YouTube発の表現者・みのが語る音楽との関係【後編】|音楽×YouTube特集

YouTube×音楽特集

文: 久野麻衣  写:後藤倫人 

YouTube上で音楽を中心とした動画を展開し、さらにはアーティストとしても活躍の場を広げるみの。後編ではYouTuberとして、アーティストとして今後どのような展開を見せてくれるのか話を聞いた。

カリスマブラザーズ(通称:カリブラ)のメンバーとして注目を集め、解散後はYouTubeチャンネル「みのミュージック」で動画を公開しながらアーティストとしての活動も展開しているみの

前編では彼の音楽的な背景にあるロックとの出会いからそこへのめり込んでいく過程、さらには現在のアーティスト活動での表現について話を聞くことで、内に秘めるものの大きさを見せてくれた。

後編では彼の名を世へ知らしめることとなったYouTubeというメディアでの活動、そして今後どのような展開をみせていこうとしているのか、彼の考えを聞いた。

YouTuberとしての自分

ー音楽活動を進めていく上で、YouTuberとしての意識は変わりましたか?

YouTubeの文脈で出てきたという意識はあるのでYouTube上での発表は大事にしていますね。一気に「俺はもうライブハウスでしかやりません」って思う気持ちはないし、やっぱり自分のホームだと思っています。YouTubeも愛しているので。

ーファンは安心ですね。

10代のころは当たり前にYouTubeがあったわけではなくて、どっちかっていうと高校くらいはニコニコ動画の方が元気でしたけどね。

ーまさか自分がこの場所で活動するとは?

まったく思ってないですよ!本当に。天才ギタリストとして10代で売れる予定でした。

ー(笑)。今は音楽をやりながら動画の更新もされていますが、企画は色々とストックしているんですか?

ストックの中からやりたいものをやっています。これまでは毎日動画をアップしていたんですけど、そこまでコミットしちゃうと楽器を触れなくなっちゃうので、ある程度時間を置きつつ、なるべく私生活から自然にコンテンツをだそうと思っています。例えば「シティーポップ聴いてるな〜、動画にしよ」っていう、リアルとの距離感を近いところに動画をもっていこうと思ってます。

ーそこにはどんな意図があるのでしょう?

無理しないってことですね。二足のわらじ感を強く持ちすぎるとどっちも集中しにくくなっちゃうので、そこの距離を近くしています。

ー内容的にはコアな音楽ネタからYouTubeらしい企画ネタまでありますが、内容のバランスは意識していますか?

バランス意識というよりはYouTube上での企画ネタをやっていたのも1つの自分なので、捨て去る必要はないかなって。思いついたらやろうと思ってます。

ーギターに輪ゴムをつけていく動画、すごかったですね。まさかあんな風になるとは…。

潰れるくらいかと思ってたんですけど、自分でもびっくりしましたね。「楽器を壊すな」って賛否両論ありましたけど。

ー動画の間に入っているシュール映像の意図を聞いてもいいですか。

神の啓示を受けたんですよね、「いれろ」って。宇宙の真理の断片です。

ー詞の世界観と通じるものがありますよね。あれは撮りためているんですか?

ロケスタジオを1日抑えて、ぶち抜きで50本撮っています。数秒のために交通費やスタジオ代でめちゃくちゃお金無駄にしてると思います。だんだんトランスしてきますよ。あれが作っていて1番楽しいです。

シーズン1は総集編を出したんですけど、もうすぐシーズン2の総集編も出して、シーズン3が始まります。演者が変わるだけですけどね(笑)。

ーレコードに関連した動画も多いですよね。

昔からお好きなんですか?

いや、レコードにハマったのは最近なんですよ。音楽関係者から「モノラル盤のレコードで聴くと音がすごい」って噂をちらほら聞いていて半信半疑だったんですけど、確かめようと思ってPhil Spectorの7インチをモノラル盤できいたらびっくりするくらい違くて、一気にハマったんです。

ーでは今所有しているものは最近になって集めたものですか?



ここ1年2年です。お金かかるけど、止まらないんですよね。

ーモノラル盤を知らないような若い人もみのさんの動画を観て興味を持ってくれるといいですね

きっかけになってくれたらいいと思ってます。

ー逆に古くからのロック好きも集まりそうな…。

それも嬉しいです。ロック全般が元気がない気もしているので、そこを活性化させたい思いはあります。そもそもギターが売れていないって話があるくらいだから、肉体的な音楽をもっと盛り上げたいですね。

新たな刺激から生まれる今後の可能性

ー先日はバーの開店を発表していましたが、あれは昔からやりたいことだったのでしょうか?

ここ1年くらいのことですね。YouTubeで音楽を扱っても権利問題があるから音楽をかけれないんですよ。そのハードルをどう越えるかを模索していて、プレイリストをつけてみたり色々試していたんですけど、もっと近い距離感で音楽をシェアできるところがあればいいなって思ったんです。

ーリアルな場と言うとイベントもあると思いますが、先日はDJとしても出演されていましたよね。DJの経験はあったんですか?

一切ないんです。だけどなんでも知りたくなっちゃうんですよ。ロックバンドにDJっていう俺が知らないパートあるぞ、どういう風に曲を作るんだって。じゃあ俺もやってみて、とりあえず知ろうと思ったんです。DJってお客さんの熱気やムードをコントロールする立場じゃないですか。ライブ演奏する時に同じようなことをバンドマンも考えているだろうから、そこの感覚も気になるんですよね。なんの共通点があって、なにが違うんだろって。

ー今は新しいことに挑戦するのに積極的なんですね。昔だったらDJに興味を持ったりしなかったのかなと思ったんですが…。

最近はアート系の交友関係が増えて来て、近くで面白いものをみる機会が増えて来たからですかね。DJに興味を持てたのも踊ってばかりの国の下津さんの弾き語りを観に行ったからなんです。下津さんのギターとサンプリングパットだけのステージもすごく面白くてかっこいいと思ったんですけど、次に出てきたDJの方がゴリゴリのエレクトロにゆらゆら帝国坂本慎太郎さんの歌をのせてずっと流していて。こういうオルタナティブなDJの人たちを見てすごくいいなって思ったんです。

ー関わる人からの刺激が大きいんですね。ではみのミュージッック、ミノタウロスといった今後の表現活動の最終的な目標を教えてください。

毎回言ってますけど、やっぱり「ロックを玉座に還す」ですね。壮大ですけど、今そういう流れが来ている気もしています。インディのバンドも面白いバンドがたくさんいるし、そういう所の力になれればいいですね。

ーこの先は音楽の部分に集中したいということもあると思いますか?

今は動画を作りながら1日4~5時間ギター弾いたりしますし、昨日も1日中スタジオに入っていたし、全然両立しますね。その辺は特に苦しいことはないので、このペースでいこうかなと思っています。

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WRITER

久野麻衣

DIGLE MAGAZINE 副編集長

PHOTOGRAPHER

後藤倫人

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