さよならGOODVIBRATIONが伝える自己肯定

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はさよならGOODVIBRATIONをご紹介します。

落ちた先まで見据えて飛ぶ

自分で自分を愛すること、肯定すること、生きていていいと思えること。
激しく流れる時代の中で、その重要性を誰もが痛感しているだろう。
2000年生まれ、大阪在住のオルタナティブヒップホップアーティスト・さよならGOODVIBRATIONが世に送り出す作品の根底には、いつもそんな想いがあるように感じられる。

4月6日にリリースされた新曲の『転落』という楽曲タイトルと、繰り返される「高層ビルから急降下。落ちてく冴えない顔のまま。一直線を飲み込む。地中深く奥まで突き刺さる振動。」というフレーズは、一見ほの暗く思える。
しかし、奥底で静かにゆらめく熱い炎が、前進するためのエネルギーが、リリックとエモーショナルなトラックの端々には滲んでいる。
不甲斐ない自分と、それを取り巻く雑音、折れそうになる気持ち。
それでも最後まで羽ばたこうとする強さ、転落しきった先までを思い描いてまだ先に進もうとする覚悟がひしひしと伝わってくるのだ。

2021年12月、「Yatsume」より「さよならGOODVIBRATION」に改名し、改名後初の音源『誰よりも自分を抱きしめたかった』をリリースしたところから彼の表現は一貫している。
自分を認め信じる限り日々は止まらない。さよならGOODVIBRATIONの表現も、きっと止まらない。


さよならGOODVIBRATION

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