CAOS feat. pinokoとともに向き合う痛み

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はCAOS feat. pinokoをご紹介します。

それぞれの目線で見つめて

東京を拠点に活動するCAOSが、客演にpinoko、トラックメーカーにSR23を迎え入れ完成させた『カサブタ』が配信リリースされた。
アコースティックギターが導く柔らかなトラック、そして各々の痛みとそっと向き合うリリックが丁寧に心をほどいてくれる一曲になっている。

ただ生きているだけで、大小問わず傷つくことは避けられない生活。
チクチク刺すような痛みが胸を刺しても、その傷を受けた心はまたあたらしく生まれ変わり、強くなり、次の一歩に繋がる愛おしい傷跡にできたら……そんな祈りを感じられるリリックがCAOSによって紡がれる。
傷のあとできるかさぶたを剥がれかけのネイルアートに喩えながら、繊細に揺れる感情を歌い上げるpinokoのパートには彼女らしさが満ちており、それぞれの視点から描かれる「痛みとの向き合い方」がリスナーの共感を呼び起こす。
2人の声が重なるフロウはキャッチーで耳に残るフレーズでありながら、傷を見つめるときの切実な想いも滲んでいて、静かに前を向く力を分けてくれるような楽曲だ。

赤い風船が浮かぶジャケットデザインには、実はMVとリンクする要素も隠されている。
CAOS, pinoko本人が登場し、楽曲のメッセージをより深めるそちらにも注目を。


CAOS

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