グランジ・ロックのその先へ。w.o.d.の類稀なるセンスの源泉| Newave Japan #34

Newave Japan

文: 斎藤加織  写:遥南 碧 

音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Newave Japan』。34回目は神戸発3ピースバンドw.o.d.(ダブリューオーディー)。NIRVANA 直系のグランジサウンドとポップセンスを兼ね備えた、新型オルタナサウンドを生むセンスはどこから生まれたのか。サイトウタクヤ(Vo&Gt)の音楽ルーツに迫りました。

もともとギタリストになりたかった

ー音楽の原体験を教えてください。

家でThe Beatlesの『THE BEATLES 1』をずっと聴いてました。小学生の頃はテレビっ子やったんで、『題名のない音楽会』、『僕らの音楽』、『COUNT DOWN TV』とか音楽系の番組を全部録画して見ていましたね。あとは、兄ちゃんがBUMP OF CHICKENをよく聴いていたのでその影響で俺も小学校5年生、6年生のときに聴き出しました。そもそもギター始めたのも、俺が小6くらいの時に兄ちゃんがエレキギターを買ってきて、それを触らせてもらったのがきっかけで。

ー小学生からギターを始めたんですね。

そうですね。兄ちゃんはストラトキャスターで、俺はレスポール。ガンズ・アンド・ローゼズスラッシュレッド・ツェッペリンジミー・ペイジとか、みんなレスポール持ってたんで。

ー小学校高学年の頃からハードロック系を聴いていたんですか?

そうですね。テレビっ子からパソコンっ子に変わった時期で、YouTubeでいろいろ聴き始めた頃ですね。グリーン・デイSUM41が流行ってたのかな。中学校に入ってからはジミ・ヘンドリックスCreamレッド・ツェッペリンとかを聴いていたんですけど。俺はもともとギタリストになりたいと思っていたので、入りは完全にギターですね。あと、中2の時にニルヴァーナの『In Utero』っていうアルバムがめちゃくちゃ好きでずっと聴いていました。

ーその頃に聴いていたアーティストの楽曲にまつわる印象的な思い出などはありますか?

中3のときだったと思うんですけど、レディオヘッドも聴いていて。レディオヘッドってめちゃめちゃ暗いじゃないですか。『Kid A』とか。あんなん聴いたことなかったから、感動したんですよ。その頃、TSUTAYAでCDを借りてオーディオに移して聴くっていうやり方をしていたんですけど、レディオヘッドを学校に向かう電車の中で聴いているうちに、あまりの楽曲の暗さに学校行くの嫌になって、終着駅まで行ってからそのまま家に帰るのをやってました(笑)

ー基本的に、洋楽を聴かれていたようですが、邦楽で聴いてたものはありますか?

BUMP OF CHICKENはずっと好きやったんですけど、あとはゆらゆら帝国。あとは、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)も友達がめちゃくちゃライブ連れてってくれたので好きでした。高校に入ってからはフィッシュマンズチャットモンチーとか、邦楽じゃなくなっちゃうけど、ベックブロック・パーティーダイナソーJr.を聴き出して。あと、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとかシューゲイザーも聴いたし、ブラーを聴き出したのもこの頃かな。Ken Mackey(Ba.)が中高一貫校で6年間一緒やったんですけど、その学校が5割外国人、4割帰国子女、残り1割が日本人っていう学校だったので、やっぱり洋楽を聴く機会が多かったですね。周りもみんな洋楽ばっかり聴いてたし。

次ページ:互いのルーツから生まれたw.o.d.の音楽性

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サイトウタクヤ(Vo&Gt)
Ken Mackey(Ba)
中島元良(Dr)

神戸発3ピースバンドw.o.d.(ダブリューオーディー)。

小洒落たロックで溢れかえる現代の邦楽バンドシーンを問答無用で掻き消すノイズ。
日々を気怠く歌い、時に感情的なシャウトを吐き出すヴォーカル。それを支えるヘヴィーかつタイトな攻撃的リズム隊。
NIRVANA 直系の退廃的でダーティなグランジサウンドを爆音で鳴らし、Blurを彷彿とさせる捻くれたポップセンスも有する、新型オルタナサウンド。

<MV>
w.o.d.-丸い真理を蹴り上げて、マリー。[Official Music Video]

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