kim taehoonが追求する“自分らしい音”。ボーダーを越える自然体の表現とは

early Reflection
ポニーキャニオンとDIGLE MAGAZINEが新世代アーティストを発掘・サポートするプロジェクト『early Reflection』。5組目のアーティスト「kim taehoon」が登場。

ナチュラルでいること、そしてクリエイティブを楽しむこと。kim taehoon(キム テフン)が奏でる飾らないポップは、リスナーにありのままの自分でいることの心地良さを投げかける。

ルーツは嵐と公言する、韓国出身、東京育ちのシンガー/トラックメイカー・kim taehoon。昨年は”kim taehoon っぽさの体現”をテーマに、隔月での配信リリースを続けてきた彼が、2021年初の音源「DRIP DRIP DRIP feat. Gokou Kuyt」をリリースする。ポップとトラップの融合を掲げ、初のフィーチャリング・ゲストを招いた1曲である。浮遊感のあるトラックとゆるいラップの掛け合いからは、ふたりのチャームを存分に感じるはずだ。

「敢えて違うものをくっつけていくアクションを起こしたい」というkim taehoon。ジャンルや国籍、既存のルールや先入観といった、無数に存在する“目には見えないボーダー”を越えていくことが、彼の音楽活動に通底するテーマなのかもしれない。「ナイスな心意気」をテーマに掲げ、2021年もマイペースに前進していく彼に話を聞いた。

“kim taehoonらしさ”の追求

ー嵐好きを公言されていますが、彼らの音楽のどこに惹かれていますか。

まずは世代が大きいと思います。ぼくは95年生まれなので、がデビューした年に生まれたんです。小学校の中学年くらいから聴き始めて『Time』辺りがドンピシャですね。

ー「Love So Sweet」の頃ですね。

彼らは主に自分達で音楽制作をしているわけではありませんが、楽曲提供という形でロックやポップ、ヒップホップなど、いろんなジャンルの音楽を嵐の曲として昇華してしまう。そうした嵐らしさに憧れがあります。ぼくもいろんな音楽が好きですし、様々なジャンルから影響を受けているので、そのバラつきを全部“kim taehoonらしさ”として表現していけたら面白いなって思います。

ーゆったりとしたラップやゆるい音色は、kimさんの表現に通底しているように思います。

ワードセンスやゆるさにぼくらしさがあるかなと思います。ぼくはあまりラップが上手じゃないんですけど、敢えてゆるいアプローチでラップをしたり、ふんわりとした声で変な言葉を繰り返したり、そうした表現は自分らしいなと感じます。

ー嵐が根っこにありつつ、ファンクやヒップホップ、もしくはハウスなど、様々な音楽からの影響を感じます。

ずっと王道のJ-POPを通ってきたんですけど、大学生の頃に路上でやっているジャズセッション・バンドに出会い、洋楽の魅力に引き込まれていきました。入り口はEarth, Wind & Fireの「September」で、そこからファンクやディスコのようなわかりやすいものを聴くようになりましたね。ぼくの楽曲に潜むファンクやR&B、ネオソウルの要素は、そういったところから出てきていると思います。ハウスに関しては友人のDJが回していたのをきっかけに知ったんですけど、初めて聴いた時になんて楽しい音楽なんだと思い、好きになりました。その体験から得たインスピレーションが楽曲に繋がっています。

ー影響を受けた楽曲を聴くと、音楽性に縛りはなくとも、どっちらかと言うとキャッチーで大衆的な存在に惹かれているのかなと思います。

そうですね、アイコニックなものが大好きです(笑)。J-POPでは嵐をルーツに挙げましたが、洋楽ではEarth, Wind & FireやJamiroquaiがぼくにとっての入口だったんですよね。Jamiroquaiはそれこそバッファロー・マンっていうアイコンが前に立っていたり、Earth, Wind & Fireはあの大人数のスタイルに惹きつけられるものがありますし、そうしたアイコニックなものに惹かれるのがぼくの性なんだと思います。

ー逆に言うと、ご自身もそういう存在になりたい?

もちろん。kim taehoonらしさの追求ってところも含めて、kim taehoonってこういう存在だよねっていうイメージを作り上げたい気持ちは大きいです。

ー学生の頃からいろんな音楽に触れてきていると思いますが、ご自身が音楽をのはいつ頃ですか?

3年ほど前、ぼくが22歳の頃です。それまでも弾き語りをしたり音楽は地味にやってきていたんですけど、内向的だったこともあり、自信はそんなになかったんですよね。でも、当時はクリエイティブなことをしている同世代の子達が周りに何人もいて、みんな実績のあるなしに関わらず、自分のやっていることが楽しくてしょうがないって感じやっていて。そうした環境にいる中、自分だけ卑下して続けているのは凄くダサいと思うようになって、改めて自分の音楽を見つめ直してみました。そうしたら“ぼくのつくってるものめちゃめちゃ良くね?”って思うことが結構あって。そこで自信と共に、本格的に音楽をやりたいって気持ちが出てきましたね。

ー嵐やEarth, Wind & Fireなど、グループで活動している音楽から影響を受けていますが、ご自身の活動はひとりでトラックを作りラップしていく創作がしっくりきていたんですか?

語弊を恐れずに言うと、友達がいなかったからです(笑)。

ーなるほど(笑)。

それで弾き語りをやっていたんですけど、いろんな音楽を表現したいと思うようになった時に今のスタイルに移りました。ぼくの活動のベースにあるのは自己実現で、ものを作るのが好きなんですよね。今のスタイルでは他の人から制約を受けず、自分の行動ひとつで曲が出来上がるのが魅力的ですし、自分の感性がそのまま楽曲に表れるのが楽しいです。あと、以前はルーパーを使ってライブをやっていたんですけど、それは好奇心と反骨心の強さ故かなと思っています。いろんな音楽が好きだからこそ、いろんな音を重ねたりすることへの探求が止まらず、最終的には一人の方が楽しいかも、と思ったんですよね。音源を垂れ流してちょろっと歌うだけだとつまんないと思っていたので、ぼくは自分でトラックを作って、ライブではルーパーを使って表現できるぞっていうオラオラしたモチベーションもありました。

次ページ:ゆるくてだらしない、飾らない表現

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この記事を作った人

WRITER

黒田 隆太朗

平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部。

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