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文: Vegas PR Group 編:riko ito
今年開催された香港の音楽フェスティバル<Clockenflap>や韓国<仁川ペンタポート・ロックフェスティバル>に、羊文学やELLEGARDENらが出演したことは、連載初回でも紹介した。しかし、コロナ禍以降に海外イベントに出演している国内アーティストは、まだまだたくさんいる。フェスに限らず、単独で海外ツアーに出ているアーティストも多い。今回は、海外で精力的に活動を展開するそんなインディペンデントなアーティストたちを地域ごとに取り上げる。
まずはアジア地域。中国は、地理的な距離の近さや文化的な親和性、そして人口の多さから、コロナ禍以前からも多くのアーティストがツアーを行ってきた。今年に入り、The fin.やミツメ、She Her Her Hersなどが中国での公演をアナウンスしている。
The fin.は、2015年に上海で開催された<ShoeGaze Festival>をきっかけに、8年以上にわたり中国での公演を行っている。2019年のツアーでは、13公演を全てソールドアウトさせ、約1万5千人を動員。「特に熱量が高い」とボーカルのYuto Uchinoが語る中国のオーディエンスの様子は、2018年のツアーのアフタームービーからも伝わってくる(※1)。
<Clockenflap>以降の香港でも、3rdアルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』をリリースしたばかりのHelsinki Lambda Clubが音楽フェスティバル<ALL EARS ASIA>に出演。THE NOVEMBERSも香港のバンド・TYNT(ティーワイエヌティー)とのツーマンライブを開催している。どちらのアーティストも以前に香港での公演経験があり、コロナ禍を挟んで数年ぶりの凱旋公演を成功させた。中国をはじめとするアジア圏内での公演はヨーロッパなどに比べると実現性も高く、多くのアーティストが足を運んでいる。海外での公演成功や人気獲得のために「まずは中国から」と考えるアーティストも多いようで、日本のアーティストが中国国内でツアーを行うことは今後も続くと考えられるだろう。
一方、アジアを超えて海外進出を果たしたアーティストも大勢いる。2022年に北米ツアーを成功させたばかりの春ねむりは海外での知名度も高く、2023年10月からは7カ国10都市をまわるヨーロッパツアーを行う。
また、もはや説明不要かもしれないが、海外での評価も高い青葉市子は、2022年の夏に行ったヨーロッパツアーを皮切りにコンスタントに海外での公演を続けている。
2023年4月に開催されたオランダ・ロッテルダムの<MOMO Festival>では、イギリスのバンド・Black Country, New Road(ブラック・カントリー・ニュー・ロード)と共演。2023年10月には、アメリカ・ニューヨークで開催されるJapanese Breakfast(ジャパニーズ・ブレックファスト)の自身最大規模の公演にサポートとして出演が予定されており、多くの公演をソールドアウトさせている。またそれだけではなく、海外アーティストとの関係を着実に築いていることは、青葉市子の海外での活躍を象徴するものだろう。
国内のインディアーティストが、海外アーティストのツアーに招かれた例は他にもある。エクスペリメンタル・ヒップホップ・トリオ、Dos Monosは、2022年にイギリスのバンド・black midi(ブラック・ミディ)のヨーロッパツアーに参加。これをきっかけに2023年の夏にも単独でのヨーロッパツアーを行っている。
他にもLuby Sparksや坂本慎太郎など、海外公演を控えているアーティストはたくさんいるが、個別の事例をあげるだけでも、海外公演を行う国内インディアーティストが増えていることがわかる。逆もまた然りで、熱心に海外アーティストの来日情報を追っているファンなら来日公演の多さも感じているのではないだろうか。
さらに、上記の青葉市子のように、単独公演に限らずツアー中のアーティストが現地のフェスにも参加するパターンが、国内外問わず多く見受けられる。国内でも、台湾のバンド・拍謝少年 / Sorry Youthやインドネシアのバンド・White Shoes & The Couples Company(ホワイト・シューズ&ザ・カップルズ・カンパニー)が<BiKN shibuya>や<EPOCHS~Music & Art Collective~>といった日本のフェスへの参加も予定されている。
なかでも、11月に渋谷で初開催される<BiKN Shibuya>は、「アジアのアーティストが集結する」他に類を見ないフェスになっている。Vegas PR GRoupでは今後主催者へのインタビューを企画しているのでそちらもお楽しみに。
(※1)The fin.と中国の蜜月。1000キャパを軒並みソールドアウトできるようになった背景とは?
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坂井彩花
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DIGLE編集部
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