日常の憂いに添える、MILKDOTの「春色の幽霊」

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はMILKDOTをご紹介します。

末端に宿る”らしさ”

この春、高校を卒業したシンガーソングライター兼ボカロPのMILKDOT。今を生きる若者の心を詰めこんだ1stアルバム『TEENAGE』をリリースした彼が、約2カ月の時を経て世に放った作品こそ、先日配信が開始された「春色の幽霊」である。

「みんなの日常に寄り添う1曲になれたら」と想いのこめられたナンバーは、春先特有のなんともいえない気だるさを放ちながら、ジワジワと感情を浸食していくようなセンチメンタルを香らせる。憂いを帯びた歌声はもちろん、センチメンタルなギターのフレーズなど、鳴らされる音のひとつひとつがリスナーの心に訴えかけるのである。

トラックでは新たな側面を覗かせる一方で、彼ならではの諦めや虚しさを孕んだ歌詞は健在。サビの締めくくりを“忘れたくないよ”でも“忘れないよ”でもなく“忘れない様にしたいよ”とふわっと願うのは、MILKDOTらしさなのではないだろうか。ぽっかりの虚無を感じてしまう日に、添えてほしい1曲だ。


MILKDOT

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