文: DIGLE編集部 編:Kou Ishimaru
良く生きるとか、幸せになるとか。どんな日々を送れたら、どんな人生だったら正解なんだろう、と思う時は誰にだってあるはずだ。
その答えのひとつとして、『なだらかな日』という言葉があるのかもしれない、と思う。
福岡県を拠点として活動するバンドチーム、YOUND。
約3年ぶりのスタジオレコーディング作品としてリリースされた『なだらかな日』は、バンドを象徴するような1曲であり、同時に、慌ただしく現代を生きる人々へ向けたひとつのアンサーでもある。
フォーキーで確かな手触りをもつギターサウンドを軸にしたバンドの音は、自然と暮らしに入り込む人懐っこさがある。
〈俺は沈丁花の匂いで最高になった〉〈缶のハイボールを飲んで最高になった〉、等身大の日常の、けれど生きるために絶対に必要なしあわせの瞬間を切り取る詩は、すぐ近くに溢れている機微を取りこぼさないその美しさを思い出させてくれる。
それでいて、やっぱり、どこに繋がっているかも分からない遠くを眺めてしまう遣る瀬無さも漂わせた歌声が、その柔らかな諦めが、心地よく私たちに寄り添う。
速さや高さ、長さ、それだけで答えは出ない。
『なだらかな日』という言葉をお守りにしたなら、気がつけることがまだまだありそうだ。
YOUND
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