Xanseiの現在地、「U&Me」が生まれたTed Parkとのプロジェクトを語る

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アトランタ在住日本人ビートメイカーXanseiが、韓国系アメリカ人ラッパーのTed Parkとリリースした新曲「U&Me」。本インタビューでは、Tedとの制作風景やXanseiの今を紐解く活動の振り返り、心境の変化まで尋ねた。記事にはTed ParkへのQ&Aインタビュー、Xanseiの現在地をより深く探るプレイリストも。

アトランタ在住日本人ビートメイカーとして話題となったXanseiが、現在の拠点であるロサンゼルスにて出会った韓国系アメリカ人ラッパーのTed Parkとリリースした新曲「U&Me」。ヒップホップ由来のサウンド感を持つ爽快感のあるビートにポップで中毒性のあるTedのメロディと声が加わり、リスナーの身体を躍らせる一曲だ。日本人ビートメイカー・10pmがコライトで参加してることにも注目だろう。

本インタビューでは、Tedとの制作風景や「U&Me」の解説、さらにXanseiの今を紐解くために活動の振り返りや心境の変化まで尋ねた。海外アーティストのプロデュースだけでなく、三浦大知SixTonesへの楽曲提供など日本国内の音楽シーンにも姿を現しつつあるXansei。「アーティストにただビートを渡して名前だけ載せてねってことをしたいわけじゃない」。昨年に様々な出会いや刺激に恵まれたと語る彼の未来像は確実に広がっていた。

記事には、Ted Parkへ6つの質問を投げかけたQ&Aインタビュー、Xanseiの現在地をより深く探るプレイリスト「2022年のXanseiが見てる景色」も掲載しているので合わせてチェックしてほしい。

アジア人のクリエイティブで作っていきたい

ー「U&Me」のリリース、おめでとうございます。早速ですが、Tedとの出会いの経緯を教えてください。

Far East MovementのジェームスがTranceparentsという会社でTedのマネジメントを担当していたり、僕がavex USAという音楽出版で作家契約をしていることもあったり、色々なことが重なって繋がりました。最初はセッションするために集まりました。

ーその後にダブルネームでのリリースに至るぐらい意気投合したんですね。

バイブスは合ってましたね。アジア系のラッパーってアメリカでは珍しいんですよ。しかも同い年なんです。第一印象で面白い人だなって。ジョークとかよく言ってる陽気な人です。

ーXanseiから見てアーティストとしてのTedの魅力的な部分はどこにありますか?

1曲を20分くらいで作れるところですかね。フレーズ自体は一箇所ずつレコーディングしていくんですけど、基本的には全部フリースタイルでやるんですよ。アトランタでもフリースタイルで録っていく手法は主流でしたね。早すぎて最初のセッションだけで7曲ぐらい出来ましたから(笑)。

ー即興で生まれるものだからこそ彼の明るい人柄が、そのままフロウやメロディに繋がってるのかもしれませんね。制作した曲の中から今回の「U&Me」をリリースした理由は?

この曲は僕とTedで練って作ったわけではないです。何曲かセッションしていく内に、今でいうところのハイパーポップ系で良い曲が作れたんですよね。そこから似た系統のビートに絞って作っていった中で「U&Me」も生まれました。何曲か聴いたジェームスが「これやばいからシングルでリリースしよう」って言ってくれたのでリリースに繋ががったんです。ビートはアトランタのヒップホップっぽいサウンドですけど、彼のメロディでめっちゃポップにしてくれるところが面白くて最初から気に入ってる曲でした。

ー確かに面白い化学反応が起きてる曲ですよね。このヒップホップとポップスのハイブリッド感は、J-POPやK-POPにも繋がるところがあると思いました。ワールドワイドに響くようなキャッチーさというか。

ありがとうございます。今はそこを目指してます。この曲はバースをフックで挟むストラクチャーもキャッチーで分かりやすいです。Tedとのプロジェクトで僕のやりたいこととして、ヒップホップとポップスを混ぜるような音楽を目指してたので、そういう部分は集中して作りました。その点でも彼とは凄くバイブスが合いました。

ー先日はリリースパーティーも行われたそうですが、ライブでこそ盛り上がりそうな一曲ですよね。

歌ってくれてるみんなを見て嬉しかったですね。しかもクラブがソールドアウトみたいだったんですよ。次にリリース予定のシングルもかけたんですけど、そっちもかなり盛り上がってました。

ー「U&Me」のクレジットには10pmという日本人のビートメイカーの方の名前も入っていましたが、これはどういう繋がりですか?

10pmくんとは直接の面識はないんですけど、ループをよく送ってくれるんです。Tedとのプロジェクトはアジア人のクリエイティブを使って作っていきたいので、ビートの上モノとかメロディはほぼ日本人の人達が送ってくれたものを使ってます。世界中の人からループは送られてくるんですけど、例えばpulp kくんとかd3adstockくんだったり、日本人から送られてくるループやビートはトップクラスにかっこいいです。みんな才能あるなー、凄いなーって思ってます(笑)。

ーXanseiから見て日本人のビートメイカーが持つ特徴って何が思いつきますか?

うーん…特徴はわからないです。ただ、日本人ってハイパーポップとか作るの上手いですよね。めっちゃ日本っぽい音だと思いますし。日本人のループメイカーから送られてきたものを聴くと、あの系統の曲を作りたくなります。

ーTedとのプロジェクトは、EPやアルバムの形などまとまって作品での展望もあるのでしょうか?

今は15曲くらいあるので、その中からシングルやMVを作っていく形になると思います。めっちゃ制作はやってるんですけど、まだ始めて1ヶ月なのでどういう形になっていくかはわからないです。

ビートを渡して名前だけ載せてほしいわけじゃない

ーここからは現在のXanseiについてですが、前回のインタビュー時点での拠点はアトランタでしたよね。LAに移った理由は?

出版契約してセッションの機会も作ってもらえるようになったので、アトランタより仕事のあるLAを選んだ感じですね。ビートメイカーとしてヒップホップ修行中の時はアトランタでも良かったんですけど、ジャンル関係なく作ろうって思ったら色んな人がいるLAの方が都合が良かったんです。

ーLDHのBALLISTIK BOYZやジャニーズのSiXTONESへの楽曲提供など、昨年は日本国内の音楽シーンでもジャンルを問わず名前を見る機会が増えた印象です。2021年の活動を振り返って印象的だった仕事はありますか?

確かに2021年はJ-POPとかヒップホップ以外のこともやれて面白かったですね。印象的だったことは色んな人達に出会えたことです。ライターでもアーティストでも面白い人達と沢山会いました。

ーXanseiがビートを作り始めたきっかけでもあるMetro Boominとも会ったそうですね。

コンプレックスコンに行った時に会えたんです。ファンボーイみたいになりたくなかったんですけど、彼が今の活動を始めたきっかけなんで凄く興奮しました(笑)。人生変えてくれてありがとう!って言っちゃいましたね(笑)。仕事を一緒にやったわけじゃないんですけど、ライターで共通の知人の人がいたので一応は同業者として見てくれたみたいなんですけど。

ーXanseiにとってアイドルでありヒーローのような存在ですよね。本当に刺激的な出会いだったと思います。僕が最近の活動で印象的だったことは、三浦大知さんが元日にリリースした新曲「La Penseur」のクレジットにXanseiの名前が入っていたことです。コライトでトラックメイクする手法は日本国内外で一般的になってきていると思いますが、Xanseiはどういう魅力を感じていますか?

魅力は、学校の図工とかで友達と一つの作品を作る感じの楽しさがあるところです。あとは単純に頭脳が増えるので作業も早くなります。三浦大知さんの曲も5時間ぐらいで全て出来ました。僕やTaydex、Wesly Singermanなど何人かのプロデューサーが出す色んなアイデアをWill Jayが聴いて、頭の中で曲を書いてくれるんですよ。ある程度まで出来たらブースに入って仕上げる感じで完成しました。

ーたった5時間であのトラックが完成したことに驚きです。

こっちではビートメイカー同士のセッションも多くて才能のある人と触れ合えるとインスパイアもされるし、コライトのそういう部分が僕は好きです。1人でやってもいいんですけど、特にポップス系は知識がある人とコライトで作った方が勉強になります。

ージャンルレスに音楽活動されている中で、今のXanseiのモチベーションはどこに向かっていますか?例えば自分発信でのやりたいこととか。

基本的には、全部好きなので全部やりたいです。ただ、今まで言ってたJ-POP系は案件として受けさせてもらってるので自分のやりたいこととはまた少し違います。ヒップホップ以外にもエレクトロとかもっと自分の趣味を混ぜたものを作りたいです。今回の企画で作ったプレイリストに濃く反映されていると思います。

ー今のXanseiの現在地と目指している方角がよく分かる面白いプレイリストでした。Pharrell WilliamsPinkPantheress、J-POPではVaundyを聴いていることなど「U&Me」のようなポップな曲を作るバイブスも感じれます。

ありがとうございます。ちなみに今はTed以外にもコラボプロジェクトをやってて、例えばラッパーのKamiyadaとはポップと正反対のモッシュとヘッドバングだけを考えた感じの曲を作ってたりもします。あとクリエイターのSLEEPxTITEと一緒にSEX VIA WIFIというバンドも組みました。見た目はDaft Punkみたいなヴィジュアルで、3DCGを使ってMVを作っています。彼とLAのアングラシーンのライブとかレイブに行ったりして、インスピレーションが湧いて始めました。ドラムンベースとトラップとパンクとか全部を融合した超ミクスチャーなアートって感じです(笑)。今年の4月にはライブをやろうかって話をしてますね。

ー各方面でXanseiの世界観が発揮されていってるんですね。どの活動も斬新そうなので楽しみにしています。いつかはこれまで培ったコネクションを総結集したXansei名義でのアルバムや一つの作品も聴いてみたいです。

それも夢の1つですよね。僕はまだそこまでのパワーはないですけど、ゴールとしては考えてますね。僕のコラボプロジェクトは、アーティストにただビートを渡して名前だけ載せてねってことをしたいわけじゃないんです。自分の名義でやるなら制作過程やレコーディングにも関わっていきたいし、アートワークやMVのコンセプトも自分で作りたいと思ってます。音楽以外のこともやっていきたいっていうか。それがコラボの最大の楽しみでもあるので。

ープロジェクト全体のトータルプロデュースやクリエイティブディレクターみたいな方向が現在のやりたいことというわけですね。

この前、NIGOさんがASAP Rockyと曲を作ってたんですけど、それこそクリエイティブディレクションみたいな形でNIGOさんが自分の名義を入れてて。あれ見てめっちゃ悔しかったですもん。僕のやりたいこと、先にやられてんじゃんって。本当に目標ですね。

ーなるほど。プレイリストでもその曲は入っていましたが、Xanseiの道の先にNIGOさんがいるというのは凄く面白いことが聴けました。Xanseiが思うがままに自己芸術を表現できる時が来るのを楽しみにしてます。

ありがとうございます。言ったことが現実になるように頑張ります。

Profile

Xanseiは福岡出身の音楽プロデューサー、ミュージシャン。2016年の半ばに、 MetroboominとSouthsideのビートに衝撃を受け、YouTubeを見ながら、ビートの作り方を 習い始める。2017年9月にアトランタに引っ越す事を決意し、現地で知り合ったアーティスト のアパートに居候、その後にスタジオの空き部屋に寝泊まりし始め、様々なアーティスト・ソ ングライター・プロデューサーと楽曲制作に取り組み、2019年の夏にアメリカのメジャー レーベルからAll My Love – Sabrina Claudio x Waleがリリースされる。その頃から日本人 とのラッパーとも曲を作り始め、最近ではjpopやkpop、他のジャンルのアーティストにも曲 を提供している。 アーティストとのコラボテープなどでは、クリエイティブディレクションなども全て務める。

Ted Park Q&A interview

 Q1.出身地と音楽を始めたきっかけを教えてください。

俺は韓国系アメリカ人なんだけど、ウィンスコンシン州マディソンで育ったんだ!608レペゼン(エリアコード)!音楽を真剣にするって決めた時にNYに引っ越したんだ。最近はロスに引っ越してきてベースにしてる。

Q2.現在のTedの音楽性に影響を与えたアーティストや人物は?

音楽的なインスピレーションはT-PainAkonKanye WestLil Uzi Vertとか他にも色々だよ。俺の家族とか友達が毎日のインスピレーションかな!特に韓国に住んでるお母さんとお父さんのことは毎日恋しいよ。

Q3.「U&Me」ではどんなことを表現しましたか?注目してほしい部分もあれば教えてください。

テーマは僕の初恋の相手についてだよ。俺は無事にやってるけど、たまに君のことが頭によぎるってね。その子との別れを乗り越えて人生も昔と比べて良くなっていったんだけど、今でもたまにその子のことが頭に思い浮かぶんだ。彼女がどれだけ俺のことを良くしてくれて、人間としても色々教えてくれて助けてくれたことに今でも感謝しているよ。曲調はハッピーだけど、内容はエモいんだよ(笑)。自分の名前が知れる前の誰かとのコネクションって深いし、一生無くならないのかもって思ってるんだ。

Q4.Xanseiとの制作で印象的だったエピソードがあれば教えてください。

 Xanseiは唯一無二なやつだよ!今の俺のマネジメントをしてくれてるTranceparent Agencyが俺らを繋げてくれたんだ。ありがとう、ジミーとジェームス!俺らが最初にしたセッションでは6時間で7曲も作ったんだ(笑)。ケミストリーも最高で、彼は俺がやったことのない新しいサウンドとビートを毎回持ってきてくれてインスパイアもされる。自分もその場でベストなメロディを作るようにチャレンジしてるよ。

彼はただのビートメイカーじゃない、本当のアーティストなんだ。カバーアートとかグッズやMVなどの全体的なクリエイティブディレクションもするし、テイクの取り直しや新しいフロウに作り直してって言われたりもする。だから「produced by Xansei」じゃなくて、「Ted Park x Xansei」なんだ。とにかく最高の曲を作ることを毎回2人で心がけてるよ。友達としても遊ぶし、音楽を通して兄弟を作れるって本当にありがたいことだよね。

Q5.2022年に予定している活動やキャリアを通してやってみたいことなど展望を教えてください。

 もう同じようなサウンドは聴き飽きたよ、新しいサウンドをXanseiと一緒に世界に出していくのが楽しみだね!他にも沢山の曲を出していきたいし、もっとライブもしたい。Ted Parkのブランドを世界に広げていきたいよ!あとはTiktokやYouTubeにも色んなコンテンツを作っていきたい。音楽以外のこともみんなに見てほしい!俺って超面白いし(笑)。

Q6.日本のファン、リスナーに向けてメッセージをお願いします。

 日本で俺の音楽を聴いてくれてサポートしてくれている人達、ありがとう!いつかXanseiと一緒に日本に行ってライブで盛り上がれる日が来るのが待ち遠しいよ。ラーメンと寿司パーティしたい!アジアンカルチャーの全てと繋がりたいんだけど、日本は確実にリストのトップだよ!またね!ありがとう!!

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DIGLE編集部

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Xanseiは福岡出身の音楽プロデューサー、ミュージシャン。2016年の半ばに、 MetroboominとSouthsideのビートに衝撃を受け、YouTubeを見ながら、ビートの作り方を 習い始める。2017年9月にアトランタに引っ越す事を決意し、現地で知り合ったアーティスト のアパートに居候、その後にスタジオの空き部屋に寝泊まりし始め、様々なアーティスト・ソ ングライター・プロデューサーと楽曲制作に取り組み、2019年の夏にアメリカのメジャー レーベルからAll My Love - Sabrina Claudio x Waleがリリースされる。その頃から日本人 とのラッパーとも曲を作り始め、最近ではjpopやkpop、他のジャンルのアーティストにも曲 を提供している。 アーティストとのコラボテープなどでは、クリエイティブディレクションなども全て務める。
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