文: 梶野有希 写:宮本七生
「ただ、バンドを続けたい。」ー今年で結成8年を迎えるHalf time Oldは“続けること”の尊さをよく知っているバンドだ。そんな彼らの元へ、2015年よりサポートベースを務めていた内田匡俊が4年の時を経てついに正式加入する運びとなった。加入前からライブステージでは彼の名を紹介していたこともあり、“サポート”という言葉にどこか違和感を覚えていたファンも少なくないだろう。そんな加入前から親しみある彼がこのタイミングで正規メンバーの道を選んだのは何故か。
また9月4日(水)リリースのミニアルバム『宅配便で現実を送りつけて』は、結成当初と同じ4ピースに戻れた今だからこそ生み出せる作品となった。現実をより近くに描き、ストリングス面も強化されたパワーポップの音が溢れ出る今作の聴きどころを紐解きながら、Half time Oldがいま目指す場所を見つめていきたい。
ー新体制を迎えて初めての作品『宅配便で現実を送りつけて』がリリースとなりますが、例年よりも時期が早いことに加え、久しぶりのミニアルバムですね。
阪西暢(Dr) :
前作のフルアルバム『真夜中の失踪に聡明と音楽』の反響が大きかったのと、前々作『発見と疑問』に収録されている「アウトフォーカス」のPVをきっかけに多くの人に知ってもらえたので、早く新しい音源を届けたいなと思ったんです。鬼頭大晴(Vo.&Gt):
これまでのフルアルバムのような形だと曲数が多いのでリリースまでにどうしても時間がかかってしまうのですが、もう少し早く新作を皆さんに届けたかったのでミニアルバムというスタイルをとりました。ー今作のリリースに伴い、4年越しにサポートメンバーであった内田さんが加入されましたがどうしてこのタイミングで正式加入されたのでしょうか?
鬼頭大晴(Vo.&Gt):
2015年に以前のベースが抜けてしまって、その時最初にサポートしてくれたベーシストの一人がうっちー(内田)だったんです。そこから1年くらいずっとサポートベースをやってくれていたのですが、2016年あたりでうっちーが一度就職をしたんですね。でも昨年からまたサポートを再開してくれることになって「やっぱり音楽がやりたい」と思ってくれたので、今作のリリースから正式にメンバーとして加入してくれることになったんです。ー内田さんは就職していたのですね。サポートを離れていた2年間はどんなお仕事を?
内田匡俊(Ba.):
音楽の教員です。たまにベースを教えたりもしていました。仕事をしながら音楽をやるスタイルの人が周りにいたので、そういう生き方もありかなとは思っていたのですが、一度きりの人生を後悔したくはなかったのでバンドの道を選びました。ー教員からバンドマンになるって珍しいですよね。何か大きなきっかけがあったのでしょうか。
小鹿雄一朗(Gt):
うっちーがまだ働いている頃、僕が軽い感じで「うっちー、ベースやらない?」って電話をかけたんだよね。内田匡俊(Ba.):
そこでバンドの道をまた意識し始めたんです。2017年のフルアルバム『発見と疑問』のリリースよりも少し前のことだったかな...。ーそもそもHalf time Old のことはサポートする前から知っていたんですか?
阪西暢(Dr) :
うっちーは僕の大学時代の後輩なんですよ。内田匡俊(Ba.):
なのでHalf time Oldのことはもともと知っていましたし、これまでの作品ももちろん聴いていました。電話をもらった頃は以前サポートしていた時よりも音楽的に成長していて前進していると感じていたし、やっぱりこのバンドは僕には無い要素を持っていたし、このバンドと一緒に活動したいなぁと思い始めたんです。ーなるほど。内田さんが正式加入して、結成当初の4ピースのスタイルが戻ってきましたが心境はいかがですか。
鬼頭大晴(Vo.&Gt):
前々作、前作のリリースの時も「勝負の年」とは言っていたのですが、今作も同じ気持ちです。4年前から3人でやってきましたが、やっと3人でもなんとかやっていける状態になった時にうっちーが加入してくれた。辛かったことや苦労したこともたくさんあったけど、最初の頃のような4ピースっていう形でやっていけるので、ますます気合いは入ってます。小鹿雄一朗(Gt):
3人でやってきたことが徐々に形になって、個人個人が成長できているところに、うっちーが加入してくれたので、さらにバンドとして良くなっていくと思いますね。ーでは、内田さんの意気込みも聞かせてください。
内田匡俊(Ba.):
ベースが欠けている3人っていう状況が続く中で、誰かから認めてもらえない時期も長いんですよねこのバンドは。最近は少しずつお客さんも増えてきているけど、ここからもまだまだ頑張らないといけないので、そのために僕はもっと学んでいかないといけないなと思っています。未熟な部分が多いけれど、自分なりにできることをどんどん増やしていって、よりバンドが進化できるような舵の1つになりたいです。TAG;
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