タイの3人組ポップバンド・Tilly Birds。2011年に結成した彼らは「Just Being Friendly」(2021年)や「Same Page?」(2020年)などのヒット曲によりタイの音楽シーンで注目度を高め、国内外の大型フェスにも出演するなど確かな地位を築きつつある。
これまではタイ語の歌詞の楽曲が多かった彼らだが、10月1日にリリースされた最新シングル「Retro-39」は全編英詞で綴られており、世界中へと活動の規模を広げていこうという意欲が感じられる楽曲となっている。また、今年は日本で初のライブを開催したほか、日本のアーティストとのコラボレーションも楽しみなアーティストだ。
今回はメンバーの3人に、フリーランスの音楽エージェントとしても活動しているライター/ジャーナリストの竹田ダニエルがインタビュー。最新シングル「Retro-39」についてはもちろん、タイの音楽シーンや日本への想いについても語ってもらった。
ー新曲「Retro-39」のリリース、おめでとうございます! 日本のファンの間でも、MVが話題になっていて最高ですね。新曲リリースのニュースなどにもSNSで反応してくれていて、Tilly Birdsがとても愛されていることを実感します。このインタビューでは来年リリース予定の新しいアルバム、そしてタイの音楽シーンなどについて教えてもらいたいです。新アルバムに向けて、ファンはどんなものを期待できますか?
Third(Vo.):
アルバムや曲をリリースするたびに、ファンから「何を期待していいかわからない」と言われることが多いんです。その予測不可能さこそが、僕ららしさなんですよね。リリースされてからの驚きも、楽しみの一部っていう。ーアルバムには特定のテーマがあるのでしょうか、それともレコーディング中の流れに任せていった感じですか?
Billy(Gt.):
テーマは元々あったけど、徐々に発展していったものでもあります。「Retro-39」を作る頃にはアルバムのテーマも固まっていて、それに合わせて曲を書きました。すでにリリースされているシングル「White Pills」と「Retro-39」の2曲を比較するだけでも、随分サウンドが違うのがわかりますよね。アルバム全体でも…そういった楽曲の多彩さに期待できると思います。ー「Retro-39」の制作の発端は何でしたか?
Billy(Gt.):
実はアルバムに入れるために作っていた軽めの曲がもう1曲あったのですが、それがカットされてしまって。それで、その穴を埋めるために新しくこの曲を作ることになりました。ー新しいリスナーを引き込むことを期待していますか?
Billy(Gt.):
もちろんです。新曲を出すたびにそう願っていますが、この曲では特にそうですね。ー私が去年12月、タイの<Big Mountain Music Festival>に行ったときも感じたのですが、タイの音楽シーンはとても活気がありますよね。特に若者のエネルギーがすごいのと、面白いポップミュージックがたくさんある。日本でもタイ音楽には強いファンベースがありますが、今のタイの音楽シーンについてどう感じていますか?
Billy(Gt.):
ここ4年だけを切り取っても、タイの音楽シーンは大幅に変化しました。特にコロナウィルスのパンデミック以降、インディ音楽やポップミュージックを代表するような新しいアーティストも増えたし、ヒップホップ、R&Bの人気もどんどん増した。T-POP、特にボーイズグループやガールズグループの台頭も重要です。コロナ以降、定番バンド以外にも新しいバンドがどんどんシーンの中で台頭してきて、シーン全体を変えた。ータイ以外での展開はどう考えていますか? 具体的な目標などがあれば聞きたいです。
Billy(Gt.):
もちろん目標はあります。タイで初めてブレイクしたときのように、新しいオーディエンスにリーチし続けたいと思っていて。あの「出会い」や「発見」の瞬間を、まったく新しい市場でも再現したいんです。よりグローバルな規模でのツアーを行うことも、その一部です。今言ったら背伸びしすぎみたいな大きな目標もたくさんあるけど、一歩一歩進めています。どこのスタジアムで演奏したいとか、どのフェスに出演したいかとか、具体的な目標もある(笑)。ー具体的かつ規模が大きな目標があることは、とても大事なことですよね。音楽業界で働いている当事者としても思うけど、音楽業界は常に速いペースで動いているから、アーティストがモチベーションを保ち続けるのは大変。グローバルな成功といえば、台湾の落日飛車 / Sunset Rollercoasterを連想します。彼らは<コーチェラ>にも出演したし、アジアのバンドが世界で成功するのはかなり刺激的です。
次に、みなさんの日本との繋がりについてお聞きしたいと思います。日本のファンも本当に熱狂的ですよね。日本でのライブや滞在の経験はどんな感じでしたか?
Third(Vo.):
今年の<タイフェスティバル東京 2024>や単独公演で日本に行ったのですが、どちらも素晴らしい経験でした。ツアーで訪れた国の中でも、最高の観客だったと思う。僕らのことを本当に楽しみにしてくれていて、会えたことに喜んでくれて。歌詞の意味をわからなくても一緒に歌ってくれるファンもいて。精神的にとても繋がれたと思うし、あんなに温かく日本のファンに迎え入れてもらえたことは、とてもハートウォーミングでした。Billy(Gt.):
Miloは日本と深い繋がりがあるんだよね?Milo(Dr.):
そうなんです。僕の父は仕事で日本とタイを行き来していたので、小さい頃から日本の文化に囲まれて育ちました。ゲームやお菓子、音楽、アニメなど、全部日本のものでしたね。X JAPANみたいなJ-ROCKバンドを聴いて育ったし、ドラムを始めたのもYOSHIKIさんの影響です。日本語を話すのは得意じゃないけど、日本の文化はずっと僕の生活の一部でした。日本で演奏するのは、まさにその文化との繋がりが結実した瞬間のような感じでした。ー素敵すぎるエピソード! そして安心してください、日本のファンは、たとえ少しでも日本語を使ってくれること自体にとても感謝すると思いますよ! 日本のアーティストとのコラボレーションは考えていますか?
Billy(Gt.):
はい、アジア各国のアーティストとのコラボをたくさんフィーチャーしたEPを作りたいと思っていて、いろいろなアーティストに声をかけています。日本のアーティストでいうと、SIRUPやAile The Shotaは合うと思うし、すごく楽しみです。このインタビューを読んだ日本のファンには結構なネタバレかな(笑)。ー最高すぎる! 私も、アジア全体でのコラボレーションこそがアジアの音楽シーンにとって明るい未来になると思っています。新しい音楽が生まれる、とても大きな可能性がありますよね。
RELEASE INFORMATION
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Tilly Birds New Single「Retro-39」
2024年10月1日(火)リリース
Label:GMM Music Public Company Ltd.▼Spotify
https://open.spotify.com/intl-ja/track/0dlObt3L90XxFk93xFFAEZ?si=8fa96ae3f21644a1▼Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/retro-39/1766545357?i=1766545358
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