商標侵害でバンド改名。UKロックバンド・easy lifeの訴訟騒動に世界中から同情の声

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文: DIGLE編集部 

UKのレスター出身バンド・easy lifeが、10月13日に現名義でのラスト・ライブを実施すると発表。同バンドは航空会社easyJetなどを運営するeasyGroupに商標権侵害で訴えられていた。

easy life(イージー・ライフ)は、UKのオルタナティブロック・バンド。ヒップホップやジャズ、ポップ、アフロビートといった多彩なジャンルを融合したサウンド、ゆるやかなグルーヴ、Murray Matravers(マレー・マトレーヴァーズ)のメロウなボーカルなどが特徴で、ヨーロッパを中心に人気を博している。2022年には<SUMMER SONIC 2022>にも出演し、日本でのファンも多い。

事の発端は、航空会社easyJetなどを運営するeasyGroupが商標権侵害でバンドを訴えたことにある。同グループは10月3日にバンドに対して「マトレーヴァーズ氏らによるブランド盗難に関するeasyGroupのコメント」と題した声明を発表した。

出典:easyGroupの声明

本件を受けてバンドは、バンドが2015年に始動したこと、easyJetが商標を出願したのは2022年であることなどを説明。解決策を模索したものの、経済的負担を理由に改名を決断したという。そこで明日10月13日(金)にeasy lifeとしてのラストライブの実施を発表した。

▼バンドのコメント(編集部訳)

親愛なるみなさま

ここで説明ができてありがたいです――この10日間は本当に多くのことが起こり、目まぐるしい日々でした。詳細をすぐに共有できなかったことをお許しください――これは昨夜明らかになったことですが、文字通りあらゆる手段を模索した結果、私たちには良い選択肢がないと気が付き、私たちが前進するにはバンドの名前を変更する必要があると判断しました。

悲しいことに、正義はそれを得る余裕のある人にしか与えられないようです。私たちには高等裁判所で公正な裁判を受けるための資金がありません。言うまでもなく、この状況は2025年までガタガタと続く可能性が高く、この事態が私たちを襲っている限り、その間は作品をリリースすることができないでしょう。私たちのキャリア、そして人生そのものは止まってしまうでしょう。

私たちは名前のない集団ではありません。ご存知のように、書類には私たち自身の個人名が記載されています。これは、損失が発生した場合、その費用は個人的が負担することを意味します。彼らはすべてを奪うことができた。物質的な所有物、私たちの生活、家を。

今回の件が引き起こした混乱は想像できるかと思いますが、これがみなさんが私たちの状況を理解する一助となることを願っています。私たちはあふれんばかりの愛と支援に慰めを見出しており、それに対して私たちはみな、言葉では言い表せないほど感謝しています。

私はこの文章を火曜日(※編集部註:10月10日)にこれを書いていますが、私たち「easy life」としての最後の日はおそらく10月13日の金曜日になると承知しています。私たちはなんとかいくつかのショーを開催することができました(文字通り昨夜ブッキングされました)。できるだけ多くのみなさんが私たちのお別れパーティに参加できることを心から願っています。

私たちは本件について対抗することはできませんが、今後何が起こるかについては、easyGroupとの法的調停期間に入る必要があります。私たちは彼らが本件に関して寛大であることを心から願っています。そして私たちは、みなさんが何年も望んでいるであろう曲をリリースする機会に期待しています。想像していたものとは違いますが、これはみなさんのための曲なので、ぜひ聴いていただきたいと思っています。

深い悲しみとともに、私たちは「easy life」として、今週最後のショーを行います。おそらく私たちの訴訟は、法改正とすべての人が正義を享受できるようにすることをめぐる対話を引き起こすのに役立つかもしれませんが、そのような意見は耳を傾けてもらえないのではないかと心配しています。

次に何が起こるかは誰にもわかりませんが、どんな嵐もいつかは雨がなくなります。

改めて、ご支援に感謝します。

バンドの声明の原文

SNSではバンドに対して同情の声があがると共に、バンドをこれからも応援し続けると宣言するファンが数多く見受けられた。バンドの今後の活動については未定だが、11月には活動の集大成として最後のフィジカル盤を限定発売することが決定している。

※本文の日付は現地時間となります。

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