ミュージシャンからも愛されるコーヒースタンド「Little Nap COFFEE STAND 」|フェス飯名店巡り

フェス特集

文: 久野麻衣 

日常でもフェスを感じられるようなフェス名店の実店舗をご紹介。今回は<New Acoustic Camp>や<FUJI ROCK FESTIVAL>などのフェスで美味しいコーヒーを提供している「Little Nap COFFEE STAND」。

キャンプフェスなどの朝に美味しいコーヒーを飲む時間は至福のひととき。自分で入れる楽しみもありますが、プロの入れてくれるコーヒーはまた格別です。近年都内でもコーヒースタンドが増え、フェスで見かける機会も多くなりましたが、その先駆けと言えるのが「Little Nap COFFEE STAND」。

代々木公園のすぐ隣に位置するコーヒースタンドとして、またフェスに突如現れるコーヒースタンドとして、多くのミュージシャンからも愛される「Little Nap COFFEE STAND」のオーナー・濱田大介さんにお話を伺いました。

オーナー・濱田大介さん

朝コーヒーを飲む日常をフェスの場へ

-Little Nap COFFEE STANDはどんなきっかけでフェスに出店するようになったんですか?

そもそもは<New Acoustic Camp>(以下、NAC)の主催者であるTOSHI-LOWから「毎朝飲んでるコーヒーをみんなに飲ませたいんだよね」っていう話をもらってNACに出店のがきっかけです。

正直な話、外ではやりたくないんですよ。お店の味を外でそのまま再現することはできないし、エスプレッソマシンも持って行きずらいし。だから主催者やそのエリアを盛り上げるための一つのチームとして入れるもの以外は興味がないというか。

-NACはそういう協力体制だったんですね。

NACは主催者や一緒にやる人たちとやりたいことや思いを平等に話し合える環境だったんです。朝一番にみんなが集まってコーヒーを飲む日常をフェスの中で再現したいっていう彼らの思いから出店に協力することになりました。

-では他のフェスも?

NACでデコレーションや空間プロデュースしているCandle JUNEと一緒にチームを組むようになったので、そこから<FUJI ROCK FESTIVAL>(以下、フジロック)でも彼がプロデュースしているピラミッド・ガーデンに出店するようになりました。

最初は断ったんですよ。スタッフも多くないし、店は閉めたく無いし。でもどういうことをしたいか彼が話をしてくれるたびに面白くなってきたので、一緒にエリアを作ることに決めて。だからお店の内装とかも自分たちで作りましたよ。

-すごく雰囲気の良い空間ですよね。

みんな“一緒に作ろう”っていう熱量が高いんです。Candle JUNEの空間から出演者に対していいモノを作りたいと言う気持ちに共感してます。簡易的なテーブル出すだけじゃ物足りないんですよね。その延長線で朝霧JAMでも一緒にピーターパンCafeというエリアを作るようになりました。

-お店の味を再現するのは難しいということですが、それはどのように解決されてるんですか?

野外フェスでは湿度や温度差もすごいじゃないですか。雨が降ればコーヒー豆にもすごい影響がある。だから、なるべく影響を受けないような保存方法にしたり、再現できないことを了承の上で、プラスアルファーになるようなメニューの開発をしています。

-Little Napはいつも一杯ずつハンドドリップでコーヒーを入れていますよね。

最初の頃はやっぱり時間がかかるから、すぐに提供できないのでよく怒られましたよ。「こんなに列並んで…」とか。でも「これだ!」って思ったんです。

-というのは?

これから定着するんだなって。僕がバリスタを始めた頃はエスプレッソ一杯やドリップを出すコーヒースタンドという形式自体がそもそも日本に定着してなかった。そこから今では少しずつ定着してきたけど、フェスではまだ定着してなかったんですよ。その雛形を今作ることによって、先々やる人たちがやりやすい環境もできるだろうと思ったんです。

-確かに今ではコーヒーを提供するお店も増えましたもんね。

ただスピードもある程度は必要です。少しの時間はいただきながら、フェスにはフェスの対応の仕方があるので、毎年反省を生かしながら変わり続けていますね。

公園横の気の利いた売店でありたい

-こちらの実店舗はどう行ったコンセプトで始めたのでしょうか?

ここは公園横の売店なんです。海外を旅していた時、大きな公園の横には必ず気の利いた売店やベンダーがあったけど、東京は意外と公園横にそういう気の利いた売店がないなって思って。

-それでコーヒースタンドという形でオープンさせたんですね。

そう、ゆっくりするカフェじゃなくて、コーヒースタンド。だからフルサービスもしない。Little Napができるまで“コーヒースタンド”って名前のついたお店はなかったんですよ。海外でいえばニューヨークとか、土地も高いから店も小さいんです。東京もそうで、店が小さければ値段も安く提供できるし、フルサービスしないのであれば価格を抑えられるように頑張る。

-お店を始めた当初に比べたら、コーヒースタンドという形のお店はかなり浸透しましたよね。それまでは苦労したことも?

「サービスしてくれない」「店が狭い」とか言われるけど、そういう店作ってねーぞっていう(笑)。でもこの辺の人は理解してくれているので、混んできたら席をゆずったりしてくれるんです。狭いからこそのコミュニケーションというか。席に座ってしまうとその世界だけになってしまうけど、それよりももっと広がった世界になる。美味しコーヒーもさることながら、そういう空気感をフェスでも出して欲しいっていうのは出店の声をかけてくれたみんなの要望でしたね。

-お店を利用されるのはご近所の方が多いんですか?

そうですね。あとはサマソニ、フジロック、グリーンルームといったフェスで日本に来たミュージシャンが寄ってくれたり。Tommy Guerreroは毎回必ず顔を出してくれますよ。Little Nap COFFEE ROASTRESの方には楽器もあるので、フジロックに行く前にアーティスト同士がコラボの話をしていたりね。「この曲やろうか」って秘密の会議をしてるんです。

-それはかなり貴重な場ですね!

僕らがまだフジロックに出店する前でThe Stone Rosesがトリをやった時はお店にIan Brownが来たんですよ。それで彼と仲良くなって、そのままフジロックに連れていってもらったこともありました(笑)。その翌年にはThom Yorkeがふらっと現れたり、本当に様々なアーティストが来てくれますよ。

-ではこれから賑やかな季節になりますね。

そうですね。それはお店だけでなくてフェスでも一緒なんです。フジロックだったら友達のミュージシャンは出演後ピラミッド・ガーデンが溜まり場になってて。その感じは日常のお店と変わらなくて向こうもリラックスできるし、「じゃあ今からやろうぜ」みたいな(笑)。その景色は海外で見たフェスの景色と近い距離感ですね。

-そういう場があるからこそ生まれる光景ですね。

場っていうのは広くなくていいんですよ。店もそうで、狭いところにガタイのいい奴や刺青だらけの奴が来て、おじいちゃん、おばあちゃん、子供も来る。知り合いだけのたまり場でも僕はつまらないと思うし、一般向けではないかもしれないけど、みんなの生活の中の一つになれれば一番いいなって思います。さらにそこに音楽があれば。

-やはり、濱田さんにとって音楽は欠かせないものなんですね。

そうですね。でもそこにジャンルは関係なくて。だから普段接点ないのミュージシャン同士でも紹介したりして、そこから面白いことが生まれたりもしているんです。


コーヒーだけでなく、空間としても一要素としてフェスを支える存在であるLittle Nap COFFEE STAND。実際のお店は代々木公園のすぐ隣という緑豊かな場所で、店内の選曲も抜群!
お出かけの気持ちよくなるこれからの季節、ふらりと美味しいコーヒーを飲みに行ってみてはいかがでしょうか。

Shop Information

Little Nap COFFEE STAND

◾️OPEN
9:00-19:00
◾️CLOSE
EVERY MONDAY
◾️ACCESS
〒151-0053 東京都渋谷区代々木5-65-4
◾️TEL
03-3466-0074
◾️URL
www.littlenap.jp

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久野麻衣

DIGLE MAGAZINE 副編集長

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