自らの音楽体験を糧に進化し続けるTHE STEVE McQUEENS。来日公演への意気込みとは

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文: Akari Hiroshige 

青山・表参道エリアを会場としたサーキットフェス<BIG ROMANTIC JAZZ>へ出演するシンガポールのネオヴィンテージ・ソウルファンクバンド、THE STEVE McQUEENS。来日公演を目前に控えた彼らに、メールインタビューで話を聞いた。

人の奏でる音楽は、時間と経験を重ねるにつれて深みと渋みが増す。リスナーとの交流を幾度となく繰り返すことによって、決して一言では言い表せない、様々な要素が混ざり合った独自の味わいや表情が醸成される。そんな複雑さを真っ向から受け入れ、自らの魅力として語るバンドが日本から5,000km離れた南国、シンガポールにいる。

2020年2月20日(木)は青山・月見ル君想フで大比良瑞希と2マンライブ、2020年2月22日(土)は青山・表参道エリアを会場としたサーキットフェス<BIG ROMANTIC JAZZ>への出演が決定したTHE STEVE McQUEENS。自らの音楽をネオヴィンテージ・ソウルファンクバンドと形容し、現在は、Ginny Bloop(ボーカル)、Joshua Wan(キーボード)、Jase Sng(ベース)、Anson Koh(ドラム)の4人で活動を行なっている。

2013年デビュー後、2015年8月の<Summer Sonic>出演で初来日し、2017年10月にはセカンドアルバム『Terrarium』日本版リリースに伴う来日ツアーを敢行。2018年の来日ツアーでは、WONK中村佳穂と2マンライブを行うなど、数々の日本公演を通じて日本のファンやアーティストとのコミュニケーションを重ねてきている。今回は、2018年の日本ツアー以来、4度目の来日公演。

そんな来日公演を目前に控えた彼らに、活動の原点から近況、彼らを取り巻くシンガポールの音楽シーン、そして<BIG ROMANTIC JAZZ>出演の意気込みについて、メールインタビューを実施した。

一言では表現できない、経験が織りなす重層的なサウンド

ー今回の来日公演で初めてTHE STEVE McQUEENSを知る読者のために、自己紹介をお願いできますか?

インタビュイー画像

Ginny Bloop(Vo.):

私たちTHE STEVE McQUEENSは、自分たちが楽しいと感じる音楽を聴き、演奏することが大好きなバンドです。長い間、様々な経験を通して常に進化してきましたし、自分たちの音楽はそんな時間と経験の積み重ねの証だと考えています。 だからこそ、一言で私たちのバンドを表現するのは難しいのですが、あえて名前を付けるとすれば、“ジャズの影響を受けたR&B”がおそらくその答えの1つになると思います。

ーバンド結成のきっかけはなんだったのでしょうか?

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Joshua Wan(Key.):

とあるジャカルタのジャズフェスティバルに一緒に行った時、そこで出会った音楽にインスピレーションを受けたんです。音楽が持つパワーとクリエイティビティの溢れるフェスの雰囲気にとにかく夢中になり、僕たちはすぐにシンガポールに戻って、バンドを結成しました。

ー公式サイトに書いてある影響を受けたアーティストは、かなり先輩ミュージシャンの影響を意識している気がします。改めて、その点について教えてもらえますか?

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Ginny Bloop(Vo.):

Billie HolidayThelonius MonkRay CharlesDuke EllingtonStevie Wonderが大好きです。 それから、Antonio Carlos JobimAstrud GilbertoVanessa FernandezFeistGretchen Parlatoの大ファンです。 私たちの楽曲を聴くと、きっといたるところでこれらのアーティストの影響を感じ取れると思います。 私は好きなミュージシャンの記事を読んだり、調べたりするのが好きなんですよね。 彼らがどうやって人生を選択して歩んできたのか、彼ら自身の経験が音楽性にどのように影響を与えているのかを知るのが好きなんです。
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Anson Koh(Dr.):

僕は、Bon JoviIron Maiden、香港のバンドであるBeyondLoboBee Geesといったアーティストの音楽を聴いて育ちました。 10代後半には、Dave Matthews BandJay-ZCommonThe RootsRobert Glasper Experiment などを掘り始めて、Donny HathawayJohn Coltrane なども聴くようになりました。 自分にしっくりくる、共感できるような音楽(幸せ、悲しい、エキサイティングな曲など)がいいですよね。僕はいつもセットの後ろから、演奏を通してそういった曲の良さを伝えようと努力してます。
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Jase Sng(Ba.):

最近は、もっぱらRobert Glasperが参加するグループのアンサンブルにはまっています。 2017年に東京ジャズフェスティバルで公演を行った時に、R+R=NOWのライブのチケットをもらったんです。 ほとんどの曲がアルバムに収録されているトラック時間をはるかに超える長さだったのですが、ベースのDerrick Hodgeが中心となって驚くほど素晴らしい演奏に仕上げられていて、まるでコンパスがあるかのようでした。目の前の音楽の“風景”は、実は意図的に作り上げられたものだったのです。 その後モスバーガーに行って、僕らのリズムセクションでさらに改善できることを洗い出しました。
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Joshua Wan(Key.):

僕は、Chick CoreaBrad Mehldauといった緻密な精度を持ったプレイヤーも好きだし、それこそRadioheadAlt-Jのような繊細なポップさを持ったバンドも好きです。絶対何か伝えたいことがあるし、彼らにしかできない伝え方を持ってるんです。

YouTubeにアップロードされているVideo Blogはとても面白くて、ファンにとってはTHE STEVE McQUEENSの人柄を知るいい手段になっていると思います。あれは誰のアイデアなのでしょうか?

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Ginny Bloop(Vo.):

嬉しいです!ロンドンで『Seamonster』をレコーディングした時にとったんですよ。自分たちが経験したことを記録したくて。今年もやった方がいいかな。

ー昨年(2019年)1年間の活動について教えてください。何か変わったことはありましたか?

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Joshua Wan(Key.):

曲を書いたり、曲作りに必要な新しい表現やアイデアを探し回るのに忙しかったです。 クリエイティビティが問われるバンドにとって、ライブのスケジュールで忙しすぎるのはあまり良くないと思うかもしれませんが、レコーディングスタジオに入る前に、さまざまなオーディエンスの前で新しいアイデアを試して実験することが重要なんじゃないでしょうか。新曲も近いうちにリリース予定なので、楽しみにしていてくださいね。

ー色んな場所でライブをしていたんですね。どんな場所で公演を行ったのでしょうか?

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Ginny Bloop(Vo.):

台湾と母国のシンガポールです。特に台湾の台南市で開催された<LUC fest>への出演はとても良い経験になりました。現地で会う人々がとてもフレンドリーだったし、ホスピタリティに溢れていて!食べ物も本当においしかったです。ぜひまた出演したいフェスの1つですね。

ー2019年の活動を受けて、2020年の抱負はありますか?

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Anson Koh(Dr.):

ミュージシャンとしては、とにかくドラムに取り組む時間を増やして、新旧問わず、音楽に触れる機会を増やすことです。演奏する時間ももっと増やしたいですね。私生活に関しては、自分自身を戒めて健康的な生活を送りたいです。体重を減らして新しいズボンを買わなくても済むように(笑)!

シンガポールの音楽シーンについて

ーみなさんの母国であるシンガポールの音楽シーンについて教えてください。昨今、シンガポールにおいて存在感のあるレーベルやムーブメントはあるのでしょうか?

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Ginny Bloop(Vo.):

シンガポールでは、主要なレーベルのほかに独立したレーベルがたくさんあり、独自のスタイルでアジアや、時にはアジアを超えてワールドワイドにプロモーションを展開しています。 シンガポールの音楽市場は規模が小さいため、海外進出はとても重要です。だから私たちも海外で活動をしていますが、シンプルに、いろんな国に行って現地のファンに直接会うのはとてもワクワクしますよ!私たちが所属している〈Umami Records〉のマネージャーと一緒に日本に行くのはこれで4回目ですが、楽しみで待ちきれません!

ーなるほど。今シンガポールで流行りの音楽って何ですか?

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Ginny Bloop(Vo.):

メインストリームで言うと、今全世界でK-POPが流行っていると思いますがシンガポールも例外ではなく、若者を中心にK-POPファンが本当に多いです。一方で、やはりインディーズファンも一定数いる印象ですね。メジャーほどの規模ではありませんが、インディアーティストが出演するライブやフェスに興味を持って参加していくれるファンもいますから。

ーシンガポールの音楽を知りたがっているファンに、いくつかおすすめアーティストを教えていただけますか?

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Ginny Bloop(Vo.):

日本の皆さんには、.gif(ドットジフ)の音楽がぴったりなんじゃないでしょうか。私も彼らの音楽がとても好きです。 彼らはインディーズのエレクトロ・ミュージシャンとして知られていますが、ラベリングはさておき、日本の人たちにもきっと合う音楽だと思います。
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Joshua Wan(Key.):

僕はAstronautsReggie leoですね!Spotifyでぜひチェックしてみてください!
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Jase Sng(Ba.):

最初に思い浮かんだのは、Charlie Limです。オーストラリアで勉強していた頃からの古い友人でもあります。 彼の音楽はまるでパレットのように幅広くて、 魂にダイレクトに響くような巧妙に練られたアレンジと歌詞が魅力です。 私のお気に入りの曲は「Circles」です。

Charlie Limのインタビュー記事はこちら

ー魅力的なアーティストをたくさん教えていただきありがとうございます!シンガポールで素敵な音楽に出会えるオススメの音楽スポットを教えてください。

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Joshua Wan(Key.):

クラーク・キーにある『Warehouse』と言うライブバーがおすすめです。バンドの演奏がいつ行ってもクール。ジャズを楽しみたいなら『Muduro』かな。
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Ginny Bloop(Vo.):

アラブストリートの隣のハジレーンというエリアにある『Blujaz』もいいですよ。

BIG ROMANTIC JAZZ FESTIVAL出演の意気込み

ー今回、いつぶりの来日公演となるのでしょうか?

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Ginny Bloop(Vo.):

最後に日本でライブをしたのは2018年9月です。数週間に渡って神戸、京都、横浜、東京など、6都市を回るジャパンツアーでした。 中でも記憶に残っているのは、東京ジャズフェスティバルの野外ステージでライブをした時のことです。 その夜は雨がかなり激しく降っていたのですが、私たちの演奏中に傘が一つ一つ開いていくのが見えました。大変な雨の中、多くのお客さんが私たちを見に集まってくださって、本当に感動しました。 ファンの皆さんのおかげで、最高の舞台になりました。

ー素敵なエピソードですね!今回のフェスでは、日本のオーディエンスにどんな風にライブを楽しんでもらいたいですか?

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Ginny Bloop(Vo.):

私たちの音楽に身を任せて楽しんで欲しいです。 踊りたいなら踊り、泣きたいなら泣いてください。私たちは着飾らずありのままの姿でステージに立ちます。ですから、みなさんもどうかありのままの姿で会場に来て楽しんでくださいね!

ー今回ライブに来てくれるオーディエンスに、一言メッセージをお願いします。

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Joshua Wan(Key.):

東京に行くのが待ちきれません! 僕たちは日本の音楽カルチャーもそうですし、みなさんの音楽に対する情熱に魅了されています。
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Ginny Bloop(Vo.):

ハロー、ジャパン! <BIG ROMANTIC JAZZ>でみなさんの前で演奏できることを心待ちにしています! 松屋にチョコクロに大量のおにぎり…とにかく全てが楽しみで待ちきれません(笑)!ぜひ私たちのライブに来て、そして声をかけてくださいね!

EVENT INFORMATION

BIG ROMANTIC JAZZ FESTIVAL 2020

2020年2月22日開催
会場:CAY, WALL&WALL, 銕仙会, 南青山MANDALA, 月見ル君想フ
総合受付:COMMUNE DOME内 (受付・リストバンド交換)
時間:リストバンド交換10:30〜
会場OPEN : 11:30
早割チケット:¥6,000 (ドリンク代別途) SOLD OUT
前売チケット:¥7,000 (ドリンク代別途)

前売りチケット 購入リンク

【出演アーティスト】
山下洋輔
Chara + Kan Sano
YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)
Sun Rai (Rai Thistlethwayte) (AUS)
Sam Gendel (USA) Canceled
Stars and Rabbit (IDN)
The Steve McQueens (SGP)
林 以樂(雀斑 / SKIP SKIP BEN BEN)(TWN)
Power Milk (CHN)
MKS (KOR)
Kan Sano
ものんくる
i-dep
あっぱ
臼井ミトン
F.I.B JOURNAL
YOSSY LITTLE NOISE WEAVER
Yasei Collective
CRCK/LCKS
showmore
Saigenji
BimBomBam楽団
MIDORINOMARU
Nao Kawamura
別所和洋
高井息吹 + 石若駿
空間現代
Fontana Folle
————————
上野雄次 (華道家)
近藤康平(ライブペインティングパフォーマー/絵描き)
熊谷拓明(ダンス劇作家)
仙石彬人 (Liquid light Art)
助川貞義&ハラタアツシ(Liquid light Art)
Tommy Returntables (DJ)
20WATT (DJ)
Kosuke Harada (DJ)

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Akari Hiroshige

アジアをこよなく愛するライター。各国の音楽スポットやストリートミュージシャンを訪ねて旅してます。

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