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文: Vegas PR Group 編:Mao Ohya
日本国内の音楽エンターテインメント業界の海外プロモーションに特化したPRエージェンシー・Vegas PR Groupが、日本の音楽業界の現状や将来の在り方を解説するコラム。第6回目は、2023年の日本の音楽業界のマーケット動向の振り返りと、2024年のマーケット予測をお届けする。
SpotifyのまとめやBillboardの年間チャート、そしてNMEやPitchforkなどのメディアの年間ベストアルバムが次々と発表される季節を今年も迎えた。特に「Spotifyまとめ」の登場以降は、音楽シーンにおいて一年を振り返ることが年々定着しているように思える。
日本の音楽シーンを振り返ると、2023年は「絶えずライブが開催されていた年」と言えるだろう。復活した海外アーティストの来日公演はもちろん、横浜のKアリーナなど新しいライブ会場もオープンになり、大小様々な規模で国内アーティストのライブも連日開催された。筆者自身も「体が二つあればどちらも行きたい」と思う公演が多かったように記憶している。
とりわけ、海外アーティストによる公演数はここ数年で最も多かった。東京ドームで開催された海外アーティストの公演数を比較してみると、2022年は5公演(※1)であるのに対し、2023年は8公演(※2)となっている。2024年は、既に7公演(※3)が4月までに予定されており、来年はさらに来日公演の増加が予測される。
コロナ禍の収束がもたらした海外アーティストの来日公演の増加への影響は大きいが、影響を受けたのはそれだけではない。肌感レベルで多くの人が実感しているように、インバウンド観光客も大幅に増加している。そして、我々日本に住む音楽ファンが「来日アーティストを見たい」と思うように、外国人観光客も「日本のアーティストを見てみたい」と思っているようだ。
アメリカの匿名掲示板サイト・Redditの「Japan Travel」ページには、日本のライブの行き方/チケット入手の仕方に関するスレッドがいくつか投稿されている。どれもチケットを手に入れることが難しいと感じた人が投稿しているようで、①ファンクラブのシステムとそれに紐付く個人情報、②抽選システムが特にインバウンド観光客にとってハードルが高く感じられていることが伺える。
ファンクラブの中には、日本の電話番号や住所、さらには日本のクレジットカードやカナ読みの名前など、「日本在住で日本語を十分に理解できること」が前提のシステムになっているものが多く、海外のファンを意識していない設計のものがあるようだ。「日本に住んでいる友達がいたら電話番号と住所を貸してもらう」という、生成AI時代には驚きのアナログな解決策も合わせて紹介されていた。せっかく日本に行くのだから日本のライブに行きたくても、「日本人向け」の仕組みのせいで、チケットを買うチャレンジすらさせてもらえない。
「チケット抽選」の日本独特の文化もハードルを高くしているようだ。ファンクラブでもチケットサイトの抽選でも、申込には前述のように日本式の個人情報に基づいたアカウントが必要になり、整備された英語の案内も少ない。さらに、Ticketmasterなどの海外の大手チケットサイトでは、先着順でチケットを販売する「Pre Sale」といった方法が主流のため、一般発売に先立って何度も行われるチケット抽選に申し込むという習慣がないばかりか、「一般発売で買えるチケットはほとんどない」という日本のファンなら当たり前になっていることも海外ファンは知る由もない。
TicketmasterによるTaylor Swift バンクーバー追加公演のチケット販売スケジュールのアナウンス
ではなぜ、独特のチケット販売方法が日本で普及したのだろうか。日本と海外での「ライブ」の位置付けの違いから考えてみたい。日本のエンタメ業界では、ファンクラブの年会費や更新料が主な収入源で、ライブはファンクラブの継続率をあげるための施策の一つに過ぎない。一方、欧米などの海外ではライブが一番のマネタイズ方法で、関連するグッズなどの売り上げがアーティストの主な収入源になっている。近年の物価高騰やインフラの影響もあるが、ライブ市場の規模は年々拡大傾向にあり、Taylor Swift(テイラー・スイフト)は、現在ワールドツアー開催中の「The Eras Tour」でアーティストとして初めて10億ドルを超えるチケットセールスを記録すると見込まれている。(※4)
前者の日本の方法は、熱心なファンを囲い込むには効果的な方法だろう。しかし、海外の日本の音楽ファンのように、言語の壁などの理由でそのアーティストコミュニティーに参加できない人がこぼれてしまう可能性もある。後者の欧米の方法は、「金銭的余裕があれば」という前提で、全てのファンに平等にライブに参加する権利が与えられ、公演数を増やせば増やすほど、ライブ参加の機会も興行収入も増加する。実際、テイラー・スイフトの「The Eras Tour」のスケジュールは、二年以上に及ぶ大規模なものになっている。さらに、ホテルや飛行機のように需要量によって価格が変動するダイナミックプライシング(※5)を既に導入しているため、「定額をできる限り多くのファンからもらう」企業努力をせずに、アーティストの人気度と連動して、マネタイズを計ることが可能になっている。
海外市場との比較から言えることは、ファンクラブ収益に頼らないライブによるマネタイズ方法の確立と英語での情報整備だろう。特に、様々なアーティストが国外のマーケットに進出している今の日本の音楽業界において、新規の、できれば海外の、ファンの獲得は至上命題であるはずだ。ダイナミックプライシングの導入は業界全体の変革をともなうので、実現にはまだ時間がかかるかもしれない。現に、日本国内でダイナミックプライシングの導入を試みたプロトタイプのイベントが行われ、導入にあたっての課題も明確になっている。(※6)だからこそ、英語での情報整備が重要になる。ファンクラブによる囲い込みをやめ、国内外のファンが気軽にライブに足を運べる環境づくりにアーティストが取り組むことの実現可能性は高いはずだ。
先のRedditでのユーザーがファンクラブ登録必須のライブへの参加を諦めた結果、当日券を現金で買えるライブハウスでのライブが代替案として示されていた。メールで事前予約をすれば500円安くてさらにお得(前売り券)という仕組みのシンプルさが、かえって好評を呼んでいる。実際に、都内のライブハウスの公演情報を出演者のプロフィールと一緒に英語でまとめたInstagramの「Gigs in Tokyo」というアカウントは、開設からわずか半年足らずで2000人以上のフォロワーを獲得し、着実にフォロワーを伸ばし続けている。
英語でのプロフィールの用意はアーティスト側であれば真っ先に取り組みたい内容であるが、上記の例のように英語メディアや海外メディアとの繋がりも合わせて用意したい。英語メディアもさまざまで、日本国内のMetropolisやTokyo Weekenderのような英語のメディアから、海外のNanteJapanやtokyohiveといった日本関連情報を専門にしたウェブサイトがある。これらのサイトは、日本のカルチャーに関連する内容であれば掲載してくれる確率が高く、効率のいい集客手段であると言える。
TikTokやアニメなどのサブカルチャーからのバズが突然起きて、アーティストの知名度が飛躍的に伸びる事例はいくつも示されてきた。今度は、「英語での情報整備が整っていてライブ動員がじわじわ増えた」なんて事例も出てくるかもしれない。それくらい、日本のライブ市場には需要があって、多言語での案内が不足しているのだ。
あらゆるところで語られているように日本の音楽シーンのマーケット規模は世界2位と大きく、各アーティストの影響力やコンテンツとしての地肩も申し分ない。さらに、円安などの経済状況や観光地としての日本の魅力を踏まえると、日本を訪れる観光客はこれからも増加すると考えられる。「日本は英語の情報が少ない」と海外からのオーディエンスに諦められてしまう前に、情報を取り扱う言語を一つ増やすだけで、そのリーチ対象は全世界となり、ますます市場規模の拡大が見込めるはずだ。また、「国内での活動が忙しいから」と目先のことを優先し、海外への展開を後回しにするのではなく、国内向けと海外向けの展開を同時に設計できるようになれば、アーティストのブレイクまでの道のりもより開けるだろう。必要なのは、現在の延長線上にある「多言語での情報発信」であって、まだ見ぬ画期的なマーケティング方法ではない。来年は、海外向けの情報発信がより多くのアーティストの間で活発になることを期待したい。
(※1)Maroon 5、KISS、SEVENTEEN、Bruno Mars、TWICE
(※2)Red Hot Chili Peppers, BLACKPINK, Tohoshinki, aespa, SEVENTEEN, ENHYPEN, Stray Kids, Coldplay
(※3)Bruno Mars, Billy Joel, Ed Sheeran, Taylor Swift, Queen + Adam Lambert, SHINee, NCT 127
(※5)HYBE所属アーティストのダイナミックプライシング導入が物議を醸した背景 “ファンビジネス”ならではのジレンマ
(※6)混乱を極めた日本初価格変動型チケットによるフェス、問題点は?
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Kou Ishimaru
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