めました。そこでタワーレコードとしても新人〜中堅のアーティストに焦点があたるようなサブミッション・メディアが出来ないかということで、社内に提案をしたんです。

今は膨大な音楽情報が溢れていて、“何を聴けばいいのか分からない”という状況があると思います。タワーレコードでは、その膨大な情報の中から特に新人〜中堅のアーティストを厳選してYouTube上に集積することで、ユーザーの方に新しい音楽に出会っていただく。逆にアーティストの方にはタワーレコードというブランドでプロモーションの機会を設けることができるという狙いがあります。

今は弊社が運営しているウェブメディア「Mikiki」と連携して話を進めているのですが、今後は実店舗とも連携を作っていきたいと思っています。

ー実際に動き始めたのはいつ頃だったのでしょう?

小峯:

最初に発案したのが去年の9、10月あたりで、本格的に楽曲を集めたりアーティストと交渉を始めたのが12月下旬から1月上旬あたり。そこから3、4か月で楽曲を集めて、今も楽曲を集めている最中です。

ーチャンネルを作った時に一番こだわった部分はどこですか。

小峯:

見せ方には一番注力しました。「ドアーズ」というメディア名である通り、扉を開いてほしいということで、色々な音楽のジャンルのチャンネルを作り、各ジャンルに分かれたアイコンが「扉」になっていて、そのアイコンを押すとその先には色々な音楽が待っているという設計になっています。

ー「ドアーズ」というのはぴったりなネーミングですね。

小峯:

メディア名は色々な候補が上がったんですが、一番しっくり来たのがこの「ドアーズ」で。色々な音楽のジャンルにも当てはまるし、音楽以外にも広げられるし、メディア名としての汎用性が高いということで、この名前に決定しました。
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