Frascoが音にする巡り合わせ

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ!今回はFrascoをご紹介します。

音から感じる不思議を

2015年、タカノシンヤ(曲・企画)と峰らる(歌・デザイン)の2人によって結成され、楽曲リリースやライブに加えサウンドトラックやCMソングの制作など幅広く活動を続けるFrasco
コラボレーションや別ユニットも通してシーンで存在感を放つふたりから、Frasco名義では約1年ぶりとなるオリジナル作品『Butterfly Effect』が届いた。

バタフライ効果をテーマにした表題曲『Butterfly Effect』は、誰かのひとつの小さな行動が思わぬ方向に作用するように、複雑なビートと穏やかなシンセフレーズ、柔らかなボーカルがそれぞれ絶妙なバランスで混ざり合う1曲だ。
それぞれが干渉しすぎることなく、しかし離れ離れになるわけでもなく、静かに噛み合う不思議な魅力を感じられる。

そして、この作品はバージョン違いのインスト版が入った5曲入りのEPとなっており、「bass less」「synth less」「beat less」といったさまざまな形で楽曲の多面性を楽しむことも可能だ。
それはまるで、“バタフライ効果”そのもののよう。
各音の要素がどのように楽曲全体へ作用し、どのような印象を私たちに与え、なくなることによって何が起きるのか。
心地よい音楽としてはもちろん、そんなことにも思いを馳せながら聞いてみたくなる作品だ。

Frasco

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