ネオソウルバンドMimeが最新作『Bloom』発売翌日にワンマン公演を開催。アルバムの世界を再構築したライブをレポート

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文: 神保未来  写:@yuasatakamichi 

4人組のネオソウルバンドMimeが、2022年12月8日(木)表参道WALL&WALLにて<One - Man Live “Bloom”>を開催。最新アルバム『Bloom』収録曲を軸に、全18曲を披露したライブの模様をレポートする。

2022年12月7日に3rdアルバム『Bloom』を発表したMime。本作はこれまで展開してきたアーバンなサウンドを深めつつ、エレクトロの要素を取り入れるなどバンドの新たな面を感じられる作品に。個々の楽曲が魅力的なだけでなく、冒頭から順に聴いていくとどんどん作品に引き込まれていき、アルバムの構成にもこだわりを感じる。そんな最新作発売の翌日となる12月8日(木)に、表参道WALL&WALLにて<One – Man Live “Bloom”>が行われた。

本公演ではアルバムの世界をそのまま体現するというよりも、1st・2ndアルバムの楽曲を交えて『Bloom』を再構築。各楽曲の魅力を存分に表現して、『Bloom』という作品の底知れないポテンシャルを見せた一夜となった。

楽器隊がステージに登場すると、アルバムに収録されているインストナンバー「Enigma」をしっとりと演奏。近藤邦彦(Key)による優美な鍵盤の調べとともに、ひかり(Vo)が登場する。ミラーボールが煌々と輝く中、続いて披露したのは「Starchild」。穏やかに、けれど力強く歌い上げるひかりの姿は神秘性を帯びていて、観客の目は早くも釘付けに。

「こんばんは、Mimeです。今日は<One – Man Live “Bloom”>にお越しいただいて、ありがとうございます。最後まで楽しんでください」と、ひかりが挨拶するとアルバムの冒頭を飾る「Put your gun down」へ。歌の表現力はもちろん、歌詞に合わせて身振り手振りを用いて体全体でパフォーマンスする彼女。フロアを見渡しながら観客一人一人に訴えかけるように楽曲を届けていく。

クールなダンスチューン「Upside Down」と歌詞の情景描写が美しいスローナンバー「Sunflower」では、シンプルなリズムが観客の体を静かに揺らす。TiMT(Drums, Prog)のダイナミックなプレイとともに存在感を発揮していたのは、サポートを務めるベーシストの石垣陽菜(TAMTAM)。この日も流れるようなベースラインとふくよかな音色でMimeのバンドサウンドを支えていた。

アーバンなR&Bナンバー「You Are Beautiful」では、甘いメロディと力強いアンサンブルのコントラストで観客を魅了。また、内野隼(Gt)のきらびやかなギターサウンドが楽曲を華やかに彩る。

ここで、ひかりが「昨日3rdアルバム『Bloom』を無事リリースしました。そして今日この日を無事に迎えることができて、本当に嬉しく思っています。来ていただいて本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを述べつつ、最新作について紹介。

続けて「私、夢を毎日見るんですね。感触とか味まではっきり覚えてるんですけど、覚えているのはちょっとの間で、時間が経つと記憶というのがポロポロ落ちていくなあって。それを歌にした曲です」と語り、夢をテーマにした「Labyrinth」を演奏。浮遊感のある鍵盤の音色とメロウなギターサウンド、そしてしなやかなボーカルが生み出す幻想的な音世界に観客を引き込んでいく。

さらに、1stアルバム『Capricious』と2ndアルバム『Yin Yang』の収録曲を立て続けに披露。「Distance」「Let Your Love Grow」といった温かなナンバーから、TiMTによるタイトなドラムサウンドがリズムを牽引する「Life」「Division」へと続き、観客はバンドが生み出すグルーヴに身を委ねていた。

本公演は全18曲のロングセットだったが、ライブ前半は驚くほど早く終了。それはメンバーも感じていたようで、ひかりは「前回のワンマンのときに“あっという間劇場”というのがあって。終始あっという間でしたねって話を繰り返していた記憶があるんですけど、今回はそんなこと言ってられないぐらい長いねって言ってたんです。でも、やっぱり本番が始まってみたら“あっという間”だねって(笑)」と満面の笑顔で語った。

加えてアルバム制作について振り返り、TiMTの自宅スタジオにメンバーが集まって作業したことを明かす。さらに「こうして8年続けられて、続けることの大切さみたいなのは年数を重ねるうちにひしひしと感じるものがあるので、10年目指して頑張りたいと思います。ぜひ一緒についてきてくれたら嬉しいです!」と決意の気持ちを述べた。

後半では爽快なナンバー「Caught in Shower」をはじめ、明度の高いサウンドでフロアを沸かす。リリース直後のライブとはいえ、『Bloom』の楽曲は全8曲中5曲が先行配信されているため、リスナーに馴染んでいる楽曲も多い。「I Just Wanna Say」が会場の熱気を押し上げていたことからも、アルバムの楽曲がすでにリスナーの体の一部となっていることが伝わってきた。

もちろん、アルバム収録の新曲でも大きな盛り上がりを見せる。「Seed」では、楽曲にゲスト参加したZIN(Soulflex)が登場。ひかりの真っ直ぐなボーカルとZINの包み込むような歌声が融和して、美しいハーモニーを生み出す。2人で顔を見合わせ、楽しそうにデュエットする様子も印象的だった。

勢いそのままにアンビエントなナンバー「Colorful Raindrop」を披露したのち、ZINとの制作についてひかりが振り返る。“始まり”や“芽生えの瞬間”について描いた「Seed」は、ひかりが先に歌詞を書いて楽曲に込めた想いをZINに伝え、それを受けてZINが自身のパートを制作していったという。念願叶った今回のコラボについてひかりは「人と作ることの楽しさを改めて感じました」と語った。

終盤では、生命力に溢れた感動的なナンバー「Headlight」から本編ラストの「エメラルドグリーンの揺らめき」へ。雄大なリズム、きらびやかなシンセ、ひかりのロマンチックな歌声。さらには情熱的なギターソロが会場に響き渡っていく。

アンコールでは、アルバム『Bloom』の制作に携わった人やメンバー、ファンに「いつも支えてくれてありがとうございます」と、ひかりが感謝の気持ちを伝える。そんな温かな空気の中で届けられたのは、バンドの定番ソング「Driftin’」。会場はダンスフロアの様相となり、この日一番の盛り上がりを見せて大団円を迎える。

冒頭でも述べたように、アルバム『Bloom』はMimeが新しいフェーズに突入したことを思わせる作品だ。しかしソウルやR&B、シティポップといったバンドの核は変わらずに表現され続けている。そうやって音楽性にブレがないからこそ、リリース直後のワンマンでも会場が一体となってグルーヴに身を委ねることができたのだろう。

そして『Bloom』は、ここからもっとリスナーに聴きこまれ、ライブで繰り返し演奏されることで、さらなる変化を見せるに違いない。そんな今後への期待も感じさせたワンマンライブだった。

SET LIST

M1. Enigma
M2. Starchild 
M3. Put your gun down
M4. Upside Down
M5. Sunflower
M6. You Are Beautiful 
M7. Labyrinth
M8. Distance 
M9. Let Your Love Grow
M10. Life 
M11. Division
M12. Caught in Shower
M13. I Just Wanna Say
M14. Seed feat. ZIN
M15 Colorful Raindrop
M16. Headlight 
M17. エメラルドグリーンの揺らめき 
En. Driftin’ 

INFORMATION

<Mime One-Man Live Bloom>

配信アーカイブチケット発売中
※2022年12月14日(水)23:59まで視聴可能
チケット料金:¥2,500(TAX IN)
https://eplus.jp/mime/

<RAIKO -来光- RISING COUNT DOWN 2022→2023>

2022年12月31日(土)
shibuya eggman
Open:18:30
Start:19:00(終演時間25:00前後予定)
http://eggman.jp/schedule/schedule-20209/

RELEASE INFORMATION

3rd ALBUM
『Bloom』
2022年12月7日(水)
Situation.Tokyo/NATURAL FOUNDATION Recordings

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DIGLE編集部

編集部がオススメするニュース/イベント情報などを紹介、またイベント取材記事/コラムなどを不定期で配信。

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