YOLKが緻密に作り上げる音像

Review

文: DIGLE編集部 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はYOLKをご紹介します。

三人だから作れる解像度で

2021年より現メンバーで活動を開始、ソフトロックをベースに、ジャズ、ボサノヴァ、ソウル、AOR、インディー・フォーク等を取り入れたジャンルレスな楽曲を制作する3人組・YOLK
最新作『muse』は、まばゆい春の訪れを告げる、YOLK流の柔らかなポップチューンだ。

ひとつの楽曲を通して耳を傾けるだけで、音楽的な遊び心の多さや、様々なジャンルを取り入れるバランス感覚を存分に感じることができるYOLKの音楽。引き出しが多いからこそ、描き出したい情景に合わせて選ばれるさまざまな要素が効果的に輝き、実に心地よく立体的な音像が完成している。
この緻密さは、メンバーの3人が幼馴染であり、ルーツを深く共有していることに由来しているのではないだろうか。また、全ての楽曲制作において、レコーディングからミキシングやマスタリングまでをメンバー宅で行う宅録家バンドであることも大きいだろう。それぞれが愛する音楽と丁寧に向き合い、自在に戯れるからこそ、多様な音楽へのリスペクトとともにYOLKの個性も伝わる楽曲群が完成するのだ。

『muse』は、ジャパニーズAORや90年代ポップスのコンテクストを再解釈を試みながら、YOLKのニューポップスとして仕上げられたという。冬の冷たさや寂しさと、春の温かさや光、どちらも香らせる麗しい1曲になっている。

YOLK

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