文: 石角友香 編:Kou Ishimaru
きっと彼女は今日もライブハウスかストリート、もしくは自分の部屋から歌を届けている。そうした女性シンガーソングライターは世の中にたくさんいるだろう。前回、2024年リリースの2ndシングル「東京海月」をこのコーナーで紹介した際にも書いたことだが、ほのんの愛らしい見た目とギャップを感じる路上ライブでの肝の据わり方は、自分の歌で聴き手に何らかの揺らぎを起こそうとする強い意思の現れだ。
中学生頃までピアノを習い、13歳から独学でギターを弾き始め、同時に軽音部にも所属。弾き語りでの活動を20歳でスタートし、2021年夏には北海道から福岡まで13都道府県を巡る全国路上ライブツアーを実施するという、ハードな体験も。本格的なシンガーソングライター活動のきっかけとなったのは2023年8月に<early Reflection×SHOWROOMオーディション>にてグランプリを受賞したことだろう。そして2024年1月に1stシングル「減るもんじゃないからキスをした」でデビュー。恋に対して自分の感情を俯瞰で見るようなリアリティをシンプルなバンドサウンドに乗せ共感を呼んだ曲だ。2ndシングル「東京海月」(2024年9月)はまだ東京が似合わないフレッシュな2人の不安定さを、3rdシングル「ながいまばたき」(2025年11月)では今を懸命に生きる主人公が、不安を乗り越える大事な記憶を“ながいまばたき”で甦らせるストーリーを描いた。これまでのどの曲も、借り物じゃない言葉で感情をどう消化するのか?に取り組んできた。
前作から3ヶ月の短いスパンでリリースされた4thシングル「ねがいごと」。この曲もまた、感情を消化するために連ねられる言葉の嘘のなさに共感せざるを得ない楽曲だ。恋愛初期の相手を知るほど好きになっていく気持ちの速度とリンクする8ビート。だが、人を知ることは自分との違いや、そのことで先回りして不安になってしまうことともセットなのだ。期待が不安に反転したとき、同じ8ビートも焦りとして響く。だが、それで終わらず、Cセクションでは2人が近いところにいながら再会できないもどかしさが、急き立てるようなアレンジとともに展開し、最後の最後にこの曲のタイトルが歌われる。この“ねがいごと”は関係をやり直したいのか、やり直せないけれど自分自身が前を向きたいのか、複数の解釈ができる。それも彼女の楽曲を繰り返し聴きたくなる理由だろう。アレンジは「ながいまばたき」同様、ロックシンガーでマルチアーティストの季楽が担当している。このタッグでストリートライブも行っており、制作にも関係性が反映しているのだろう。
最近は加藤慎一(フジファブリック)のソロユニットcrowzetの新曲「Tragicomical」にボーカルで参加。骨太なバンドサウンドによるエバーグリーンなロックンロールに、ちょっとアンニュイなほのんの歌唱がちょうどいい温度感で調和している。また、crowzetのライブにも参加し、その経験はきっとこれからの彼女のライブに生きてくるだろう。今日もどこかでほのんは歌っているはずだから。

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early Reflection
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