視点を共有するinterplay

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はinterplayをご紹介します。

クルーとしての個性とグルーヴを

2020年結成、東京/千葉を拠点に活動するHIPHOPクルー・interplay。2021年より本格的なリリースをスタートし、コンスタントな活動を続ける彼らから、3作目のEPとなる『interplay』が届いた。

2000年生まれのスケーターを中心に構成されているクルーだが、90年代を彷彿とさせるクラシックなスタイルのビートとそれぞれのキャラクターが際立つマイクリレーに個性を持ち、現行のシーンの中でも特異な存在感を香らせる彼ら。活動開始から3年が経ったこのタイミングでリリースされた『interplay』は、セルフタイトルであることからもその熱が伝わる、彼らのリアルなムードが詰まった作品だ。

収録曲全体を通し、それぞれの生活の中に訪れる浮き沈みや、自身の暮らし及び活動と向き合うからこそ感じる不甲斐なさ、といったテーマを軸に据えたリリックが目立つこのEP。リリックの重ね方には4人のMC (Flezio,Mad-Boya,D-Mind,Negg)の個性が浮かぶが、そこで描かれている、彼らが20代前半であることを忘れるほどの鋭い客観視や温度には統一感が見える。それはinterplayがクルーとして共有している日々や景色から生まれる独自のグルーヴであり、楽曲の世界をビートから支えるビートメイカー・Neggの音もあわせ、彼らだけの鮮烈なアイデンティティを感じさせてくれる。

リアルでこそ輝くヒップホップというジャンルにおいて、すでに彼らが手にしているものは大きいはずだ。

interplay

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