2022年2月|映画ライターが厳選する今月の配信作品 4選

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文: 安藤エヌ  編:Mao Oya 

映画で心機一転!Disney+、Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXTの各動画配信サービスにて配信が開始される作品の中から、映画ライターおすすめの話題作をご紹介。『デンジャラス・バディ』『ビルド・ア・ガール』『Summer of 85』『オールド』の4作品をセレクト。

年が明け、早くも1ヶ月が過ぎた。心機一転、新たな気持ちで仕事や生活に向き合ってきた日々にも次第に慣れて、空気のおいしさをふいに感じられるような季節。そんな今月も主要配信サイトDisney+、Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、それぞれで配信が開始された話題作4作品をご紹介。新たな年を過ごしていく上での手応えが掴めてくる今だからこそおすすめしたい、じっくりと吟味できる味わい深い映画が揃った。

Disney+ 映画『デンジャラス・バディ』

まずはDisney+から。微笑ましくエキサイティングなディズニー作品ももちろん魅力的だが、たまにはこんな映画もいかがだろうか。痛快愉快なアクションコメディ『デンジャラス・バディ』が2月18日(金)より配信開始される。

ボストンの麻薬組織の捜査を命じられた生真面目なFBI捜査官、アッシュバーン。命令を受け、早速現地へと向かうが、そこで野蛮かつ暴力的な不良刑事マリンズとコンビを組まされてしまう。互いに反発しあう2人は行く先々でトラブルを巻き起こしてしまいーー。

真面目な麻薬捜査官アッシュバーンを演じるのは『デンジャラス・ビューティー』『ゼロ・グラビティ』に出演し存在感を放ったサンドラ・ブロック。監督は2016年版『ゴーストバスターズ』などを手がけたポール・フェイグ。

バディといえば、と観客が期待する要素を叶えてくれるキャラ設定やストーリー展開、凸凹なふたりが繰り広げる七転八倒劇は必見だ。ポップコーンやコーラを片手にリアクションを挟みながら楽しく観られること間違いなしの作品となっている。

Netflix 映画『ビルド・ア・ガール』

Netflixからはコラムニストであるキャトリン・モラン作の自伝的小説を原作とした、次世代のエンパワーメントムービー『ビルド・ア・ガール』をご紹介。

1990年代、イギリス。家族7人で暮らす16歳のジョアンナは、底なしの想像力と文才を持つも活かす術が分からず、冴えない日々を送っていた。退屈な日常を変えるべく、音楽情報誌「D&ME」のライターに応募した彼女は、瞬く間に売れっ子ライターへと上り詰める。恋に恋して、現実を目の当たりにして、成長していく彼女が辿り着いた答えとはーー。

主人公ジョアンナを演じるのは、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で強烈な個性を見せつけたビーニー・フェルドスタイン。何事にも全力突進していく若さ全開のキャラクターを演じることに定評があり、本作でもその魅力を遺憾なく発揮した。

失敗続きで落ち込んだときには、自分の力で道を切り拓くジョアンナを思い出して乗り切っていきたいと思える快作となっている。

『ビルド・ア・ガール』は2月22日(火)より配信開始。

Amazon Prime Video 映画 『Summer of 85』

次にAmazon Prime Videoからは、こちらのコラムでもレビューした『Summer of 85』が、鮮烈な夏の記憶をそのままに配信でカムバックする。

『サマードレス』『彼は秘密の女ともだち』などを手がけたフランス映画界の名匠フランソワ・オゾンが、若かりし日に読み影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説『おれの墓で踊れ』を映画化。16歳と18歳の少年の人生を変えた、ひと夏の初恋を描く。

本作の見どころはなんといっても、ひと夏の淡い恋という主題が生み出すほの暗い翳り、光と影のコントラストにある。「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という2人が立てた誓いが破滅と再生を呼ぶさまは実に美しく、文学小説が原作だけあって深みのある余韻が味わえる作品だ。

1度でいいから、こんな恋をしてみたいーーそう焦がれるように思わずにいられない、至極のラブストーリーとなっている。

限りある瞬間を切なく鮮やかに切り取った『Summer of 85』は、2月1日より絶賛配信中。

U-NEXT 映画『オールド』

最後にU-NEXTからは、急激に年老いていくビーチが舞台という斬新な設定で一躍話題を攫った映画『オールド』が2月2日より配信開始。

美しいビーチでバカンスを楽しんでいた家族に突如訪れた不可解な現象。そこでは異常なスピードで時間が流れ、一瞬にして子供が青年になり、急速に年老いていく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまい脱出困難になり、一家を恐怖のどん底へと陥れていく。

斬新なアイデアを生み出した監督の名前を見てみると、かのスリラー名作『シックス・センス』を手がけたM・ナイト・シャマランというだけあって納得がいく。彼の作品ともすれば、謎には何かしらのロジックがある。ぜひ本作を鑑賞しながら深まる謎を紐解いていき、得体の知れない恐怖を楽しんでもらえたらと思う。

桜の開花前線が発表され、春の気配をほのかに感じられるようになってきた。冬は忍耐と別れの季節、春は変化と出会いの季節とよく言う。心がざわつくこともあるけれど、そんな季節の狭間にこそ映画を観て、ほっと落ち着ける時間を作りたい。

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