文: 石角友香 編:Miku Jimbo
2022年末、『early Refrection』のクリエーターマーケティングに特化した新レーベル〈Pandrec〉より、第一弾アーティストとしてデビューすることを発表した桜田通。もはや多くを語る必要がないほど、俳優としてのキャリアを積んできた彼。14歳でミュージカル版『テニスの王子様』(2006〜2007年)の主人公・越前リョーマ役に抜擢され、その後も映画『劇場版さらば仮面ライダー 電王 ファイナル・カウントダウン』の主役・野上幸太郎役を演じたり、最近では世界的に人気の高いNetflix『今際の国のアリス』シリーズに出演するなど、グローバルなフィールドを視野に入れた活動も行っている。
10代の頃から作詞作曲を好んで行ってきた彼。今回のメジャーデビュー以前にもドラマや映画の主題歌を歌ったり、映画『ラ』で演じているバンド“LASTIC ACID”名義ではSILENT SIRENのサウンドプロデューサーとして知られるクボタナオキが提供した楽曲「鼓動」に自ら歌詞をつけて、バンドサウンドで歌ったり、本人名義ではピアノバラードやラップ、ダンスミュージックなどジャンルを飛び越え、様々なボーカル表現にチャレンジしてきた。
これまでの作品の中でも特に驚かされたのが、EP「Sakura da Festa BEST」収録の「FICTION」でハードな音像のヒップホップの上で言葉を連射したことや、ダークな世界観の「One Word」(2021年シングル)でロックとR&Bを融合したサウンドメイクの上で堂々としたボーカルを聴かせたことだ。特に後者はワールドスタンダードと呼べるポップミュージックで、ビルボードのトップチャートやK-POPの潮流ともリンクするプロダクションなのだ。それもそのはず、作曲をBABYMETALなどを手掛けるMEGが担当し、アレンジをNaoki Itaiが担当している。ミュージシャン活動の初期段階からアレンジャー/プロデューサーとして参加しているItaiは西野カナ、Ado、BABYMETAL、THE ORAL CIGARETTESなど、現在のポップ、ロックシーンのサウンドをアップデートし続ける重要人物だ。クリエーターの凄さはもちろん、すでにZeppクラスのライブを経験してきている桜田のアーティスト活動が本格的なものであることは想像に難くないだろう。
そして今回、世界デビューとなる楽曲「MIRAI」はこれまで挑んできた音楽的なレンジをより広げたものになっている。EDM以降のポップミュージックのフィロソフィをまとい、歌メロにはR&B/ラップのフロウがあり、中毒性の高いサビが心をざわつかせる。作曲は元HaKUで、現在は作曲家としてなにわ男子やNEWSらに楽曲提供しているYuki TsujimuraがItaiとコライトしている。作詞は桜田とTsujimuraの共作で、情報過多の現代をタフに生き延びつつ、孤独を気取っていた時期を過去のものにし、《未来はそんなに悪くない》と前を向く。光の見える内容だが、どこまでもモダンにアップデートされたサウンドプロダクションでスタイリッシュに聴くことができる。
俳優のアーティストデビューという前例に囚われることのない鮮烈なイメージは「MIRAI」の高いクオリティはもちろんだが、桜田というキャラクターがごく自然にハイファッションを着こなし、自然と音楽もファッションもモノにしていることにも由来する。日本人アーティストが世界で活躍するポテンシャルを予感せずにいられない存在なのだ。
INFORMATION
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<Dori Sakurada Debut Tour 2023″Retrograde Satellite”>
5月26日(金)神奈川・KT Zepp Yokohama
6月16日(金)愛知・Zepp Nagoya
6月17日(土)大阪・Zepp Osaka Bayside
6月29日(木)東京・Zepp Haneda
early Reflection
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