懐かしさとあたたかさで包んでくれるぼんち

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ!今回はぼんちをご紹介します。

過去と今への視点をもって

同じ国に生まれたとしても、それぞれが暮らし、育つ景色のすべてが重なり合うなんてことはない。
それなのに時おり、人々は初めて出会う何かを見て、口を揃えて「懐かしい」と口にしたり、愛おしんだりすることがある。
ぼんちの音楽もきっと、そういったものなのではないだろうか。

東京都内を中心に、2018年より活動中の3人組・ぼんち。
1st mini album『スロータウン』より、リードトラックでもある『リバーズ・エッジ』が現在配信中だ。
キュートな打ち込みトラックは子どもの頃よく遊んだおもちゃや公園を思い出すようなノスタルジアを煽り、それを包み込むように重なるバンドの演奏は、大人になった私たちの心をくすぐってゆく。

聞き手それぞれにとっての懐かしい思い出、センチメンタルに過ごした季節のことを自然と呼び覚ますようなぼんちの魅力。
それは、彼らが90年代の音楽とカルチャーに敬意を払うと同時に、現代に馴染むポップさを忘れず音楽と向き合っているからこそ生まれるものだと思う。
ただ浸るだけでも、前を見るだけでもなく、何気ないあたたかさで過去と今を肯定してくれる歌がここにある。


Frasco

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