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文: 久野麻衣 写:Yuya Eto
今年15回目の開催を迎えた<GREENROOM FESTIVAL>。その第1回目のヘッドライナーであり、これまで何度もこのフェスを盛り上げて来たのがTommy Guerreroだ。
今年は無料エリアにあるステージ「REDBRICK」に出演。スケート界のレジェンドであり、アーティストとしても唯一無二の存在である彼のプレイをひと目見ようと当日は多くの観客が集まった。
そんな彼にDIGLE MAGAZINE編集部は取材を敢行。パフォーマンス直後の彼に<GREENROOM FESTIVAL>や今回のジャパンツアー、最新作であるダブ・アルバムについて話を聞いた。
ー<GREENROOM FESTIVAL>第1回目のヘッドライナーだったことを覚えていますか?
もちろん覚えてるよ。まだ始まったばかりだったけど、開催されたスペースが一番印象的だったね。ライブをした場所はすごく面白いホールだったし、外観は波みたいな土手になっていて。僕たちはそれを見て、スケートボードがしたくなったよ。本当に面白いロケーションだった。あと、音楽と共にアートも加わっていたのはユニークだったね。
※第1回は横浜大さん橋ホールにて開催
ーこのフェスティバルも15周年を迎えましたが、これまで何度か出演しているあなたはその変化を見守ってきた存在ですよね。
とても大きな変化を見ることができたよ。最初は2000人ぐらいの規模が、今では7、8万人になっているからね。でもフェスが大きくなるにつれ、もちろんスポンサーも増えてくる。そうなると企業的になって若干クールじゃなくなるから、そこは気をつけないとね!
ー<GREENROOM FESTIVAL>はあなたにとってどんな存在ですか?
僕は何度もこのフェスに来てるけど、ステージに立てる度に本当に感謝してる。世界中のいろんなアーティストがステージに立つし、最高のフェスだよ。
そして、アメリカのフェスと違うのはやっぱり日本の文化が加わっているからかな、僕はすごく好きだね。実はアメリカのフェスには行かないんだよ、絶対に。ネガティビティーが多すぎるのが嫌でね。日本のフェスだとアメリカと違って4万人いても本当に平和だ。
それに今日パフォーマンスしたフリーステージは最高だね!フェスに入れない人も来て音楽を楽しめるからナイスアイデアだよ。アメリカのフェスではあり得ないからね。
ー先ほどのステージ、とても楽しませていただきました。サウンドチェックでは何かトラブルがあったように見えましたが…。
そうだね。今回の来日で既に8、9公演やっていて何の問題もなかったのに、謎だ。ロスト・イン・トランスレーションだったのかな(笑)。でもすごく楽しかったよ!新しいアルバムが完成して、生でダブをしていたんだ。
ーピンクの鍵盤ハーモニカがとても印象的でした。
Augustus Pabloやその他多くのアーティストが弾いてる、ダブの世界では重要な楽器だからね。子供みたいな変わった楽器だけどすごく好きだよ。本当に面白い。
ー新しいアルバムではダブにフィーチャーされていますが、その理由は?
普段とは違うことをやってみたくてね。毎回同じことをやっていると飽きるんだよ。ギターを弾くことに飽きるし、やること全てに飽きてしまう。自分のことも飽きるよ、自分の声を聞きたくなくなるくらい。
去年の6月に日本に来た時に、アルバムにフィーチャリングされている友人のChuck Treeceに「ダブのアルバムを作ろう」と提案してから2日間スタジオにこもったんだ。彼がドラムとパーカッション、僕がベースで一緒に合わせてみて、その後にギターや鍵盤ハーモニカ、ピアノを加えていった。
正気でいるためには常にクリエイティブでいないといけない。そのためにはどんどん変化してシフトしていかないといけない。自分に飽きないためにもね。
ー実際に制作を進めてみて難しかった事はありましたか?
もちろん、自分のコンフォートゾーンから離れるのはいつでも難しいことだよ。いつものサウンドに慣れている人は必ず批判するし。でも、僕は気にしないよ。
ーでは、そんな新作を携えた今回のジャパンツアーはいかがでしたか?
今回のツアーでたくさんのパフォーマンスをしたけど、1時間の演奏の中でほんの少ししかギターを弾いていないんだよ。2回ぐらいとか。僕はギターで知られているから珍しいよね?いつもと違うことをやるのはチャレンジングだったけど楽しかった。でもギターを持った瞬間、すごく“帰って来た”って感覚になったね。
僕が音楽をやるときは「まぁ、様子を見てみよう」って感じで、いつも何かに挑戦してみるんだ。その結果、お客さんが楽しんでいて、いい反応をしてくれてさえいれば、それで十分だよ。
ーどの会場が一番印象的でしたか?
一番印象的だったのは札幌かな。そこまで北に行ったことがなかったから、良かったよ。あと、靴箱みたいに小さいハコでライブをしたんだ。180人ぐらいのキャパだったかな。ここのインタビュースペースぐらいだったね!あの小さいスペースにあれだけの人数が入ったのは驚きだった!お客さんとの距離感があれだけ縮むと、更にスペシャルな感じがするよ。
ーフェスとはまた違う風景ですよね。
そうだね、フェスってある意味非現実的だよ。お客さんからの距離もかなりあるし、あまり関われないから。3万人?全然大したことない。でも、20人?すごく難しいね。
ーでは最後に、今後挑戦したいことはありますか?
今回のダブ・アルバムは日本オンリーのリリースにするかもしれない。“かも”だよ!他にも日本でだけリリースして、ほかの国では一切リリースしないアルバムというのもかなり面白いと思っててね。そういうことができたらすごくクールだよね。でも、どんなアルバムにするかは今アイディアを煮詰めているところだ。フェス仕様の音楽というよりかは、内省的な感じにしたいと思っている。瞑想的な感じを考えているよ。
GREENROOM FESTIVAL'19
日程:2019年5月25日(土)、26日(日)
会場:横浜・赤レンガ地区野外特設会場
チケット:SOLD OUT
OFFICIAL SITE: https://greenroom.jp/
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