文: DIGLE編集部 編:Kou Ishimaru
浮かされるほどの熱を孕んだ夏が徐々に遠ざかり、狂騒の記憶もぼやけていくこの季節。
甘い余韻からもう一度私たちを呼び覚ますような1曲、『Yearnin’4』がいつかの道玄坂の景色と共に届いた。
ヒップホップクルー rice water Grooveのフィメールラッパー chancylemonと、トラックメーカーのカミノ・ザ・ファンクが1年ぶり二度目のタッグを組んで挑んだこの作品。
ミラーボールが回るよりも早く目まぐるしく移り変わるクラブの夜の情景を紡ぐchancylemonのラップは、エネルギッシュかつクールだ。
カミノ・ザ・ファンクが手掛けたトラックはファンク、ハウスとディスコティックに移り変わりながら、煌びやかなサウンドでDJブースの活気を描き出す。
クラブカルチャーへの普遍的な愛に溢れた作品であることは間違いないが、リリックの中に出てくる具体的なステージ名を耳にすれば、これはとある場所への明確な想いを込めた音楽でもあるということに気がつく人もいるだろう。
暮らしのかたちは変わり、街の風景もあの頃とは同じではなくなっても、かつての場所での思い出やそこで生まれた出会い、感情、その全ては私たちが忘れない限り消えない宝物だ。
そんなひとつの魔法を詰め込んだダンスチューンと共に、この先もあたらしい眩しさに出会っていきたい。
chancylemon
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