中国のHyper Slashが魅せる“オタクコア”とは?勃興する中国ロックシーン、そしてジャパニーズカルチャーとの強いシンパシー

Column
近年世界的な注目を集める中国のヒップホップシーンの傍ら、まだ日本には届いてはいないものの面白い存在が続々と登場してきているのが中国のロックシーンだ。今回は、その一角となるバンド・Hyper Slashを紹介。日本のポップカルチャー、ラウドロックに影響を受けた彼らのルーツや先行きを、音楽ジャーナリスト・柴那典が探る。

いま、中国のロックシーンが新たな盛り上がりを見せつつある。ユニークな発想と巧みな技術を持った新世代のバンドたちが台頭しつつある。

〈88rising〉が紹介し世界的な成功を収めた成都出身のグループHigher Brothersの躍進もあり、近年、中国のヒップホップシーンは注目を集めている。比べて中国のロックシーンに関しての情報はまだ日本にはほとんど届いてはいないが、面白い存在がどんどん世に登場してきているのである。

その一角が、2016年に広州で結成されたオルタナティブ・ロック・バンド、Hyper Slash。メンバーは、SOON(ボーカル)、FOLDER(ギター)、KOOL(ベース)、Jason.Z(ドラム)の4人。日本のポップカルチャー、ラウドロックやハードコアシーンから影響を受け、自らの音楽性を「オタクコア」と標榜するバンドである。

これまで『ALL-OUT ATTACK』と『STAR ARENA』の2枚のアルバムをリリースしている彼らは、4月15日に新曲「航海士物語」を配信リリース。4月30日には、昨年に開催された「STAR ARENAツアー」北京公演の模様もYouTubeでプレミア公開される。

今、中国全土でめきめきとファンを増やし、国外でのブレイクも視野に入れるHyper Slash。彼らはどのように頭角を現したのか?バンドの成り立ちから奇想天外なサウンドセンスの由来、その先行きを紹介したい。

次ページ:日本のパンク/ハードコアシーン、ポップカルチャーからの影響

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