Kalkから放たれる、ほの暗さに潜む熱量

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ!今回はKalkをご紹介します。

静かに穏やかに、熱く

2022年に東京で結成されたnecticEMiSMによる2人組音楽グループ、Kalk。彼らには“ほの暗い”という言葉が、よく似合う。真っ暗な部屋に灯すロウソク、洞窟に射す一筋の光、冬の日の曇天など、明でも暗でもない世界が広がっているのだ。

作曲はふたりとも行うそうだが、現行でリリースされている曲にはnecticのエッセンスが色濃く表れているように思う。11歳の頃、90年代のUSオルタナティブロックに触れ、音楽の道に傾倒。パンクやガレージをルーツに持ち、日本の音楽ではthe pillowsTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを好む。
Kalkの音楽には、ロックンロールのみなぎるエネルギーやパンクの爆発力こそ表れていない。しかし、暗さのなかに熱を感じさせるサウンドには、necticが敬愛してきたアーティストたちの影を感じずにはいられないのである。

先日配信が開始された「サブリナの憂鬱」は、残響音を活かしミニマムな構成で紡がれたナンバー。バリトンで歌うように弾いたというベースと、甘くも物憂げなEMiSMのボーカルがクセになる1曲だ。

Kalk

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