jizueがリスペクトする音楽を集めたプレイリストを公開。影響を受けた楽曲から、3人の音楽観を紐解く|Bitfan Crossing #09

Interview
DIGLE MAGAZINEとオールインワン型ファンメディア『Bitfan』が送る、“アーティスト活動”にフォーカスしたインタビュー企画。アーティスト選曲のプレイリストと共に、これまでの道のりやファンとの関係について掘り下げます。今回は京都のインストバンドjizueが登場。

京都発のインストバンド・jizue。彼らの音楽は美しく、技術に優れ、そして何より情熱的だ。絵本の世界に招かれたようなストーリーを感じる旋律、演者のエモーショナルな思いが乗り移ったような音色、テクニカルなプレイで興奮を生み出すアンサンブル。この音楽は言葉よりも雄弁に語りかけてくる。

「jizueを形成する音楽」というテーマでプレイリストを作ってもらい、彼らがリスペクトする音楽について語ってもらった。Pat Methenyの流麗なジャズもあれば、Sigur Rósの壮大なサウンドスケープもある。エキゾチックな音階をスキルフルなプレイで聴かせるTigran Hamasyanや、芯に迫る熱量で歌うBRAHMANなど、いずれも彼らを音楽を形成する重要なピースだろう。プレイリストを写し鏡に、jizueの音楽性が多角的に浮かび上がってくるのを感じるはずだ。

12月にはアルバム『Garden』のリリースや、京都市交響楽団を迎えたオーケストラ公演を控えるjizue。活動15周年を迎え、ますますその音楽に磨きをかけているメンバーたちに、ZOOMを繋いで話を聞いた。

jizueが一番影響を受けた音楽

ー「jizueを形成する音楽」というテーマでプレイリストを作っていただきました。ご自身がセレクトした楽曲に対して、どんな印象を持っていますか。

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井上 典政:

どの楽曲もテクニカルなことをしていても、どこか耳に残るメロディやリズムがありますね。改めてメロディが綺麗よなあと感じますし、そこは凄く重視して聴いていると思います。

ー今のお話はそのままjizueの特徴にも置き換えられますね。

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井上 典政:

僕らも曲を作る時には凄く意識しています。やっぱり音楽である以上、難しいことをしてもメロディを伝えたいですし、心に響くようなところは残したいんですよね。

ー山田さんはどうですか?

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山田 剛:

僕は影響を受けた音楽を時系列で並べてみました。中学校の時に初めて洋楽を聴いて感動したのがOasisで、その後Incubusを知ってバンドサウンドを好きになったんですけど。jizueとして初めて希依ちゃんとスタジオ入った時に、お試しでやってみたのがChick Coreaの「Spain」だったりして、僕の思い出になっている曲ばかりです。
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片木 希依:

私も凄く影響を受けた音楽を順番に並べていっている感じです。大学の時に現代音楽を専攻していたんですけど、その時に高木正勝さんとかworld’s end girlfriendを知って、その後上原ひろみに出会い韻シストを聴くようになって。私の中で大事な出会いになった音楽ばかりです。山田くんや井上くんとは好きな音楽をシェアしているので、みんなが選んだ曲を足したら、いい感じにjizueの要素になるんじゃないかな。

ー最も影響を受けている曲をひとつ選ぶとしたら、どの曲になりますか?

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井上 典政:

僕はPat Methenyです。彼はジャズの中でも凄くギターで歌う人で、綺麗な曲だなと思います。技術ももちろんあるんですけど、楽曲の美しさやメロディラインにずっと惹かれています。見た目もダサすぎてカッコ良いというか(笑)、Tシャツにジーパンみたいな姿も渋くて好きですね。
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山田 剛:

Incubusの「Wish You Were Here」は、自分の転機になった曲のように思います。メロコアしか聴いてなかったような10代だったんですけど、20代前半の頃にこの曲を聴いて、バンドサウンドの壮大さを知ったというか。変拍子も多用するバンドなので、そういう点でも今の礎になっている気がします。

ー片木さんは?

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片木 希依:

上原ひろみさんだと思います。ずっとクラシックを勉強してきたんですけど、三つ上の兄がいて、AIR JAM世代のバンドやメロコアに凄く影響を受けていたんですよね。それで自分が好きなBRAHMANとかヒップホップ、ブラックミュージックに、ピアノが上手く結びつかない気持ちがあったんですけど、上原ひろみさんのバンドを聴いた時、こんなにピアノとしてエモーショナルなことができるんだと知りました。そうしたピアノの在り方もそうですし、当時はジャズのこともあんまり知らなかったので、割と全部が衝撃的で、次の日すぐにCD屋さんに行きました。
次ページ:ピアノに憧れるギタリスト

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2006年結成。
これまで7枚のフルアルバムを発表し、そのどれもがロングセラーを記録。ロックや、ハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンドで、地元京都を中心に人気を高め、『FUJI ROCK FESTIVAL』、『GREENROOM FESTIVAL』、『朝霧JAM』といった大型フェスにも出演。
国内に留まらず、カナダ、インドネシア、中国、台湾など、海外にも進出し、その圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。
2017年10月、ミニアルバム『grassroots』でビクターよりメジャー・デビュー。
2018年7月、6枚目のフルアルバム『ROOM』をリリース。
2019年7月、コンセプト・アルバム『gallery』をリリース。
2019年10月には京都市交響楽団サポートによる初のオーケストラ公演を開催。
2020年2月、オーケストラでのライブを収録した『jizue orchestra Live at Kyoto Concert Hall 2019.10.19』を配信&DVDでリリース。
2020年9月、7枚目のフルアルバム『Seeds』をリリース。
2021年バンド結成15周年を迎え12月1日(水)に8枚目のフルアルバム『Garden』をリリース。
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