文: Kou Ishimaru
YOASOBIのサポートドラマーも務める仄雲(ex.眩暈SIREN)と、「歌ってみた」を中心に活動していたシンガー・Muiのふたりによるユニット・久遠。仄雲が前バンドと並行して行っていた楽曲制作の延長で結成し、2023年春に始動したという久遠が、待望の1stアルバム『失神少女』を2024年1月31日にリリースした。黎明期のボーカロイド楽曲や邦楽ロックバンドからの影響をナチュラルに昇華した本作は、鬱屈とした詞やバーチャルな世界観を軸にしつつも、飽くまでそれを生身の人間が歌うことによって、聴き馴染みの良いものに。キャッチーなメロディが並んだ、普遍的なポップ・アルバムに仕上がっている。
新潟出身、東京/神奈川を中心に活動するシンガーソングライター・小野雄大の新曲「いつものこと」は、アコースティックギター1本の伴奏をバックに、見逃してしまいそうな日々の機微を歌った楽曲。ちょっとした息遣いや力んだ声すらもそのまま残した自然体な歌に、涙誘われる。小さいカフェのような場所で生の弾き語りを聴きたい。
Mac DemarcoやCurrent Joys、Mild High Clubのように甘くトロけるギターが聴こえてきたかと思えば、こちらはSimmer Pineの新曲「doon」。東京に暮らしている限り、日々の忙しない生活の中でタスクに追われ、つい忘れてしまいがちなのが“脱力”。そんな力の抜き方を思い出させてくれるのもサイケ/インディの魅力の一つだ。《ろくな会話できないね まあいつもの事か 時は動いて たまに止まって》の1フレーズ。こんな瞬間を思い出してまた笑える。
大阪出身のR&Bシンガーソングライター・TSUKKYが新曲「cotton candy」をリリース。バイオグラフィには“韓国のpopsやhiphop/R&Bから影響を受けた”と記載が。その中でもアンニュイ、メロウな雰囲気を得意とするようだが、まさに東南アジア/欧米圏のベッドルームポップや、UKを中心とするオルタナティブR&Bのような浮遊感が心地良い。トレンドを吸収するTSUKKYの今後のリリースに要注目だ。
その他、注目のリリースにはego apartment、Hannah Warm、カルロスまーちゃんなどがラインナップされています。
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