YOLKが鳴らす、ささやかな美しさ

Review

文: Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はYOLKをご紹介します。

大事なものを丁寧に大事にする

「取るに足らないものを愛おしく思えるいかした3人組」。メンバーのReiが綴ったこの言葉こそ、YOLKという宅録グループを忠実に物語っている気がしてならない。なぜなら彼らの音楽は、ささやかでいて美しいからだ。

2019年、阿蘇旅行へ出向いたことをきっかけに、サコウリョーマYusaku Mukoudaにて結成。2021年にはRei Wadaも加入し、3人体制で動き出した。
AORやインディーロックをルーツに持ち、温かいサウンドを奏でているYOLK。彼らが奏でている音楽は、間違っても華美なものではない。トラックの音数は少ないし、派手な装飾も用いらないし、歌詞の単語だって多くない。しかし、だからこそ美しい。自分の手に持てる分だけの大切なものを、最大限に大事にするような音楽づくり。大事にするべきものを意識し、愛でていく姿勢こそ彼らの真髄なのではないだろうか。

先日配信が開始された『惑星』は、Reiが加入後初となるリリース。もともとはReiのソロ曲(「Saturn」)としてあったものを、YOLKとして再構築した。切なさを呼び起こすリリックや異国情緒溢れるトラックに注目してほしい。

YOLK

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新カルチャー情報をゲット!

閉じる