DIGLE MAGAZINE編集部が選ぶ2021年上半期国内ベストトラック

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DIGLE MAGAZINE編集部スタッフが2021年の上半期の国内アーティストがリリースしたものからベストトラックをセレクト。それぞれの選曲コメントと合わせてご紹介します。

DIGLE BEST TRACK 2021年上半期

江藤勇也(編集長)

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セレクトコメント:

良曲揃いの21年上半期において、3曲という枠で選ぶのは非常に難しい作業でした。選ぶ際に楽曲がもつコンテキスト含め色々考えたんですが、今回は自分がふとした時にリピートしていた曲を基準にセレクトすることにしました。
シンプルなギターリフから始まり、焦燥感、孤独を歌った大比良瑞希の「遠回り」。エヴァンゲリオンという壮大な物語の最後の曲として別れの辛さ、そして出会いの尊さを感じさせた宇多田ヒカル「One Last Kiss」。人を愛する覚悟を力強いサウンドに乗せたbutajiの「acception」。選んだ楽曲を改めて聴き直してみると、コロナ禍において自分が無意識に感じていた時代への気分が映されているように感じました。こういった視点で振り返ってみると音楽が与える影響の大きさに驚かされます。まさに激動の時代とも言える現代ですが下半期はどういう流れになるのか、今から楽しみです。

宇多田ヒカル「One Last Kiss」

大比良瑞希「遠回り」

butaji 「acception」

黒田隆太朗(編集・ライター)

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セレクトコメント:

並外れた詩人たちによる新曲を3つ。「カフェ・オ・レ」の冒頭、《ぼくらの暮らしに欠けているのは 俗悪な冗談さ》という一節が、上半期のベストリリック。「ローレライ」は躍動する旋律と、両儀的な歌詞に惹かれて何度も聴いた。《ぼくが今 できることなら なんでもするから 泣かないで》という歌からは、裏腹に何もできやしない無力な“ぼく”が浮かび上がる。「prism」はその美しさにおいて圧倒的だった。《ここはぼくと世界を隔てるフィルター》(歌詞非公開)という歌詞を歌う、原田郁子三船雅也の声の神聖さに、誰もが息を飲むだろう。年が明けても依然コロナ禍の混迷が続く中で、信頼に値する言葉を探していたように思う。今年は例年以上に詞を聴く1年になりそう。 

TELE-PLAY「prism (feat. 原田郁子, ROTH BART BARON, Seiho & Ryo Konishi)」

ギリシャラブ「カフェ・オ・レ」

ドレスコーズ「ローレライ」

Mao Oya(編集・ライター)

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セレクトコメント:

2021年上半期に「ライブへ行きたい!」と心から思わせてくれたアーティストの楽曲をピックアップ。WATER DAWGSを知ったのは今回セレクトした「100%」をリリースした直後。「何これ!!トラックめっちゃかっこいい!!浮遊感が超気持ちいし、気怠い感じ最高!!!!」っていう衝撃を受けてから永久リピートモード。もはや恋。全曲大好きなんですけど、特に「I’MA FUKIN’DOWNTOWN」が好きです。CwondoNo Busesのヴォーカル/ギターをつとめる近藤大彗のソロ。「Twwen」を初めて聴いたときに、子供の頃のワクワク感がよみがえってきて、一言で表すと“トキメキ!!”。最近リリースしたシングル「Broken Dream」も胸をキュンっと締め付けられる1曲なので、「最近トキメキ不足〜!!」っていう方はぜひトキメキを求めて聴いてみてください。そして、DIGLE MAGAZINEでもインタビューさせていただいたスーパー・キュート・ガール、Grace Aimiは私にとって2021年上半期、一番の衝撃だったかも?!メロディー、歌詞、歌声のバランスが取れていて耳馴染みがいい&聴いていて元気がでる!!ご本人もとっても素敵で、キラッキラの太陽みたいに輝くパワーに満ちた女の子です。インタビュー記事も要チェック!

WATER DAWGS 「100%」

https://youtu.be/izUP7bHjR_s

Cwondo「Twwen」

Grace Aimi 「Eternal Sunshine」

Asahi(ライター)

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セレクトコメント:

最近シリアスな楽曲も多い中、リリック、メロディーで1ランク上の「遊び」を感じさせた3曲を選曲しました。この「遊び」というのはふざけるという意味ではなく、様々なバックグラウンドを盛り込ませたり、通常のサウンドにいくつかのスパイスを盛り込んだような楽曲を意味してて、久しぶりに謎解きのようなワクワク感を得られました。

Big Animal Theory, two:eighteen「On Your Side」

Mao 「サイフ・携帯・家のキー」

星野源「創造」

Kou Ishimaru(ライター)

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セレクトコメント:

自分がやっているバンド(Bearwear / Haiki)においても、海外のリスナーからのアプローチが増えてきたことを実感する昨今。コロナ禍以降のライフスタイルの変化も相まって、場所に縛られず好きな音楽で世界が繋がっていくムードがアーティスト達の創作に現れたのが2021年上半期の音楽なのではないでしょうか。

インディロックと(アジア圏的解釈の)シティポップを融合させ、アメリカに暮らすアジア人女性というアイデンティティを背負ったJapanese Breakfast(ジャパニーズ・ブレックファスト)。細田守映画の劇伴制作でも知られる高木正勝をはじめ、多くの日本の音楽家へのシンパシーを公言するPorter Robinson(ポーター・ロビンソン)。20世紀アンビエントの枠を超え、80年代日本の環境音楽的な包容力のあるGreen-House。

距離的制約を越えて、ストリーミングであらゆる文化を互いに参照し合う現代だからこそ、改めて自分たちの住む”日本”の文化、磁場がどういうものなのかを外側の視点から確認できる3曲をピックアップしました。

Porter Robinson & WEDNESDAY CAMPANELLA 「fullmoon lullaby」

Faye Webster 「Overslept (feat. mei ehara)」

CHAI 「チョコチップかもね (feat. Ric Wilson)」


2021年上半期、みなさんのベストトラックはいかがですか?DIGLE MAGAZINEは毎週、最新の楽曲をプレイリストにまとめて発信しているので、そちらも合わせてぜひ、チェックしてみてください!

毎週月曜日更新『DIGLE SOUND.JP』

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