K-HIPHOP重要レーベル〈Hi-Lite Records〉〈H1GHR MUSIC〉オンラインライブ レポート

Report

文: Akari Hiroshige 

韓国のヒップホップ界を牽引する重要レーベル〈Hi-Lite Records〉と〈H1GHR MUSIC〉が、ライブ配信アプリ「ミクチャ」にてオンラインライブを開催。

気がつけば肌寒くなり、年初のコロナショックから早くも季節が半周してしまった。オンラインライブ文化にすっかり慣れてしまった人も多いのではないだろうか。

そんな中、9月23日(水)、ライブ配信アプリ「ミクチャ」にて韓国のヒップホップ界を牽引する重要レーベル〈Hi-Lite Records〉と〈H1GHR MUSIC〉によるオンラインライブが開催された。

日本でもアンダーグラウンドシーンを中心に徐々に広がりを見せるK-HIPHOP。目で聴くK-POPアイドル文化とは一味違い、ストリーミングサービスを介して耳でK-HIPHOPに出会い、沼にハマったという声も多い。来日イベントやメディア露出によって名前を聞くことは増えてきたものの、テレビをつけると簡単に目にすることができるアイドルと比べると、韓国のラッパーの姿形を目にする機会は日本ではまだまだ少ない。そのため、アーティストの表情をリアルタイムで間近で見れる今回の配信ライブは、非常に貴重で新鮮に感じられた。

Hi-Lite Records

前半は、ヒップホップ専門レーベルとして世界中から注目を集めるレーベル〈Hi-Lite Records〉によるステージ。

先陣を切ったのは、紅一点の女性ラッパーSwervy(スワーヴィー)。慣れないオンライン ライブとは思えない堂々とした落ち着いた様子で「Trynna Be」を歌い上げると、リラックスした様子でPaloaltoが登場。これまで『SHOW ME THE MONEY』の審査役を務め、韓国大衆音楽賞ヒップホップ部門を受賞する等、まさに大物ラッパーのPaloaltoと、神童と呼ばれる若きラッパーSwervyの微笑ましい2ショットに思わず笑みがこぼれる。

Swervy

Reddy、Huckleberry Pが舞台に加わりグルーヴィーな「U DUNNO」が流れ出すと、全員の声が絶妙に重なり合い、ゆっくりとフロアが熱を帯びていくのがわかった。そんな中ステージを奪いリスナーの視線を独占したのは、US出身のYunB。独特のカリスマティックなオーラで「D.R.E.A.M」を披露し、ファンを泣かせた。

(左から)Huckleberry P、Reddy、Paloalto

途中、「最高!」「サイコ..?」「サイコジマンケンチャナ!(※Netflixで大人気の韓国ドラマのタイトル)」と知ってる日本語を思いつくままに口にしながらお茶らける場面も。チャット欄には、そんな無邪気なメンバーの姿を見て「可愛い!」というコメントが次々に湧いた。MCの大半は韓国語であったため、韓国語が理解できないリスナーにとっては少々もどかしさを感じる瞬間もあったかもしれないが、アーティストの「何だか楽しそう」な生き生きとした姿を見て、言語の壁さえも楽しい時間に変換できたのではないだろうか。

(左から)YunB、Reddy、Swervy、Jowonu、Paloalto、Huckleberry P

人気プログラム『高等ラッパー』で注目を浴びたJowonuも加わり大盛り上がりの中、ラストは「いくぞ!いくぞ!」という日本語の掛け声と共に「Good day」「Kid Rock」を熱唱。「Kid Rock」の「끄지 마, 너의 빛, 끝까지 싸워봐(消すな、自分の光、最後まで戦ってみな)」という励ましの歌詞が、ステイホームで悶々と過ごすリスナーの心に突き刺さる。最後に「愛してる!」とファンへのラブコールを宙に投げ、名残惜しそうにステージを降りた。

今回のライブで披露された曲の多くは、8月16日にリリースされた同レーベルのコンピレーションアルバム『Legacy』に収録されている。ぜひこちらを聞いて、ライブの余韻に浸ってみてはいかがだろうか。

H1GHR MUSIC

後半は、Jay ParkCha Cha Maloneにより2017年に韓国とアメリカ・シアトルを拠点に設立されたインターナショナル・ヒップホップレーベル〈H1GHR MUSIC〉のステージだ。今年7月に新しくレーベルに加わったTRADE LをはじめpH-1HAONWoodie GochildBIG NaughtyGoldenが出演した。特にpH-1、HAONは昨年11月に渋谷で来日公演を行っており、日本でも熱烈なファンが多い。

BIG Naughty

最初にステージに上がったのは、『SHOW ME THE MONEY8』で3位になった高校生のラッパーBIG Naughty。Coogieをフィーチャリングに迎えた楽曲「Problems」の明るいメロディでステージが一気に華やかに。次に登場したWoodie Gochildの力強いラップとともに、会場を〈H1GHR MUSIC〉色に染めていく。

Golden

ステージ上に突如あわられた椅子。そこに姿を表したのがGoldenであった。今までのリズミカルな雰囲気からガラッと空気を変えて、堂々とソウルフルなバラードを披露する姿は、その名の如く金色に輝いていた。Goldenはこの後に続く楽曲でも、高音の透き通ったコーラスで楽曲に花を添えていく。

(左から)HAON、BIG Naughty、Woodie Gochild、pH-1、TRADE L

新人アーティストのTRADE L、ベテラン勢のHAON、pH-1の登場により、舞台の温度は最高潮に。〈Hi-Lite Records〉のステージとは構成が異なり、特に前半はソロステージの時間が長く設けられており、個人の魅力が非常に際立つ作りになっていたが、後半に入り一転、「Noah」「Cupid」「iffy」と名曲が続くと、出演アーティストが全員ステージ上に集結し一体感を見せた。前方のラッパーと実に息の合ったバックDJ。テンポの良いラッパー同士のユーモア溢れる言葉の掛け合い。オンラインといえど、ヒップホップのライブならではの醍醐味を心ゆくまで味わうことができた。

〈H1GHR MUSIC〉も同様に直近9月に2枚のコンピレーションアルバムをリリースしており、今回のライブでも収録曲が多く登場した。赤いジャケットの『H1GHR:RED TAPE』はハードな楽曲が多く、青いジャケットの『H1GHR:BLUE TAPE』はソフトなチル・ミュージック。ぜひ2枚を聴き比べて、彼らの魅力を両側面から感じ取ってみてほしい。

「日本に早く行きたい」「日本でツアーをしたい」そんな声が出演陣から止めどなく溢れてきたのが非常に印象的な一夜であった。いつの日かヴァーチャルを飛び越えて、直接生身の人間として彼らと同じ空間を共にしたい。

EVENT INFORMATION

2020 MCON K-HIPHOP Live concert – Meet me in your room – #Hi-Lite Records

[日時] 9月23日(水) 19:00開始
[参加アーティスト一覧]
Paloalto(パロアルト)
Huckleberry P(ハックルベリーP)
Reddy(レディ)
YunB(ユンビ)
Swervy(スワーヴィー)
Jowonu(チョ・ウォヌ)

2020 MCON K-HIPHOP Live concert – Meet me in your room – #H1GHR MUSIC

[日時] 9月23日(水) 21:00開始
[参加アーティスト一覧]
pH-1(ピーエイチワン)
HAON(ハオン)
Woodie Gochild(ウーディー・ゴーチャイルド)
BIG Naughty(ビッグ・ノーティ/ソ・ドンヒョン)
Golden(ゴールデン)
TRADE L(トレード・エル)

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Akari Hiroshige

アジアをこよなく愛するライター。各国の音楽スポットやストリートミュージシャンを訪ねて旅してます。

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