「ゲームアプリと進化する音の新たな価値」松田和彬(GOODROID)|Music Cross Talk

Music Cross Talk

文: Kou Ishimaru 

株式会社TORIHADAの若井映亮とStar Music Entertainment Inc.の中村雄太が、「音楽×○○」というテーマをもとに、話題のビジネスマンやクリエイターとトークセッションする連載企画。第2回目は『もやしびと』、『おそ松さんのニートスゴロクぶらり旅』、『青鬼シリーズ』をはじめとしたカジュアルゲームで累計2000万ダウンロードを誇るヒットメーカーの株式会社GOODROIDの社長、松田和彬さん。日々、進化し続けるゲーム業界において、圧倒的に面白いカジュアルゲームを発信続けている彼の思いについて、ゲームアプリと音という視点で切り込む。

GOODROIDの松田和彬さんが語る『音楽×ゲーム』

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若井映亮:

この度は『Music Cross Talk』に、ご出演頂きありがとうございます。まずは松田さんの活動について教えてください。
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松田和彬:

サイバーエージェントの子会社であるGOODROIDの経営をしています。アプリ制作事業、広告代理事業を中心に、VRや仮想通貨といった、新しい領域の研究開発などを行っています。基本、「何かおもしろいことしたいな~」と思いながら会社経営をしています。中でも、主に普段からゲームをしない人でも気軽に楽しめるような『カジュアルゲーム』と呼ばれる領域に特に力を注いでいます。
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中村雄太:

『青鬼シリーズ』や『もやしびと』を開発した会社なんですよね。年間でどれぐらいのゲームを作っているんですか?
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松田和彬:

年間で5~10タイトルくらいでしょうか。GOODROIDを設立して5年目になりますが、約60本のゲームを開発しました。中でも『もやしびと』や『青鬼シリーズ』は数百万ダウンロードを超えるようなヒット作となり、多くの方に遊んで頂けました。『青鬼』に関しては様々なシリーズがあるのですが、おかげさまで累計800万DLされました。
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中村雄太:

ゲームにも色々と種類がある中で、カジュアルゲームの開発をはじめたきっかけは何だったんですか?
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松田和彬:

当時、『生きろマンボウ』や『ネズミだくだく』といったカジュアルゲームが流行っていたんですが周りを見渡すと、普段ゲームをやってないような人たちも沢山遊んでいたんです。これは「スマホゲーム=ゲーム好きしか遊ばない」ある種、マイノリティに向けた事業だと思い込んでいた僕にとって、衝撃的な光景でした。やはり、いちプロデューサーとして、多くの人に楽しんでもらえるサービスを作りたい、そういう思いでカジュアルゲーム事業を始めました。
 子会社設立後、最初に作ったカジュアルゲームは、もやしを抜くゲーム。創業当時、「子会社立ち上げて、何やってるの?」という質問に「もやし抜くゲーム作ってます!」と答えて、役員含め、多くの人を困惑させていました(笑)。全くサイバーエージェントっぽくないですよね。でも、その『もやしびと』がバズって、あっという間に会社は黒字化。それからカジュアルゲーム開発を続けている感じです。
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若井映亮:

確かにサイバーエージェントっぽくないかもしれませんね(笑)。私がサイバーエージェントに在籍していた時のイメージでも、松田さんはアウトローなサイバー人生を歩まれてる印象でした。自分のやりたいことに挑戦して結果を出してきてましたよね。
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松田和彬:

僕自身も、GOODROIDという会社も「サイバーっぽくない」っていう表現は、年間100回くらいは言われてますね(笑)。自然体で生きてるだけなんですがアウトロー、治外法権、変人等と揶揄されがちです。そこは、僕みたいな多様性も受け入れてくれるサイバーエージェントの懐の深さかな、と思い感謝しています。そういえば、年末にリリースした『またおじいちゃんがいない』という脱出ゲームも全くサイバーっぽくない仕上がりなので、是非遊んでみて下さい(笑)。

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若井映亮:

急に告知を挟んできましたね(笑)。
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中村雄太:

企画はどういう感じで出てくるんですか? 良い意味で奇抜なゲームが多いので、とても気になります。
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松田和彬:

プランナーだけでなく、エンジニアやデザイナーも交えて考えています。最終判断は、僕が行いますが、判断基準は「もやしはヘルシーだから良さそう」とか・・・わりといい加減です(笑) 。何よりも「絶対にこういうゲーム作りたい!」という熱い想いをもったメンバーに任せるのが一番ヒット確率も高い印象なので、僕はそういうメンバーの壁打ち相手になって企画のブラッシュアップをしています。
 ただ、打ち合わせをして決めるというよりは、飲みの場で話している流れで決まったりするんです。もちろんバズる時はバズるし、バズらない時はバズらない。バズらない時はサッと忘れるようにしてます。
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若井映亮:

そういえば音楽系の『LIVE YOU』っていうアプリも開発してましたよね?
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松田和彬:

作ってました。iTunesとかにある音楽をライブ調に編曲してくれるアプリなんです。GOODROIDは、ゲームだけの会社にしたくはないので、とにかく面白そうなことには何でもチャレンジしてみようと思い、音楽アプリの制作をしましたね。
次ページ:音楽の進化がゲーム業界を進化させる

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松田和彬

2014年に設立したサイバーエージェントの子会社、株式会社GOODROID 代表取締役社長。AppleのBestGameを受賞した『青鬼』シリーズ、『けものフレンズFESTIVAL』、『おそ松さんのニートスゴロクぶらり旅』など、数多くのゲームアプリの企画・制作。
開発したアプリは世界1500万ダウンロードを突破。「VR」や「仮想通貨」などジャンルに捉われず圧倒的に面白いサービスを作り続けるというヴィジョンのもと、幅広くい領域で活躍中。好きな女性のタイプは「篠崎愛」。
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