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文: 久野麻衣 写:Yuya Eto
これから始まるフェスシーズン。今年こそフェスデビューを考えている人や今年はどんなフェスに行こうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで“フェスのプロ”とも言える日本最大級のフェス情報メディア「Festival Life」の編集長であり、海外フェス情報をまとめたガイドブック「THE WORLD FESTIVAL GUIDE」を出版した津田昌太朗さんにインタビュー。
フェス初心者へ向けたアドバイスから海外フェスの面白さ、さらにはどんどんハマってしまうフェスの魅力まで、国内外の数々のフェスを経験してきた津田さんだからこそ語れるフェスの楽しみ方を参考に、今年は新しいフェスに出かけてみてはいかがでしょうか。
ーまずはこれまでの経歴や現在の仕事などふまえて、自己紹介をお願いします。
今は「Festival Life」というフェスメディアの編集長をやりながら、音楽やフェスなどのエンタメビジネスに伴うコンテンツマーケティングを手がけています。今の仕事をする前は広告代理店のマーケティング部門で働いていました。
会社員時代に副業としてボランティアのスタッフが集まって運営していた「Festival Life」に参加したんですが、入ってすぐに「編集長しない?」って言われてすぐに編集長になっちゃって(笑)。
平日は朝から深夜まで働いて、そのまま金曜日の夜からフェスに向かって、月曜の朝帰ってくるような生活をしてました。次第にメディアも伸びてきて、働いていた会社のメディア部門から媒体についての問い合わせが来ちゃったりして…。
ーそれは気まずい状態ですね(笑)。
そんな生活を続ける中で、たまたまイギリスの<グラストンベリーフェスティバル>に参加できることになって、少し早めの夏休みをとって遊びにいったんです。そしたら今までに感じたことのない強烈な衝撃を受けてしまって。
この衝撃の謎を解こうと思って、務めていた会社を辞めて、Festival Lifeも抜けて、イギリスに移住することにしました。お金が尽きるまでヨーロッパのフェスを中心に大小様々な海外フェスを周り続けました。
ーそこから帰って来て今のお仕事に?
海外のフェスを周っている間に、面白がってくれる人も増えてきて、イギリスのメディアに特集してもらったり、日本からも少し仕事が来るようになったんです。
ただフェスを巡っていただけの素人なのにQeticでコラムを書かせてもらったり。そこの繋がりから色々なフェスに関連するお仕事を頂くようになって、<フジロック>の新しいメディアの立ち上げに誘われて、帰国することになりました。そのタイミングで「Festival Life」も買い取って僕が運営する形にして、会社も立ち上げました。
ー働き始める前から色んなフェスに行ってたんですよね?
そうですね。学生でお金がない時、中目黒にあるBAJAというバーに毎日入り浸っていて、そこでたくさんの音楽業界や出版業界の人に出会いました。マスターが「この子フェス好きなんだよね」って話をふってくれた人が雑誌『GO OUT』を立ち上げた竹下充さん(現GO OUT編集長)だったり。
色んなフェスの話をするうちに「チケットあげるから仕事手伝う?」って言ってもらて、「RIZING SUN ROCK FESTIVAL行ってみたい」とかお願いして(笑)。飛行機代はさすがに出してもらえないので青春18切符で鈍行列車で行って、取材を手伝わせてもらったりしてました。
そういったことのおかげでアウトドアやフェスの遊び方も教えてもらえたし、働いている人やフェスの中のことが分かったり、当時のアウトドアが流行りからカルチャーになっていく感じとか、フェスとアウトドアが結びついて、一般層に広がっていくのを間近で見られた気がします。
ーフェスが広まって行く時代を間近で見ていたんですね。
竹下さんと初めて話した時、まだGOOUTも創刊前だったんですけど、「フェスとアウトドアって相性いいと思う?」って聞かれたんですよ。もちろん「相性はいいけど、僕らの世代ってそこまでまだアウトドアに興味ないかも」って当時20歳前後の感覚で答えたりしていました。
でも実際にがっつりアウトドアを楽しむのではなく、フェスでライトにアウトドア気分を楽しんだり、アウトドアファッションを身にまとったりが世の中の普通になっていく姿を見て、「こうやって文化ってできていくんだ。そしてその背景には面白い人たちが色々と仕掛けを作っているんだ」っていうのを知ることができた。
実際に海外フェスに行くようになってから日本のフェスファッションは良い悪いは抜きにして、欧米のフェスにはない独特な文化だってことも改めて実感できたので。
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