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文: 黒田隆太朗 編:Miku Jimbo
幸運を運んでくるような音色、胸を弾ませるハーモニー、ミニチュアのようなポップソング。ハナカタマサキが創作するのは、そうした小さな世界、まさしく『Small Melodies』である。このタイトルこそが本作の要点と言えるだろう。「小さい」ことがどれだけ魅力的なことなのか……たとえばそう、スピッツの『小さな生き物』がそうであるように。目に見えないものの中にこそ広大な宇宙がある。私たちが生きるこの社会は、無数の小さいもので形作られているのだから。
作詞、作曲、演奏、録音までを自身で行い、ほとんどのアートワークも自ら手掛け、自主レーベル〈PENTACOAST〉を主宰するアーティスト・ハナカタマサキ。内容はトイポップ、エレクトロニカ、フォーク、北欧音楽などを編み込んだ優しいポップタペストリー。宅録らしい細やかな工夫を凝らしたサウンドからは、トクマルシューゴからの影響も感じるだろう。
現在高知県に住むハナカタが、初めてのリリースを行ったのは2014年。アルバム『Lentment』である。3年のスパンを開けてミニアルバム『Bremen sound track』を発表すると、同年には初のシングル作品を切っている。2019年には2作目のアルバム『MARVEL』と、サウンドトラック・アーカイブス『SONGBOOK1』を公開。いくつかのシングルを挟みつつ、3年ぶりのアルバムリリースとなったのが本作『Small Melodies』だ。
チェンバーポップからの影響を感じる「Sky」、アニメ映画のような冒険的な響きを持った「future」、のっけから魅力的な楽曲が並ぶ。軽快なリズムを持った「ヒューマノイド」は、野を駆けるようにすいすいと進んでいく。トイポップ・バンドがBUMP OF CHICKENに出会ったような旋律、とでも言うのだろうか。表題曲「Small Melody」はとりわけ印象に残る佳曲である。
フリューゲルホルンののんびりとした音色に安らぐ「すずめ交響曲」から、麗しい菅楽器で聴かせる「予報」へと続いていく。後者は本作におけるメロディの中でも、特に惹きつけられた楽曲だ。多重録音のコーラスがうっすらと重なる、ほのぼのとしたムードの「Relief」も心地いい。子供に読み聞かせる童謡のような「Holy Owl」は、彼の作風に合ったテイストと言えるのではないだろうか(サビの《静かな夜がいい》というフレーズは、スカートの名曲からの影響だろうか?)。
青藍の夜空にテントを張ったアートワークも、彼の音楽を象徴しているように思う。背景には見渡す限りの草原。この場所で朝を迎えたら、きっと綺麗な見晴らしを臨めるだろう。昆虫、動物、緑、雲、これまでの作品からも、そのヴィジュアルには一貫したモードがある。この音楽には空を覆う高層ビルも、急かすように行き交う雑踏もないのである。
ここに流れているのは、携帯電話の画面から離れて、澄んだ空気を吸い込むような一息つける時間。そこで感じる心華やぐフィーリングである。オーガニックな音色のギターに乗せて、《鳥の声 朝の光 隙間からこぼれる》と歌う「Zoetrope」そのものである。そしてそれは言うまでもなく、彼の書く歌詞にも連動したスタイルである。
《未来》、《喜び》、《明日》、《光》。全12曲のリリックには類型の描写(瞬間)が連なっている。まるでアルバム全体でひとつのシーンを浮かび上がらせるように。それはきっと彼が望む景色の断片であり、リスナーに投げかけたい風景でもあるのだろう。「Sky」を再生すると同時に聴こえてくるオーケストレーションは、さながらファンファーレのようである。
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DIGLE編集部
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