世界中を飛び回るCHAIが最新作で示す“SELF LOVE”ーー思ってるよりもずっと、わたしの世界は広い

Interview

文: 山田邦子  写:遥南 碧  編:riko ito 

2023年10月より、毎月テーマを設けてインタビューやコラム、プレイリストを掲載していく特集企画がDIGLE MAGAZINEでスタート。記念すべき初回の特集テーマは“SELF LOVE”。「ありのままの自分を認め、愛してあげること」という意味の概念“SELF LOVE”を体現しているCHAIをカバーアーティストに。彼女たちが発信するメッセージや自分のことを認めてあげる方法、最新アルバムに込めた想いなどを紐解いていく。

自分たちのコンプレックスを肯定する言葉“NEOかわいい”を活動当初から掲げ、その言葉を音楽に乗せて世界中に届けているニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI

メンバーとの出会いがコンプレックスを認められるきっかけとなり、自分たちも“NEOかわいい”という言葉に救われてきたのだそうだ。CHAIの音楽や言葉が現実味を持って世界中の人に強く刺さるのは、彼女たち自身が“NEOかわいい”という言葉の力を信じ、お互いを受け入れてきたからなのだろう。

そんなCHAIが、2023年9月22日にアルバム『CHAI』を世界同時リリースした。今作は、2022年に行った海外ツアー中に制作とレコーディングを実施。これまで提示してきたメッセージや、世界中を飛び回るなかで体感してきたものを詰め込んだ、4人にしか生み出せない音楽“CHAI POP”を堂々と提示したアルバムとなっている。

また本作のジャケットでは、“CHAI自身がCHAIの一番のファン”である姿を表現している。そんなふうに自分たちに愛情を注ぐということを実践し続けるCHAIに、“SELF LOVE”をテーマにしたインタビューを敢行。セルフタイトルのアルバム『CHAI』に込めた思いはもちろん、自分たちの好きな楽曲や、自己肯定感を保つために普段から意識していることなどを伺った。

気づくと自己肯定感が爆上がりーーCHAIが好きなCHAIの曲

ー今回の特集のテーマは“SELF LOVE”。まず、自分たちのバンドや曲の好きなところを教えてください。

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マナ(Vo. / Key.):

私は“NEOかわいい”っていう言葉にまず自分自身が助けられたもんで、それが一番好きだな~!
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カナ(Vo. / Gt.):

音楽を通して“NEOかわいい”って言葉を伝えているアーティストは私たちだけだと思うから、それにすごく誇りを持ってるし、自信がある。で、私も助けられてきた。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

私も同じかな。みんなで一緒に楽しめるライブだったり、それぞれの人生での1曲だったりをみんなでシェアできているのがすごく嬉しいし、誇りに思う。
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ユナ(Dr. / Cho.):

私自身がまずメンバー3人にすごく勇気をもらっていて。自分のコンプレックスは個性だと思えるようになってるし、それを元に歌詞や自分たちの想いを海外の人も含めてシェアできてることがすごく嬉しい。で、日本人のアイデンティティを持っていろんなところで自分達の音楽を届けられる今があることを、本当に誇りに思ってる。

ー自分たちの楽曲で、聴くと自己肯定感が上がるのはどの曲ですか?

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ユナ(Dr. / Cho.):

「フューチャー」です。ユウキが歌詞を書いてくれたんだけど、《わたしの世界は広い》っていうフレーズがあって。大変なことがあると視野が狭くなっちゃうことが私自身もあるんだけど、こんなにも世界は広いんだって勇気をもらえるから、その歌詞にすごく助けられてる。プレイしててもちょっとグッときて、涙が出そうになるんだよね。
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カナ(Vo. / Gt.):

「しょっぱい」って曲があって、世界中でコロナ禍が始まったときぐらいに、家で録ったんだよね。私は家がすごく好きなんだけど、家にいるときの安心できる心地よさをあの曲からめちゃくちゃ感じるし、この曲のおかげで、曲の作り方とか音楽に対する向き合い方がちょっと変わった気がしてて。自己肯定感が上がるというよりかは、聴くとほっとする感じかな。

ー自分を認めてあげられる、みたいな?

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カナ(Vo. / Gt.):

そう。あなたはいつもリラックスしてるし、あなたはいつも落ち着いている、あなたはあなたのままでいいんだよって。そういう歌詞じゃないんだけどね(笑)。幸せのため息をつける、私の節目の曲です。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

私は歌詞をほぼ書いているから、書けば書くほど自分で昇華してしまうというか…。コンプレックスも、「こっちから見たら面白いんだよ」「こっちから見たらただの個性じゃん」みたいな。そういうふうに、書けば書くほど「やっぱみんな最高なんじゃん?」「私も最高だった!」って思えるから、1曲選ぶのは難しいなあ(笑)。全部です。書いてきた過程全部。だから全部聴いてほしい。気づいたときには自己肯定感が爆上がりだと思います。
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マナ(Vo. / Key.):

めっちゃ選べんのだけど、「PARA PARA」と「かわいいひと」と「I Can’t Organizeeee」と「しょっぱい」と「sayonara complex」(笑)。
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カナ(Vo. / Gt.):

すごい出てくるやん(笑)。
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マナ(Vo. / Key.):

最新アルバムを出すのもあって、最近は「PARA PARA」をいろんな日々の始まりに聴くんだよね。そうすると、何かが始まるようなワクワクを感じるし、めっちゃパワーもらえる。歌詞的には「2ステップさえあれば乗り越えられるぐらい、あなたの悩みって思ってるよりシンプルなことなんだよ」みたいな感じで特に意味はないんだけど、すっごいワクワクするんだよね。

「I Can’t Organizeeee」は“私は片付けができない”っていう曲なんだけど、何かができないっていう言葉を聞くだけでめっちゃ安心すんの。「できんかったわ、私(も)」みたいな。それがあるだけで生きられるというか。

ーその感覚、めちゃくちゃわかります。

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マナ(Vo. / Key.):

あと、「かわいいひと」もすごい好き。自分が思う可愛い人をただただ歌っただけなんだけど、その“可愛い”にも流行りとか廃りがあって。だからこそ“NEOかわいい”っていう言葉が生まれたって考えると、初心に戻れる曲なんだよね。だからたまに寝る前に聴く。そうすると「あ、そうだったな。こう思ってたな。今も同じだな」って思う。

ー「sayonara complex」は、ライブでもすごく重要な曲ですが、元々は自己肯定感とかセルフラブの観点から作ったものではないんですか?

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マナ(Vo. / Key.):

あれは、自分たちのなかにあるコンプレックスを歌った曲。でもそれにサヨナラしたいっていうより、「受け入れて、その上に行きたいよね」みたいな気持ちで最近はライブでも歌うんだよね。「みんなにもコンプレックスあるよね」って。「今日、目、小っちゃいな」「鼻、歪んでるな」とか、そういうことを歌った曲だから、やってて自分も泣けるんだよね。自分のことを歌ってるし。その日によって、《かわいいだけの私じゃつまらない》の気持ちが全然違うんだよね。
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カナ(Vo. / Gt.):

演奏するたびにグルーヴが違えば気持ちも違うから、全然感覚が違うもんね。歌に乗せたらまた全然違うし。

CHAIがあるから自分を受け入れられるーーSELF LOVEを実践するために

ーでは、自己肯定感を高めるために普段から意識していることを教えてください。

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マナ(Vo. / Key.):

私は、できないことを「できない」っていう。意外とこれって難しくて、できやんのよね。でも、できんことはできんっていう。だってできんもん。しゃーない。
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ユナ(Dr. / Cho.):

私もすごい近くて、自分がちゃんとできるキャパシティのなかで自分と向き合って、「今そこやると多分崩壊するよね」って思ったら、自分が幸せでいれるそのエリアを守る意味で「ここからそこはできないんだ、ごめん」って言うようにしてる。

あとは、食べることがすごく好き(笑)。最近の自分のエネルギーは、とあるお店のヤンニョムチキン。それを食べるとかショッピングに行くとか、自分がワクワクすることをやるっていうのはありますね。
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マナ(Vo. / Key.):

ユナに美味しいお店めっちゃ教えてもらう。三軒茶屋のパン屋さんとか(笑)。本当によう知っとる。
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ユナ(Dr. / Cho.):

そういうのを研究するのが幸せ(笑)。

ーカナさんは?

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カナ(Vo. / Gt.):

“頑張らないことを頑張る”。
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マナ(Vo. / Key.):

めっちゃわかる~、大事。
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カナ(Vo. / Gt.):

マナとユナと似てると思う。頑張ろうって思うと、肩にすごく力が入って過緊張状態になっちゃうんだよね。だから、頑張らないことを頑張るようにした。私、ヨガをよくやるんですけど、それも、頑張らないようにしたら割と力が抜けやすくて。頑張りすぎちゃうと肉離れしちゃったりするから、“頑張らない”を頑張ったら気楽にできるんだっていうことを、最近学んでます。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

私は興味の幅が広くて、やったことないことは全部やりたいタイプ。まずやってみて、それから好きなのか嫌いなのか、本当に自分に合うのか合わないのかを考えたい。やってないのに批判したくないから、まず全範囲に手を出す。で、苦手なことができるようになったり、もっと得意な人がいたらその人とチームを組んだり。そうやって人とたくさんつながって、私の範囲を作っていくっていうか。自己肯定感も上がるし、自分のキャパをどんどん超えていくから想像以上の出会いもあるし、思ってた自分と違う自分を知れる。一番自分にワクワクするし、新しい自分になるスピードが早いなって思います。

ー4人とも、自分の芯がすごくしっかりしている印象です。そんなふうに自分を受け入れて、認めていこうというマインドになったきっかけは何かありましたか?

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マナ(Vo. / Key.):

自分の全てを受け入れることなんてできんと思うから、ただ受け入れるっていうよりかは、それらを見ている感じ。受け入れられているとしたら、それはCHAIがあるから。CHAIのマナとして生きる道を自分で選んでここに立てていることが、そうなれたきっかけかもしれん。でも私は受け入れないことも正直素晴らしいと思っているから、それも忘れんように保っているかな。
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カナ(Vo. / Gt.):

多分メンバーのおかげですね。あと、音楽のおかげ。このメンバーに出会ってなかったら、ここまで成長できなかったと思うし、CHAIとしての自分も確立できていなかったと思う。コンプレックスを受け入れて、ちゃんと自分のものにしようと思えたのはメンバーのおかげ。メンバーがいなかったら、そんなふうに思えなかったなって思う。

ー今の世の中では、見た目とかすごく怖い判断で世の中が進むところがあるじゃないですか。そんななかで自分を肯定する気持ちが保てなくなったとき、みなさんはどう対処していますか?

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ユウキ(Ba. / Cho.):

その人の物差しを自分に向けられると窮屈に感じることが多いと思うんだけど、私はその人を変えようとするよりも、自分が変わるほうがいいって思うタイプ。「普通こうでしょ」っていうのは全部その人の物差しであって。だったら自分はその場から離れるとか、環境や他人のせいにしないで自分を先に変えたらいいって思ってる。

そしたらその人が後から変わったり、環境が後から変わったりするんだって気づいて。まず自分の行動を変えたら自分が一番楽だし、自分が動いたことで結果がついてきたら自分の成果っていう自己肯定感にもなる。だから、不条理を感じるんだったら自分を変えるのが一番早くて簡単でいいって最近は思ってる。
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ユナ(Dr. / Cho.):

人に何か言われたら、「フューチャー」の歌詞じゃないけど、「私の世界は広いんだ」って思うかな。いろんな人の意見とかいろんなコミュニティがあるなかで、「そういう人もいるんだな」って思うことでより自分を確立していけば、「私はそういうタイプは好きだな、苦手だな」とかっていうのがわかってくるよね。

セルフタイトルのアルバムで生み出した“CHAI POP”

ーアルバム『CHAI』についても聞いていきたいと思うんですけど、ついにセルフタイトルがきましたね!

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マナ(Vo. / Key.):

アルバムの曲を作っていくうえで、ポップスを作りたいっていうのが明確にわかって。ただ、普通のポップスじゃつまんない。今までもポップスっていうのは目指してきたんだけど、自分達オリジナルのポップスってすごく難しくて。でも今回アルバムができあがったときに「あ、これめっちゃオリジナリティ溢れるポップができた。セルフタイトルしかない。“CHAI POP”や!」と思いました。

あと、裏テーマは“ジャンルレス”。全てにジャンルがない。私たちは常にジャンルを聞かれたら「CHAIです」って答えてきたんだけど、それが今回完璧にしっくりきたから。自信持って言える。100%CHAIです。CHAI POP!

ー今回は海外ツアーをしながらレコーディングしてきたそうですね。かなり忙しかったんじゃないかと思いますが。

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マナ(Vo. / Key.):

本当にツアー中に作っとったもんで、ホテルで曲作ってたし、レコーディング期間も1週間くらい設けて。メロディも曲も歌詞も、合間合間で全部作ってきた。だからこそできたんだよね、このアルバム。ツアーって、楽しいだけじゃないのがいいことだったりする。フラストレーションもすごく溜まるし、ライブやって反省もする。でも次の日お客さんが待ってると思うと自然とキャリーケースに荷物を詰め込むような、そんな日々。

ーそういった環境で制作をすると、日本で作るものとは違うアウトプットになるなという実感もありますか?

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マナ(Vo. / Key.):

そのなかでできるものってナチュラルに体から出てくるものだったり、海外にいるからこそ日本人のよさにも気付けたりするんだよね。「MATCHA」っていうタイトルの曲があったり、ふぁって「KARAOKE」とか「PARA PARA」とかが出てきたのも、日本人の良さを改めて感じることができたからなんだよね。

“NEOかわいい”っていう言葉も、「Are You Ready? Neo KawaiiーーあんたたちNEOかわいいんだから、準備できてる?」って世界中で叫んできたからこそわかる感覚でもう一回言いたいと思った。だから、これはセルフタイトルしかねぇ!って。

ーサウンド面についてはどうですか?

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ユナ(Dr. / Cho.):

日本と海外では音のノリが全然違う。日本は湿気が多いけどLAはすごくカラッとしてたり、だけどメキシコはちょっとウェットかなとか。気候的なものとかスタジオのロケーションによっても出る音が全然違うんです。大前提としてツアー中に録っているので、現地の景色とか、ツアーで体感したことを経てアウトされていく音たちだし。いろんな要素でできているから、体感としてはこのアルバムでしか出せなかった音たちだよね、って思ってる。面白いね~。学び~みたいな。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

セルフタイトルにしてはいるけど、完全に4人では作ってないのが面白いよね。“CHAI”っていうものを中心においた上で、海外で出会ってきた人たちだったり、CHAIに興味を持ってくれた人たちだったり、世界中の大きな輪のなかで『CHAI』っていうアルバムを作った感覚。

それがすごい面白いし、今までの経験が全部生きたのかなって思ってる。そういう意味で濃厚なアルバムができあがったし、誰にも真似できない、この10年くらいの経験がギュッと詰まっているからこその“CHAI POP”になった。メッセージも、重ねてきたものの最頂点な感じだから、全部含めて面白いしぜひ聴いてほしいです。

ーカナさん、レコーディングは楽しめました?

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カナ(Vo. / Gt.):

楽しいばかりじゃないですね。ツアー中に作るのって本当に大変で、マジで超忙しかったし。マナもさっき言ってたけど、フラストレーションでできた曲もいっぱいある。どうやったらポップになるんだろう、サウンドやメロディはどうやったら歌いやすいんだろう、どうやったらニューウェイヴ混ぜられるかなとか、いろんなことを考えて作ったからこそ、すごくいい曲たちができたなって思う。でも今までで一番大変で、本当に息が詰まりそうだった(笑)。
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マナ(Vo. / Key.):

「GAME」の《ウー ホッ!》とかフラストレーションの塊やで、あれ。だからこそおもろくなるんだよね。私、この曲本当に好き。私のなかで一番ポップ。CHAI POP。

ーじゃあほかの3人もどんな切り口でもいいので収録曲をレコメンドしてもらえますか

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カナ(Vo. / Gt.):

レコーディングで面白かったのは「I Can’t Organizeeee」。最後にユナと私でセッションみたいなことをやったら、曲の展開が東京事変みたいな終わり方になって(笑)。セッションとアレンジが、今までにない形で仕上がって面白かった。
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ユナ(Dr. / Cho.):

レコーディングで刺激的だったのは私も「I Can’t Organizeeee」。セッション感で作っていった曲は久しぶりだったし、今回のアルバムではこの曲だけだったから。それと「PARA PARA」も大好き。あの世代感の曲にCHAIらしさが合わさると現代的な感じになったし、ノスタルジックなのにすごくキラキラしていて。CHAIにしか出せないサウンドになったなって思った。

あとは「KARAOKE」。この曲では私はドラム叩いてないんだけど、そのおかげですごく刺激をもらって。CHAIはここまで魅せてくれるんだっていう、メンバーでありながらメンバーじゃないみたいな世界線に立っちゃうくらい、ドラマーとしてもすごく刺激をもらった曲です。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

私は「Driving22」。まさにツアーのドライブの最中に書いた曲なんだよね。それこそツアーの大変なところとか、海外のツアーだからこそ起こること。あとはツアーのクルーたちの気持ちだったり、久々に海外に行ってみて感じたクルーやお客さんのありがたさとか、そういうことも歌詞に込めたりして。ツアーに対する気持ちを書いた曲を、ツアー中に作れたっていう思い入れもある。

あと「NEO KAWAII, K?」は、“NEOかわいい”っていう言葉をテーマにしたらすごいスラスラ書けたんだよね。ずっと言ってきたメッセージを改めて曲にできたし、過程も含めて面白かったから思い入れがあります。

ーアルバムのジャケットもかなりインパクトがありますね。

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マナ(Vo. / Key.):

あれは、CHAIがCHAIの一番のファン。CHAIが大きいステージでやる姿をCHAIが一番応援しているっていう。
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ユウキ(Ba. / Cho.):

推し活です。セルフ推し活。私がディレクションしたんですけど、セルフタイトルだから、ビジュアルも絶対気合いを入れたい!っていうのがあってみんなでいろんなパターンを考えて。最終的にあれになってすごいよかったなって思う。セルフラブってこういうことだよねって感じ。

世界を狭めているのは自分だし、その枠を外せるのも自分

ー受け取り方はそれぞれだと思いますが、こういうところがリスナーのみなさんに伝わればいいなっていうメッセージはありますか。

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ユウキ(Ba. / Cho.):

CHAIもだし、あなたも、みんなもそうだけど、地球のなかで生きているっていうことに気づいてほしい。日本のなかでとか、この社会の、この学校のなかでって考えに囚われて世界を狭めているのは自分だよって。CHAIは世界をベースに活動するぞって思ってたら本当にできてきたし、協力してくれる人もいっぱい集まってきた。

そうやって自分じゃできないことをできる人が集まってきたり、それぞれのできることをちょっとずつ持ち寄ったりできてるのが今のCHAIだし、このアルバムも、それを引っ提げて行うツアーもそう。全部そうやってできているから、世界を狭めているのは自分だって気づけば、その枠を外せるのも自分だってこともすぐわかると思うんだよね。だから、それに気づいてほしいなって思います!

ーすみません、泣きそうになりました。

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ユウキ(Ba. / Cho.):

刺さった(笑)。
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ユナ(Dr. / Cho.):

CHAIはある意味、生バンドにこだわっていないフレキシブルなバンドだし、音源にもいろんなジャンルの曲がたくさん詰まってるんだよね。だから、「なんでもやりたいことに全部ちょっとずつ手を出してもいいんだ」、「ミュージシャンっていう型にとらわれてない人たちがいるんだ」って気づいてもらえたらいいよね。無意識に自分の思考を狭めちゃってるものがあれば、CHAIの音楽を聴いたりライブでの姿を見たりして、やりたいことをもっとフレキシブルにやってもらえたらいいなと思う。そういう姿を届けたいし、音楽でも受け取ってもらえたら嬉しい。

ーでは改めて「今回はどんなアルバムになりましたか」っていう大きな質問がきたら、バンドとしてどう答えますか。

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マナ(Vo. / Key.):

“CHAIの正解”。出た、正解。
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カナ(Vo. / Gt.):

CHAI史上最強のポップアルバムかな、って思います。

ー2023年9月末より北米/ヨーロッパツアーも始まりますね。

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マナ(Vo. / Key.):

今回は今までで一番、ライブというものを0から1にするという段階をやってるから、音源とライブの違いだったり、CHAIはライブが本当にいいんだっていうことをより伝えられるんじゃないかなって思います。
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カナ(Vo. / Gt.):

今回は、私たちが最初にライブをした感覚とか、すごい昔に持ってた「誰とも似たくない」っていうヘンテコな感覚をもう一回ライブで表現できるかなって思ってる。言葉で言うのは難しいんだけど、演技じゃなく昔の私たちの考え方と(今の考え方を)混ぜ合わせた表現の仕方ができるかなって感じてて、自分達的にもすごくワクワクしてる。表現の幅が結構広いと思う。

ー海外のライブの現場って、想像の何倍ものエネルギーが生まれそうな気がします。

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ユウキ(Ba. / Cho.):

その分、ハプニングはつきものだよね。いくらやり慣れてても、新鮮なハプニングがその都度起こるから。でもそれに動じない気持ちとかは、みんなそれぞれが身につけられてきてるのかなって思う。
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ユナ(Dr. / Cho.):

お客さんもね、CHAIの曲聴いてチュッチュしてたりとか、すごい高まってスマホのライトでうわーってやってくれたりとか、日本ではなかなか見ないような景色が海外のライブでは広がってる。やっぱり音楽っていいなって思わされるし、いつも刺激を受けるかな。

ー日本でのライブも楽しみにしていますね。

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マナ(Vo. / Key.):

来年、日本に帰ってきます。日本は絶対最後にやりたいと思ってるから、待っててほしい。だって日本人だもん。

ーでは最後に、バンドとしての目標や夢などを聞かせてください。

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マナ(Vo. / Key.):

CHAIとして一番の目標で当初から掲げているのは、“かわいい”の価値観を変えることと、グラミー賞をとること。ここは変わりなく!です。

RELEASE INFORMATION

4th Album『CHAI』

2023年9月22日世界同時リリース
Sony Music Labels(日本・アジア)/Sub Pop Records(欧米・豪州ほか)

1. MATCHA
2. From 1992
3. PARA PARA
4. GAME
5. We The Female!
6. NEO KAWAII, K?
7. I Can’t Organizeeee
8. Driving22
9. LIKE, I NEED
10. KARAOKE

▼各種URL
https://chaiband.lnk.to/CHAIALJP

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CHAI(チャイ)

メンバー左から、ユウキ(Ba. / Cho.)、カナ(Vo. / Gt.)、マナ(Vo. / Key.)、ユナ(Dr. / Cho.)。ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組の「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」。

2017年にリリースした1stアルバム『PINK』が各チャートを席捲。音楽業界のみならずさまざまな著名人からも支持を受け、その存在を確立した。2018年にはアメリカ、イギリスのインディレーベルから海外デビューも果たし、自身のワールドツアーや世界各国のフェスへの出演も精力的に行っている。

また、2019年リリースの2ndアルバム『PUNK』は、世界中の音楽サイトで高評価を獲得。2020年はコロナ禍で活動が制限されるなか、6作のシングルをリリースし、10月にはUSインディーレーベル〈Subpop〉との契約を発表した。

さらに、2021年5月には3rdアルバム『WINK』をリリースし、世界中のメディアから日本を代表するバンドとして称される。2023年9月〜11月にかけて北米&メキシコ・ツアーと4年ぶりのヨーロッパ・UKツアーを開催予定。
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