2023年ブレイク必至アーティスト|飛躍に期待大の4組&聴くべき次世代プレイリスト

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文: DIGLE編集部 

新しいアーティストが次々と現れた昨年を踏まえ、2023年に新たな潮流を見せていくであろうアーティストを音楽メディアの編集部スタッフがピックアップ!さらに、今年注目すべき次世代アーティストをプレイリストでお届け。これをチェックすれば、今年の音楽ライフもより一層充実するはず!

DIGLE MAGAZINE編集部のスタッフ4名が、2023年の活動に期待が高まるアーティストをピックアップ!さらに、今年聴くべき次世代アーティストをまとめたプレイリストも制作しました。

再興するエレクトロニカやアンビエントのエッセンスを含むエレクトロニックアーティストから、新たに生まれる国内ポストパンクバンド、Sam GendelなどLA周りにも呼応するジャズアーティストまで、今年必聴なアーティスト楽曲を紹介します。

次世代アーティストプレイリスト『DIGLE SOUND’23 RISING』

日々を記録するエレクトロニカ:Cwondo

昨年、Cwondoはその作品数とライブ/DJの出演頻度からして都内でもトップレベルで忙しいミュージシャンだったのではないだろうか。
Gentoku、uku kasai、PAS TASTAなどの作品に客演や共作で参加し、自身でも7月に3thアルバム『Coloriyo』をリリース。11月からは4枚目からの先行リリースも行い、その間に自身のバンドNo Busesでもアルバム『Sweet Home』をリリースしていた。
そうした高速スパンでリリースされた、Cwondo名義での楽曲は日記的な感覚で制作しているという。ローファイな質感はありつつも、その音楽性は今年一気にゼロ年代エレクトロニカに傾倒。『Coloriyo』で特に感じられるのは、Boards of Canadaに代表される幻影を映し出すような空気感を纏った、フォークトロニカの要素だが、それはプレイリストにもあるLe MakeupやPeterparker69、E.O.Uらにも通づる感覚と言えよう。

デジタルデバイスとギターが描く情景:Uztama

アルバム『風が凪ぐ』のリリースで一気に注目を集めたSSW/トラックメイカーのUztama。
ジャケットが示す作品の物語性もさることながら、Galileo Galileiや銀杏BOYZをルーツにしたギターを用いて作られるトラックは、ゼロ年代エレクトロニカと国内オルタナ/インディロックの狭間をゆく音楽性で、彼独自のもの。lilbesh ramkoらdigicore周りのアーティストとも共作、共演している様子からは、新たなシーンの誕生を予感させる。昨年Telematic Visionsのフィジカルリリースにも貢献したディスクユニオン傘下のレーベル<Sad Disco>よりアルバムのCD、LP販売も決定している。
詳細は、昨年末に公開したインタビュー記事でチェック。

パルス揺蕩う即興ジャズ:Kei Matsumaru

都内を中心に幅広い活動を行うサックス奏者松丸契は、その存在を知らずとも音は聴いたことがあるという人は多いはず。国内の活動を開始した2018年以降、石若駿率いるSMTKに加入、即興音楽トリオm°feを結成し、さらにはテリー・ライリーや石橋英子、大友良英と演奏を共にし、ヒップホップトリオDos Monos作品にも参加した。といった風にジャズ、ミニマル、ノイズ、ヒップホップとさまざまなフィールドを練り歩いているのが彼だ。
ソロ名義でのニューアルバム『The Moon, Its Recollections Abstracted』は、「即興と作曲の対比と融合」をコンセプトにしたフリーキーさとメロディアスさに、ポストプロダクションにより施された、広がる音のアンビエンスやヒスノイズが新たな境地を見せる作品だった。それはこれまで取り込んだ様々なエッセンスを集結させたものだっただろう。
最近では下北沢SPREADでのモジュラーシンセを使ったソロライブや、岡田拓郎とのコラボライブを行ったり、NOT WONK加藤のソロプロジェクトSADFRANKにも参加したりとまた新たなフィールドでの活動が見られる。松丸契が今後自身のシグネチャーをどこに持ち込み、そして持ち込んだ先で得たものがどう展開していくのか、その一挙一動に注目したい。

謎のアートコレクティヴが放つクリエイティビティ:TOGITO

その匿名性がリリィ・シュシュを彷彿とさせる、謎多きシンガー・MICHAELAを中心に構成されたアートコレクティブTOGITO。
昨年3月レーベル<MIYA TERRACE>からデビューすると、もっさりとしたトライバル〜インディR&B〜スポークンワードなど掴みどころがないアルバム『P・O・N』をリリース。さらに7月リリースのEP『Déjà vu』では自身のR&Bルーツを前面に見せるオリエンタル・ソウルやクラウト・ロックにディープ・ハウスやエクスペリメンタル・ポップのエッセンスを織り交ぜた楽曲などを展開。MICHAELA以外のメンバーは流動的とのことでその音楽性の幅はどんどん広がっていくことだろう。まだライブ出演もないようで、そちらも期待したい。


音楽においてはライブ/クラブ、野外イベントなどが戻りつつある中、社会的には常に暗澹とした雰囲気が付き纏っていた2022年は、21年から続く内省的なムードと苛立ち、そして解放感が共存する年だったのではないでしょうか。

今年の音楽はどのような変化を、どのような新しい景色を見せるのか?これからのリリースを共に追いながら、音楽がみせる新しい(時には懐かしい)ものを見にゆきましょう!

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