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文: 黒田 隆太朗 写:山本絢子
Flying Lotusからの熱いオファーを受け、2018年に〈Brainfeeder〉と電撃契約。その年にリリースした『Family Portrait』で一躍その名を広げたRoss From Friendsは、昨年も同レーベルからEP『Epiphany』を発表している。ウェアハウスでパーティを行っていた若き日の父からインスピレーションを受けたアルバムに続き、新作では姉の名からタイトル(『Epiphany』)を命名。どこかノスタルジックな心地がする彼の音楽には、近しい者との記憶が息づいている。12月某日、東京でのしばしの観光を楽しんでいるRoss From Friendsことフェリックス・クラリー・ウェザオールに接触。昨年のベストトラックから2020年の活動について語ってもらった。
ー2度目の来日公演はいかがでしたか?
東京も大阪も最高なショーができて嬉しかったよ。クラブの遅い時間帯だから普段は30代以上の方が多いんだけど、東京も大阪は本当に若い人が多かった。みんな楽しんでくれてたから凄くハッピーだね。
ー今は東京観光を楽しまれてるようですね。
ずっとゲームをやってるよ(笑)。バッティングセンターに行ったり、バーチャルゴルフをやったり、ダーツやボーリングも楽しんでいる。東京って一番いい場所だよね。時差ボケがあっても6時くらいまでは開いててくれるから、ずっとゲームで遊べるよ。
ーなるほど(笑)。昨年の『Family Portrait』同様、2019年は〈Brainfeeder〉から『Epiphany』というEPを出せれました。レーベルオーナーのFlying Lotusとはどういうコミュニケーションを取ってますか。
今でも時々Emailでやり取りをするし、LAに行ったり彼がロンドンに来たら会うんだけど、実は音楽とかビジネスについての話はお互いしないんだよね。この前LAに行った時はリリースするためのものではない曲を遊びで作ったり、テレビゲームを一緒にしたよ。
ーそっか、彼もゲーム好きですもんね(笑)。
そうそう(笑)。
ーところで、そろそろ年の瀬ですが、2019年はフェリックスさんの胸を打つようなベストトラックはありましたか?
ああ、なんだろう…Overmonoっていう2人組のアーティストがいい音楽を沢山リリースしてたよ。いろんな雰囲気を持った素晴らしいクラブミュージックで、聴きやすく良い意味でバカっぽい感じなのにディティールがしっかりしてて、実は凄くスマートな頭の良い音楽なんだよね。素晴らしいと思う。
ーバカっぽいけどスマートでいろんな景色を見せてくれるっていうのは、フェリックスさんの音楽にも通ずるところだと思います。
うん、その通り(笑)。僕は自分の性格をそのまま音楽に写し出すのが好きなんだよね。やっぱり音楽を作る時も正直でいるのがいいと思う。自分の音楽には自分の性格だったり、どんな人間なのかっていうのが表れるんだよね。だから自分を笑わせてくれる音だったり、自分が何か感じたい時にはそういう音が生まれてくるし、僕は面白おかしいことが好きだから。シリアス過ぎるものになっていたら、そこに面白おかしい要素を足してバランスを取るんだよね。
ーそれで言うと、2019年に出された『Epiphany』は去年のアルバム(『Family Portrait』)よりシリアスな気分を感じました。
うん、僕もそう思う。いつも自分はナイトクラブでプレイするためのものを作るんだけど、そうすると家で聴く時にあんまり良いものに聴こえなかったりするんだよ…もちろんその逆もあるから大変なんだけど。意識したわけではないけど、今回はシリアスなものを作りたかったんだと思う。前回よりもバカげた要素をちょっと減らして、何かを感じられるようなサウンドを作ろうとしていて、その過程でこういうものが出来てきたんだよね。
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