aoniが叫ぶ否定と肯定

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ!今回はaoniをご紹介します。

曖昧な感情に気づかせて

自分ではうまく気がつけていなかったささくれ立った気持ちを、人に触れられてはじめて自覚することがある。
曖昧にざらついていた思いを、撫でつけられてはじめて痛みだと理解できることがある。
無視することもできたかもしれないけれど、向き合えたからこそ自分のものになるそんな機微を、音楽で呼び醒ましてくれるロックバンドがいる。

東京を拠点に活動する4人組、aoni
aoniが歌にするのは、明確な絶望や底抜けな希望ではない。
ふと足が止まってしまうような、突然すべて投げ出したくなってしまうような等身大の揺らぎ。
最新シングル『DRAMA』には、それを搔き消して、呑み込んで、そしてもう一度日常へと戻っていくためのエネルギーをぶつけてくれるような2曲が収録されている。
たとえば、表題曲『DRAMA』では、閉塞感を抜け出すための肯定が歌われているのだが、それは言うなればポジティブな力強さからくるものではない。
何もない、何も信じない、からこそ先へ行けるという、否定から生まれる肯定、推進力が印象的だ。

aoniは、自分の中で静かに疼く痛みや息苦しさに気がつかせてくれる。
aoniと向き合うからこそ生まれるあたらしい思いや感情が、あなたにもあるかもしれない。

aoni

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