一緒に苦楽を越える、s-o-aの歌

Review

文: BIG UP! 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はs-o-aをご紹介します。

日常を呼び戻す

近頃は応援歌にも関わらず“奇跡は死んでいる”などと歌われる時代になった。希望がなければ生きていけないのは事実だが、夢見るだけで生きていけないのも、また事実。ひとりひとりが、どうにか感情の帳尻を合わせて生きている。s-o-aのボーカルである蔭山明日香は、歌うことで日々を越えてきたシンガーだ。

そもそもs-o-aは、コンポーザーの0が“かげやまいえ”の活動中に蔭山が作っていたオリジナル曲に興味を持ったことから活動が始まった。しかし、もともと蔭山は0が在籍している(現在は活動休止中)イエロウ熱帯魚の大ファン。彼女がひとつの奇跡を起こし、s-o-aというプロジェクトはスタートしたのである。
彼らが紡ぐのは、日常のふとした記憶を導く情景だ。リスナーと誰かにリンクする物語を、音楽を通して描いていく。それがどうしても胸に響いてしまうのは、歌に蔭山の思いが生きているからなのだろう。ただの情景ではなく、その時の気持ちを声色やニュアンスで絶妙に乗せていく。苦楽を歌と共に越えてきたから、激情的じゃないのにエモーショナルな歌を成しえているのだ。

先日配信が開始された「正しい生活」は、プロジェクト始動当初からずっと歌い続けてきたナンバー。8月4日に発売されたE.P『呼吸と生活』にも収録されているので、他3曲と合わせて楽しんでほしい。

s-o-a

提供:BIG UP!zine

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