SHōTA LōDIさんの思い出の1曲「John Mayer /Stop This Train」|Music Episode #005

Music Episode

文: ヨシヤアツキ  写:遥南 碧 

誰もが持っている思い出の一曲についてインタビューする『Music Episode』。5回目はポップシンガーソングライターとして活躍するSHōTA LōDIさん。彼の思い出の曲「John Mayer /Stop This Train」についてお話を伺いました。

永遠じゃない人間の儚さを前向きに捉えられた1曲

ー思い出の一曲を教えてください

John Mayerの「Stop This Train」です。

ーどんなエピソードがあるか教えてもらえますか?

この曲は終着駅に向かって走っている電車を死に向かって老いていく人間に例えて書かれた曲なんだ。
初めてこの曲を耳にしたとき、20回以上リピートして聴いたんだよ。心の奥深くまで何かが突き刺さった感じがしてね。自分が常に心の中で思っていた事を初めて誰かが「言葉」として書き出してくれたものがこの曲だったんだ。

“Stop this train. I wanna get off and go home again. I can’t take the speed it’s moving in. I know I can’t. but honestly, won’t someone stop this train”

“たのむ、電車を止めてくれ。降りてもう一度家に帰りたい。こんな速さで走っていくのは耐えられないね。僕には我慢ができないとわかっているんだ。本当にお願いだ、誰か列車を止めてくれないか”

僕は幼いころからずっと「親の死」について考えていて。自分が年を重ねるにつれ、親も同じく年を重ねていくよね。それを思うととても心が痛むんだ。親たちのスピリットは今でも若くても、肉体的にはだんだん弱っている。父親は鏡から自分の姿を見るのをとても嫌っているんだけど、きっと現実を見たくないんだろうね。父親の目の奥から「終わりが来てほしくない、もっとここに居たい」と願いが聞こえてくるような気がして。

ーこの曲のお陰で現実を受け入れられたのですね。

みんな必ず通ることであって、それは誰にも止められない。この曲は自分だけに当てはまるものではなく、誰にでも当てはまる曲だと思う。誰も自分の親が年老いていくのを本当は見たくないと思うんだよね。自分の親は実際はスーパーヒーローじゃなかったんだと気づいた瞬間は苦しかったけど、この曲が自分は1人ではないんだと思わせてくれるんだよ。自分が落ち込んだときや1人のような気がするときは必ず聴いている。悲しい曲ではあるけど、必ずこの「Stop this train」を聴くと前向きになれるんだ。

ーその気持ちが今の活動のエネルギーにもなってるのですね。

もちろんだよ。近々新しい曲を出すんだけど、凄いことになっているので、みんなに聞いてもらえるのが待ち遠しくてたまらないね。聴いてもらえたら今までの「SHōTA LōDI」が新しい進化を遂げたことが分かると思う。完全なる「rebirth」=生まれ変わるという意味なんだけど、みんながどう感じるか楽しみにしているよ。自分にとって「新しいサウンド」、「新しいページ」であり、「新しい始まり」なんだ。

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SHōTAの音楽は広義的に「アコースティック、ネオ・ソウル、ポップ」といったジャンルに分類され、彼の最も得意とするアコースティックをベースにヒップホップの要素を取り入れた非常に独創的なものになっている。

昨年10月にはシングル『So Good』をリリース。さらに続けてDJ/Producerである*Groovy workshop.とのコラボレーション”Party Girl feat. SHōTA LōDI” をリリースし、このタイトルは日本のiTunesストアのEPチャートで一位を記録。
また、SHōTA LōDI ”Time Was On Our Side” ft. The Golden Ponyというリミックスタイトルをオリジナルに先駆けてリリース。これがSpotifyノルウェーバイラルチャートトップ50で3位を記録し、台湾では9位に。さらにこの曲はThe Chainsmokersの公式サウンドクラウドページでも取り上げられるなど、海外でも確かな人気を博している。
今年3月には“Time Was On Our Side”のオリジナルバージョンをリリースし、確実にSHoTA LoDIの人気が上昇していることがうかがえる。

謙虚かつ誠意を持って音楽に臨むアーティストSHōTAにとって曲作りとは今までも、そしてこれからもずっと「未来に向かって翔び立つ」という彼の日本語の名が示す通りの活動である。
LAで知られるペッパーミントクラブで大盛況を収めたパフォーマンスを含む近年の彼の目覚ましい活躍、そして本年の下半期には最新シングル、新EPの発表なども控えていることから彼は2018年も多忙を極めるだろう。


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